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王子様は1人じゃないっ!  作者: 華咲果恋
本編2年生
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宿泊合宿2

「あ、ユーリちゃん!お帰り。」


「……みのりんっどーしよ!」


係の仕事が終わって帰ってきたユーリちゃんはそう言いながらいきなり抱き着いてきた。


「お帰り、優里。そろそろ入浴時間だから早く準備してね。」


「は〜い」


玄関に来た音さんにそう言われたユーリちゃんは返事をして部屋に入った。


「敬語じゃ無い音さんって少し新鮮ね。」


「そうですか?でも、確かに美乃梨さんや貴翠さん相手には敬語が多いですね。貴翠さんは年上ですし、美乃梨さん相手にタメ口なんて使えませんから。」


私と音さんがそんな事を話していると荷物を持ったユーリちゃんと羽音ちゃんがやって来た。

お風呂はログハウスの近くにある施設の大浴場を借りる為、着替えを持って移動しなければならない。


「みのりん、音、お待たせ〜!」


「じゃあそろそろ行こっか。」


そして皆んなで揃って大浴場のある施設に向かった。


「あ!雅美ー!レイラー!」


向かいから歩いて来る人影ににユーリちゃんが大きく手を振った。雅美ちゃんとレイラちゃんは綾ちゃんと朝葵ちゃんと同じ班だそうで、4人で来ていた。


「みのりん達も同じ時間帯だったんだ!一緒に行こ!」


レイラちゃんはそう言って私の手を握った。


大浴場は私たちの学校の貸切状態で、一番乗りだった。


「私、公衆浴場って初めて……」


「えっ!?みのりん温泉とか入った事ないの!?」


「えっと、温泉は入った事あるけれど別荘では引いてるから。」


「みのりん家の別荘のお風呂凄く気持ち良いもんね〜!」


私とレイラちゃんの会話を聞いていた雅美ちゃんがそう言った。


「良いな〜、雅美!」


「レイラちゃんも今年の夏休み、時間が合えば一緒に旅行、と言うか避暑に行かない?」


「良いの!?絶っっっ対行く!」


「えっ!私も行きたい〜!!」


近くで話を聞いていたらしいユーリちゃんもそう言って来た。


「ええ!勿論皆んなで行きたいわ。」


次のメンバーが来る時間が迫って来ていたのでサッと入浴を済ませた。



「お風呂上がりって牛乳飲みたくなるよね」


お風呂から上がり、髪の毛を乾かし終えると突然ユーリちゃんがそう言った。


「そうかな?」


「私は特に思わないけど。」


そう答えた私と音さんとは違い、羽音ちゃんは隣で縦に首を振っている。


「私も毎日牛乳を飲むようにしてるの!その成果か去年よりも身長が7センチも伸びたの!」


「えっ、良いな〜羽音!今何センチくらいなの?」


「5月に測った時は確か146センチだったかな?」


「えっ、私もう直ぐ羽音に身長抜かれそう〜!」


ユーリちゃんの言葉に羽音ちゃんはふふんっと胸張った。


「そう言えば、美乃梨ちゃんと音ちゃんは身長高いよね。」


羽音ちゃんにそう言われた。


「私は両親共に背が高いし、家族皆んな高い方だから遺伝だね。」


「私は特に高くないと思うよ。この前測った時も156センチくらいだったから。」


音さんはそう答えた。


「私にとったら二人とも十分高いよ。」


羽音ちゃんはそう言いながらユーリちゃんと一緒に羨ましい〜と言った。


「美乃梨さん、そろそろ戻らないと次のグループが来てしまいます。」


「音ちゃん、どうしてそんな焦った顔してるの?」


「どうしてって、次のグループは男子だからだよ!美乃梨さんのお風呂上がりの姿を見たりしたら絶対集まって来るから!」


「えっ、そんな事な、」


「確かにそれ、みのりんならあり得るね。急いで帰ろ!」


そして部屋に戻って就寝準備をした。


「ねえ、折角だから恋バナしない?」


羽音ちゃんがそう言った。


「その前に、ユーリちゃんがさっき言いかけていた事が聞きたいわ。」


私がそう言うと羽音ちゃんも音さんも頷いた。


「ユーリちゃん、何があったの?」


私がそう聞くとユーリちゃんは話してくれた。


「……って言われて。」


「ユーリちゃんは和真くんに告白されてどう思ったの?」


「よく分からない。みのりんは九条くん以外の人から告白された時どう思ったの?」


「私は……好かれていることは普通に嬉しいと思った。でも、私が向けている好きって感情とは違ってて、申し訳ないと思った。」


「そっか。」


「ユーリちゃんは?」


「嫌では無かった。嬉しかった……よ?」


ユーリちゃんは枕に顔を押し付けた。


「告白とか人生で初めてされたから……」


ユーリちゃんの様子を見ているとユーリちゃんは多分、和真くんの事が好きなんだなと思った。でもそれは、芽生えたばかりの恋心だから、まだ自覚出来ていないのだろう。


「って、よく考えたらこの班私以外全員彼氏持ちじゃん!皆んな先輩だ!皆んながどうやって付き合ったか聞かせて!」


ユーリちゃんは私達を見回してそう言った。


「私は、葉月くんとは朝葵ちゃんを通じて仲良くなって良い人だな〜くらいに思ってたんだけど、5月の終わりくらいに告白されたの。その時に葉月くんの事を好きって自覚して付き合い始めた。」


