表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チート過ぎる裏ボス皇女様のゆったり日和  作者: 紗那
Ⅰ.継続皇女とシナリオ②
53/81

45.継続皇女と突破

エルヴィーノ公爵を王宮の地下牢に連行できた後、

第一宮殿の執務室に戻ってもらった母上たちと今回の件の報告を行った。


「フィーリア、アフェク……!本当に無事で良かった……!」

「母上……」

「お母様……申し訳ありません」

「謝ることはないのよ。本当に無事で良かったわ」


アフェクと共に先に王宮へ戻り手当てを受けていたフィーリアは私やノルベルトが王宮に着いた頃には既に目覚めていた。

後遺症も何もなくてほっとしたけれど、

今回は私のミスだ。


「アスターシアもノルベルトも……本当によくやってくれた。

怪我はしていないか?」

「父上、私たちは大丈夫です。

優秀な近衛騎士のおかげで無事に終わりましたから」

「そうか」


涙を浮かべながらフィーリアとアフェクを抱きしめる母上の様子を少し遠くから見つめていた私とノルベルトの傍に父上が近寄り声をかけてくれた。

──これでやっと母上と父上が死んでしまう未来は回避できた。


ゲームならこの日母上達は暗殺され、

フィーリアが女皇として即位する流れだった。

まだ十歳の少女であるフィーリアは皇位継承者としての教育を受けてはいなかった。

それはそのはず。

本来なら次代の女皇である第一皇女がいたからだ。

けれどその皇位継承者であるアスターシアは皇位を放棄した。

何の下準備もできず姉に言われるがまま即位した。

それがゲームの女皇フィーリア。


「お姉様、ノル兄様も……ご迷惑をお掛けしてごめんなさい……」

「フィーリアが謝ることは何もないわ。

フィーリアはエルヴィーノ公爵の妻が精神病を患っているのなら助けたいと心から思ったのでしょう?

その良心を利用したエルヴィーノ公爵が悪いのだから。

……それに私も。

あなた達を母上と同じく異空間に送っていれば、

こんな怖い経験をすることもなかった。

ごめんねフィーリア。私のミスだわ」

「お姉様のせいではありませんっ!」


母上から離れてこちらにやってきたフィーリアが私やノルベルトに謝罪の言葉を述べる。

あなたが謝ることは何一つないのに。

そう思って告げた言葉にフィーリアは勢いよく首をぶんぶんと横に振り否定する。

……本当に優しい子。


悔やんだところで仕方がないということは理解していても、

エルヴィーノ公爵ならそういった手段を選ぶかもしれないという考えは頭にあった。

だからこそ自分の注意力の無さと油断が招いた今回の件に後悔が滲む。

無事に終わったことにホッとしてはいるけれど、

まだエルヴィーノ公爵の目的は分からないまま。

彼は一体何がしたかったのだろう……?


今はすぐに尋問の用意をしていたアルベール宰相と叔父上がエルヴィーノ公爵への尋問を始めている。

今すぐにその事の詳細を聞くことはできないけれど、

後日叔父上たちから教えてもらえるだろう。


私たちは怒涛の一日を乗り越え、

母上に言われるがまま早めに休むことにした、



「今日はお疲れ様でございました」

「シーナもありがとう」

「いいえ、お役に立てたのなら幸いです」


自室へ戻ってきた私はシーナに用意してもらった紅茶を飲みながらぼんやりとソファに座っていた。


馬車へ『シラー』のメンバーの奇襲があった時、

恐ろしい速度で敵を倒していたシーナの姿が脳裏に浮かぶ、

侍女って戦闘面も強くなければならないのかしら……。

どう考えても立ち回り方が戦いに慣れていた。

それとも皇族の専属侍女となると護衛のためにそういった類も求められたりするのかもしれない。

──短剣で戦っていたシーナかっこよかったなぁと思いながらぼんやりと過ごす。


「何とか無事に終わらせられて良かったわ……」

「これからが大変ですね」

「そうね……」


エルヴィーノ公爵を捕らえることが成功した今、

あとは関係各位の裁決が下され、

貴族社会も大きく変わっていくだろう。

エルヴィーノ公爵だけでなく、

彼に賛同して関わった貴族たちも何らかの罰を下されるはずだ。


「私たちよりも叔父上やアルベール宰相が大変そうね……」


不意に窓の向こう、

月明かりが照らす夜の空をぼんやりと見つめる。

──これでやっと終わった。

その実感が少しずつ湧いてくるのを感じてほっとため息をつく。


「アスターシア様、今日はもうお休みになられてください」

「ええ、ありがとう」


シーナに声をかけられて、

私はソファから立ち上がり寝る支度を始めた。

……少し嫌な予感がするのは気の所為だと良いけれど。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