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王子様は1人じゃないっ!  作者: 華咲果恋
本編2年生
90/123

宿泊合宿1

「みのりん、お菓子いる〜?」


隣の席に座っているユーリちゃんがそう聞いて来た。

私が頷くと、ユーリちゃんはチョコのお菓子をくれた。


「ねえねえ、みのりん!!これから行く山、大きい滝があるんだって!」


「そうなの?楽しみね!」


私達は今、宿泊合宿もとい林間学校のためバスで移動中だ。


「皆んなでお泊まりなんて楽しみだよね!」


「ええ!とても楽しみだわ。」


目的地に着き、バスから降りるとクラス別に整列した。


「今から行うのはオリエンテーリングです。コンパスと地図を頼りにゴールに向かって下さい。その時、必ず3人以上で行動して下さいね。山は危険です、柵があるので柵から外には絶対に行かないこと。何かあればすぐにチェックポイントにいる先生を呼びに来て下さい。」


学年主任の先生の注意事項の説明が終わり、各班1人ずつコンパスと地図を受け取った。


「それでは、よーい、スタート。」


班は三日月先生に決められていて、私の班は私と羽音ちゃんと爽夜くんと葉月くんの4人だった。


「美乃梨、迷子になるなよ?」


爽夜くんがからかうようにそう言って来た。


「子供じゃないんだから、迷子になんてならないわよ。」


「もし美乃梨が怪我なんてしたら千秋とか雅美達に色々言われそうだからな。」


「私、護身術を習っていたから多分爽夜くんよりも力あると思うわよ?」


「いや、流石にそれはねえと思うぞ。」


私と爽夜くんがそんな事を言い合っていると、


「そこの2人、早くしねえと置いてくからな〜」


と言われてしまった。


「俺、優勝目指してるから。」


突然葉月くんがそう言った。

優勝したら記念品としてバッチが貰えるらしい。そのバッチにも恋愛関係の伝説があるらしく、葉月くんはそのバッチを羽音ちゃんにプレゼントしたいらしい。


「ねえ、爽夜くん。この学校、伝説が少し多くないかしら?」


「ああ〜、それ、言い出してるの大体先生だから。先生達が少しでもイベントに乗り気になって貰えるようにって。」


「そうなんだ。」


「そろそろチェックポイント見えて来そう。」


羽音ちゃんが地図を見ながらそう言った。

そして間も無く一つ目のチェックポイントに着いた。


「一つ目のチェックポイントは加賀谷先生何ですね。」


「ああ、恋咲達か。時間ぴったりだな、その調子でゴールまで頑張れ。」


「はい!」


「うっす、加賀センも頑張れ〜」


そして二つ目のチェックポイントに向けて歩いた。


「あ、そういえばさ、前にテレビのCMで架が出てたな。」


「そうなの。架は稔よりも少し早くデビューしてるから。」


私と爽夜くんが話していると前を歩いていた羽音ちゃんが尋ねて来た。


「架って?」


「美乃梨の弟。凄えイケメン。」


「美乃梨ちゃんって弟いるの!?」


羽音ちゃんが驚いたようにそう言った。


「ええ。二つ下に三つ子の弟が居るわ。それと、八つ上の兄と兄の奥さんの義姉も居るの。」


「大家族だね。」


「眞木、その義姉ってのは真央先輩のお姉さんなんだぞ。」


爽夜くんの言葉に羽音ちゃんが驚いたような顔をした。


「じゃあ美乃梨ちゃんと神崎先輩は義姉弟ってこと?」


「ええ、まあそうなるかしら。羽音ちゃんは兄弟とかいないの?」


私の言葉に羽音ちゃんは眉を下げながら答えた。


「三つ上のお兄ちゃんが居るよ。ちょっと過保護すぎるんだよね。」


羽音ちゃんの発言に隣に居た葉月くんが思い切り頷いた。


天飛(たかと)さんは過保護すぎ。俺と羽音が一緒に居ると邪魔してくるし。」