「私は美乃梨さんのご紹介で貴翠さんと知り合い双方の利害の一致によりお付き合いを始めました。」


音さんの話を聞いた羽音ちゃんは驚いた顔をした。


「じゃあ次、みのりん!まあ、大体知ってるけど。」


「先に言っておくけれど、私の場合、千秋とは付き合ってないからね?」


「うんうん、分かってるって!」


ユーリちゃんがそう言いながら頷いたので私は話した。


「自覚したきっかけは体育祭の時に波多さんから告白された事何だけど、響彼くんの会社の創立記念パーティーの時、パーティー会場のホテルのベランダでお互い告白したの。」


「そうだったね〜。ちょっと懐かしいな〜!」


そして少しずつ恋バナも盛り上がって来た。


「羽音と阿藤くんはデートとかどこでしてるの?」


「公園で一緒に散歩する時もあれば映画を観に行くこともあるよ。」


「音と本堂先輩は?」


「一度国立図書館に行ったけど、他はあまり一緒に出掛けることは無いかな。普段は電話で話してるから。」


ユーリちゃんはへえ〜と興味深そうに頷いている。

私も貴翠が音さんと出掛けていた事を初めて聞いたので少し驚いた。


「じゃあ皆んな、彼氏の好きな所は?」


「私に良いことがあった時に自分の事みたいに喜んでくれるところ。」


「私の場合好きな所というか尊敬している所だけど、美乃梨さんに対する真っ直ぐな気持ちかな。」


音さんはキリッとした顔でそう言った。


「まあ、本堂先輩ならそうだよね。」


ユーリちゃんも音さんの意見に頷いた。


「みのりんは?」


「私の理想に近付こうとしてくれる所かな?」


「みのりんの理想って、王子様?」


「うん。全然柄じゃ無いのに頑張って王子様っぽく振舞ってくれるの。でも、意識的に振舞ってる時よりも無意識の優しさが王子様っぽかったりするんだけど。」


私がそう言うとユーリちゃんがこちらを凝視して来た。

どうしたの?と聞くと


「九条くんがみのりんにベタ惚れの理由分かるよ〜」


と言った。

ユーリちゃんの隣では音さんと羽音ちゃんも同意している。


「私の話よりユーリちゃんの話の方が今は重要よ。いつの間にか話が逸れてる。」


「私の話って……坂下くんの事、少し前から意識はしてるけど」


「「「えっ!?」」」


「それってもう好きなんじゃ、」


「優里、意識ってどんな風に?」


音さんは羽音ちゃんの言葉を遮ってユーリちゃんに聞いた。


「ボーっとしている時に時々顔が浮かんで来たり、初めて好きになるなら……」


そう言いかけたユーリちゃんはボンッっという音が鳴りそうなくらい一気に顔が赤くなった。


「えっ、でも、えっ!?」


自覚するのにはもっと時間が掛かると思っていたけれどそんな事は無かった。もしかしたら自分の気持ちを認めていなかっただけかもしれない。

自覚したらしいユーリちゃんは戸惑ったような焦ったような表情を浮かべた。


「明日が少し楽しみね。」


音さんがそう言った。

その時丁度玄関からノックの音が聞こえた。


「もう就寝時間だぞ〜。早く寝なさい。」


見回りをしていた三日月先生だった。


「は〜い。」


とユーリちゃんが返事をした。


「どうしよ、私全然寝られる気がしないよ〜!」


「お休み、優里。」


「音の薄情者〜!」



夜が明け起床時間までは少し時間があるので少し窓を開けて風に当たった。


「美乃梨さん、おはようございます。朝からお美しいですね。」


「あ、ありがとう、音さん。おはよう。」


音さんと少し話していると起床時間が近づいて来たのでユーリちゃんと羽音ちゃんを起こしに行った。


「ユーリちゃん、羽音ちゃん、そろそろ起きて。」


二人を揺さぶりながらそう言うと、羽音ちゃんの方はすぐに目を覚ましたが、ユーリちゃんの方はと言うと……


「ん〜、おきてるよ〜」


と言いながらも瞼を閉じたままだった。


「昨日は寝付けないと言っていたのに……」


