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チート過ぎる裏ボス皇女様のゆったり日和  作者: 紗那
第一章『最強皇女と帝国』
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09.義弟と弟と私

長く居すぎるとシーナ達が心配してこっちへきてしまうということで、

私たちは猫たちとお別れしてシーナ達が待つ庭園の入口付近まで戻ってきていた。


「あまりにもお戻りにならないのでいつものようにお昼寝でもしているのではないかと心配になりましたよ」

「え?」

「シーナにバレてる……」


少し苦笑気味に告げられたシーナの言葉に私以外の皆は驚いた顔をして、

私はどうしてシーナは知っているのかと頬を膨らませた。

専属侍女であるシーナとレイナに隠れていつもあの場所で私は昼寝をしていることが多い。

それがシーナにバレていたのだ。


「アスターシア様はお昼寝がお好きですから、

あの場所は日が良く当たる上に人もあまり来ない良い穴場ですものね」


にっこりと優しい微笑みを浮かべるシーナに悪気は一切ない。

ひっそりと隠れてやっていたとはいえ、

いずれ誰かにはバレるだろうと思っていたからまぁ良いけど。

それよりも私が昼寝をするのが意外だったのか、

驚いた目で私を見つめるノルベルトの視線にいたたまれなさを感じる。

私ってそんなにもお昼寝したりするイメージがないのだろうか。


「ノルベルト様も、

アスターシア様に用があってどこにもいなかった場合は、

先程案内された場所に向かうと良いですよ」

「分かりました」


ああ……。

二日目にしてダメダメな姉が露見してしまっている……。

普段の様子をシーナに暴露されてしまって何とも言えない気持ちになったが、

気持を切り替えて次の目的地へ移動──する前に先程いた『猫の庭』と勝手に呼んでいる場所よりも、

比較的王宮に近い場所にある白いガゼボの中で昼食をとることにした。


「まだほんの一部だけではあるけれど、

ここまで見て回ってみてどうだった?」

「やっぱり国の中心にあるということもあって、

予想以上に広いなと思いました」


そうだよねぇ……。

私も初めはすっごくそう思ったもの。

とても気持ちが分かると内心頷きを返す。

とはいえ六年も過ごしているものだから私は流石に慣れたけれど、

昨日来たばかりのノルベルトはこの広さに戸惑うのも無理はないよね。


ここまで色々見てみたノルベルトの王宮内の感想を聞きながら、

私はシーナが用意してくれたサンドイッチを食べる。

シーナ達もすぐ隣にあるガゼボの中で同じように昼食をとっている。


ちなみにどうして王宮内であっても単独行動ができるのかというと、

王宮を囲むようにしてカノナス師団長の魔法により結界が張られているからだ。


加えてノルベルトの能力は『空間移動』。

自分や相手やものに至るまであらゆるものを一瞬にして別の場所に移動させることができる。

アフェクの持つ『瞬間移動』の上位互換のようなもので、

上記の使用方法以外にも空間ごとどこかへ飛ばすこともできるから、

今すぐに避難しなければならないような非常事態には部屋という空間ごと安全地帯に飛ばす、

もしくは王宮ごと飛ばしてしまえばいいというチートっぷり。

有能過ぎて逆に恐ろしいくらいだ。




「ここって……」

「そう、アフェクの部屋ね!」


昼食を食べ終えた私たちがやってきたのは、

もうすぐ三歳になる弟アフェクの部屋だった。

ノルベルトのお披露目はアフェクの生誕祭の中で行われる。

それにこれから家族になるわけだから会っても問題ないだろう。


「こんにちは、アフェク」

「あねうえ!」


どうやらちょうど昼食を食べ終わったところらしい。

アフェクの専属侍女エリノアさんが私たちに深々と頭を垂れる。


「そちらのかたは?」

「彼はノルベルト。

私たちの新しい家族で……そうね、アフェクのお兄さんよ」

「あにうえ?」

「そうよ」


座っていたソファからそっと降りたアフェクは、

その足でノルベルトの傍まで近寄る。

まじまじと不思議そうに興味津々な眼差しでノルベルトを見上げる姿はとても可愛らしい。


「あにうえ、はじめまして。

ぼく、アフェクといいます」

「ああ、初めまして。

僕はノルベルト。姉上にはノルと呼ばれている。

こちらこそよろしくお願いするよ」


アフェクに話しかけられたノルベルトは、

しゃがみ込んでアフェクの視線に合わせてから自己紹介をした。

小さい子の扱いには慣れているのだろうか?

とてもスムーズにやっていたように見える。


「ノルあにうえ?」

「兄上だけで構わないよ」

「そっか……じゃああにうえ!ぼくとあそびましょう!」

「あら珍しい。

アフェクはご飯を食べたらすぐに寝ちゃうのに」

「きょうはおねんねよりもあにうえとあそぶの!」


いつもなら昼食を食べたあとはお昼寝をしているのだが、

どうやら新しい家族に興味津々のようだ。

眠気よりもノルベルトと一緒に遊びたいらしい。

そんな二人を傍目から見ていると部屋の外に待機していたジスタから私を呼ぶ声が聞こえた。


「じゃあノルベルトはアフェクと一緒にいてくれる?

何かあったみたいだからちょっとだけ行ってくる」

「分かりました」


アフェクのことをノルベルトに任せて、

私はシーナとともに部屋の外に出る。


「何かあった?」

「女皇陛下がお呼びです」

「母上が?」

「はい。何でも昨夜のことを相談したいと仰せです」

「!」


昨日の夜に提案したことへの母上の決定が聞けるということかしら……?

何はともあれ母上の元に急ぐ必要があるな。

そう思って私はシーナ達を伴って母上のいる第一会議室まで向かった。


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