「私が朝葵ちゃんと出掛ける時は笑顔で送り出してくれるのに、葉月くんと出掛ける時は着いて来ちゃうからね。」


羽音ちゃんははあ、と溜め息をつきながらそう言った。

すると、爽夜くんが私の方に手を差し出して言った。


「二人とも、こちらの箱入りお嬢様の前ではそんな行動可愛いものですよ。」


「何だ、急に小芝居始めて。」


「美乃梨、今まで一人で家の外に出た事あるか?」


「……無いわね。」


「俺達と会う前に公共交通機関を使った事は?」


「……無いわ。」


「過保護っても流石に美乃梨には勝てないだろ?」


爽夜くんの言葉に二人は静かに頷いた。


「お兄ちゃんの過保護は過保護じゃないんだ。」


天飛(たかと)さんのは全然緩い方なんだな。」


二人の反応にどう返したら良いのか分からず、取り敢えず愛想笑いをした。


そしてその後も順調にチェックポイントを通過した。


「俺らマジで優勝出来んじゃね?」


「確かに今のところ良い感じだよな。最初は乗り気じゃなかった癖に爽夜も結構優勝狙ってんのか?」


「学年一位ってのは良い響きだからな。」


爽夜くんと葉月くんはそんな事を話しながら私と羽音ちゃんの前を歩いている。その時、「……ニャー」という小さい悲鳴が聞こえた。


「……猫の声」


聞こえたのは私だけでは無いらしい。隣の羽音ちゃんがそう呟いた。


「上、だよな?」


爽夜くんがそう言いながら上を見た。


「……あ!居た!でも、高すぎるな。」


声の主は木の上に登って降りれなくなっていた子猫だった。


「どうする?木に登る?」


「俺、木登りは出来るけど猫を連れて降りる自信ねえ。」


爽夜くんがそう言った。


「猫ちゃ〜ん、降りて来て〜。」


羽音ちゃんが必死に猫に呼びかけている。


「……可愛い」


葉月くんは口元を押さえながらそう言っている。


「おい葉月、眞木も真面目にしてるんだからあんまりからかうなよ。それに今は眞木と葉月の二人きりじゃ無いから。」


そして爽夜くんは仕切り直した。


「俺があそこまで登って猫を捕まえるから、美乃梨か葉月が猫を受け取ってくれ。」


そして爽夜くんは軽々と木に登って子猫を掴んだ。


「美乃梨、葉月、どっちでも良いから早く来てくれ。」


私が手を伸ばすと爽夜くんは子猫を離した。

一瞬宙に浮かんだ子猫はビクッと身体をこわばらせたが、無事私の腕の中に着地した。よく見ると足を怪我しているようだった。


「この子怪我してる。」


「早く先生達の居るゴールに向かうぞ。」


そしてゴールに立っていた三日月先生と京翠に事情を話した。すると二人は驚いた表情をしてゴールを他の先生に頼んで私を連れて人の少ない所へ向かった。


周りに人気がない事を確認すると三日月先生は防音魔法をかけた。


「どうしたんですか?」


「恋咲、一度こいつに治癒魔法をかけられるか?」


「?はい。」


よく分からないが取り敢えず子猫に治癒魔法をかけた。

その瞬間、子猫だったはずが小さい子供の姿に変わった。


「えっ、ど、どういう事ですか!?」


「魔法だ。確か、倉津木家に使い手が多い変容魔法だ。詳しい話はこの者に聞けば分かるだろう。」


三日月先生はそう言った。しばらくの間動かずに一点を見つめていた子供はゆっくりと顔を上げて呟いた。


「……捕まえなきゃ」


子供が呟いた瞬間、京翠が叫んだ。


「っ美乃梨様!」


京翠は私を庇うようにして引っ張った。


「本堂先生、恋咲を連れて早く、時間稼ぎくらいは俺にも出来ますから。」


三日月先生にそう言われ、私は京翠と共にその場から離れた。


ゴールの近くに着くと爽夜くん達が駆け寄って来た。


「あの猫、大丈夫だったか?」


爽夜くんにそう聞かれ、私は取り繕って答えた。


「え、ええ。三日月先生が怪我の手当てをして下さって、ちゃんとお家に帰った筈。」