音さんは少し笑いながらそう言った。


「優里ちゃん、早くしないと朝食の時間に間に合わないよ?」


羽音ちゃんがそう言うとユーリちゃんはパッと目を覚ました。


「朝ご飯!」



朝食は昨日お風呂を借りた近くの施設で食べる。

サッと着替えてその施設に向かった。


「はあ〜、はよ、美乃梨!」


丁度入り口で眠たそうにあくびをしている爽夜くんとバッタリ会った。確か爽夜くんの班には千秋と景くんと篤季と和真くんが居た筈だ。


「おはよう、爽夜くん。千秋達は?」


「もうすぐ来ると思うけど……秋月は何で星川の後ろに隠れてんの?」


爽夜くんはニヤニヤしながらそう聞いた。


「爽夜くんも和真くんに聞いた?」


「ああ。その所為で昨日中々寝れなかったんだよ。」


「あはは……お疲れ様。」


「まあ、美乃梨の好きな奴は気付いたら寝てたけどな。」


爽夜くんはニヤニヤしながらそう言って来た。


「ど、どうして名前で言わないの?」


「いや〜、千秋に恋バナ求めても話してくんないから。」


「多分、恋バナ出来るほどの話がないからだと思う。」


私と爽夜くんが喋っていると千秋達がやって来た。


「美乃梨も爽夜も何入り口で喋ってるんだ?」


「千秋が恋バナしてくれないって話をしてたんだよ。」


「はあ?美乃梨、爽夜から変な事聞いてないよな?」


「?うん。」


千秋はすぐに施設の中に入って行った。


「変な事って、何?」


私が爽夜くんに聞くと爽夜くんは口元に人差し指を当てた。


「それは秘密。ってかそろそろ行かねえと三日月先生に怒られるな。」


そして私達も施設の食堂に向かった。

朝食は主食、主菜、副菜がそれぞれ数種類ずつ用意されており、自分の食べる分だけ取るビュッフェ形式だった。


私は無難にお米と焼き鮭と漬物と卵焼きとお味噌汁を取って席に戻った。


「美乃梨さんはご飯は何ですね。私も朝はご飯派なので嬉しいです!」


先に席に戻っていた音さんはそう言った。


「私はパンの時もあるけれど言われてみれば確かにご飯が多いかもしれないわ。」


そしてユーリちゃんと羽音ちゃんも戻って来て皆んなで食べ始めた。



宿泊合宿2日目の今日は朝食後、鍾乳洞に向かう。


「じゃあ今から鍾乳洞に向かうので学級委員を先頭に背の順に並べ〜」


私は一番後ろで、隣は爽夜くんだ。私と爽夜くんの後ろの最後尾には京翠が立っている。


「鍾乳洞って俺初めてなんだよな。」


「私も多分初めてだと思うわ。」


私がそう言うと後ろに居る京翠が否定した。


「美乃梨様は幼い頃に何度か行かれた事がありますよ。」


「そうなの?全く覚えていないわね。」


そして鍾乳洞に着くと懐中電灯を点けた。


鍾乳洞の中は少し肌寒いくらいに涼しかった。

少し光が差し込んでいるところは神秘的で綺麗だった。


しばらく歩いた後、入って来た所へ戻った。


「凄かったな〜」


「ええ、折角ならカメラを持っていたら良かったのにと思ったわ。」


「それはそうだな。」


そして朝と同じ施設で昼食を摂った後、バスに乗って帰った。


帰りのバスの中、疲れ切って寝ている人も居れば、もう少し居たかったと嘆いている人も居た。


私はと言うと……


『みのりん、本当どうしたら良いと思う!?このままじゃ私色々思い出して夜寝れないよ!』


とユーリちゃんに肩を揺らされていた。


『ユーリちゃんは和真くんと連絡先交換してるの?』


『してない、けど。』


『じゃあ今日帰ったら和真くんの連絡先送るね!』


『な、何で!?』


『強いて言うなら、明日が日曜日で全部活休養日だからかな?』


私がそう言うとユーリちゃんは顔を赤くしたまま言った。


『分かったよ。頑張ってみる……』

次回もお楽しみに!

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