「良かった〜。」


羽音ちゃんが安心したようにそう言った。


「三日月先生にそろそろ皆さんがゴールされると思いますのでクラス別に集まっていて下さいとの伝言を預かっております。」


「了解です。もうゴールしてる人達に伝えて来ます!」


爽夜くんが走って行き、葉月くんと羽音ちゃんもそれについて行った。


「それより京翠、三日月先生一人じゃ危ないわよね?それに何より誰かに見られるかもしれないし。」


私がそう言うと、京翠は考えるような仕草をした。

その時、


「美乃梨ちゃん!」


「美乃梨!無事か?」


「美乃梨お嬢様!」


景くんと千秋と篤季が来た。


「何があったの?さっき急に魔力の気配を感じたんだけど。」


「私にも良く分からない。でも三日月先生が今一人で、」


「美乃梨、一旦落ち着け。」


千秋にそう言われ、私は一度深く深呼吸をした。


「美乃梨様、三日月先生の事ですが、私は美乃梨様のボディーガードなので離れる事は出来ません。彼なら三日月家ではほぼ上位に位置してますし大丈夫だと思いますが……」


京翠は私の後ろにいる篤季に目配せをした。


「僕が行って来ます。」


「任せましたよ、篤季。」


「はい、美乃梨お嬢様の為ですから。」


そして篤季は三日月先生の居る方へと向かった。


「美乃梨様、そんなに心配そうな顔をなさらずとも篤季は本堂家で攻撃系魔法の訓練を受けていますから。」


「そうなの?」


「はい。薫様が美乃梨様の婚約者候補に自ら立候補するならそれくらいはしていないといけないと仰られたので。」


そして私達は先にログハウスに向かう事になった。


ログハウスに着くと炊事飯の人達は夕食の準備を始めた。私も火おこし係として薪を運んでいた。


「恋咲さん、それこっち」


「……」


「恋咲さん、聞こえてる?」


同じ係の男の子がじっと私を見た。


「ごめんなさい、聞いてませんでした。」


「その薪、こっちに持って来てくれる?」


「はい。」


篤季と三日月先生の事を考えていたら周りの声が聞こえなくなっていたらしく、同じ係の子に迷惑をかけてしまった。


無事、着火が終わると係りの子が気遣って言ってくれた。


「恋咲さん、あとは見ているだけだから休憩して来たら?」


「ありがとう。そうさせて貰います。」


そして少し空いているベンチで休ませて貰うことにした。


「美乃梨様、篤季達が心配ですか?」


少し後ろからスッと京翠が出て来た。


「二人が強いからって、やっぱり心配が無くなるわけじゃないもの。」


「大丈夫ですよ。……ほら、二人とも帰って来ました。」


京翠の言葉に私はパッと顔を上げた。


三日月先生と篤季は少し擦り傷などはあったが見たところ他には特に大きな怪我も無さそうだった。


「三日月先生、あの子供は……?」


「さっきフェリクス様をお呼びして連行された。」


「リクスお兄様?」


私は目覚めてから一度もリクスお兄様やローサお母様達と顔を合わせていない。何やら色々と忙しいそう。


「ああ。薫さんも茅紘さんも忙しいらしくてな、時空魔法が使えて連絡が取れるたのがフェリクス様だけだったからな。」


「そうなんですね。」


「あの子供はフェリクス様の元に居るし、他に魔力の気配を感じないし、何より本堂先生がいる為特に心配する必要はないと思うが……心配するとすれば本堂先生が付いていられないところだな。」


「私、護身術が使えますから多少は大丈夫ですよ。」


三日月先生はそうか、と頷いた。


「就寝時に関しては本堂先生に扉前での警護を申し出てくれているから安心してくれ。」


「京翠が寝れなくなるなら要りません。」


「俺が途中で交代する。」


「僕も交代します!」


三日月先生の言葉に続いて篤季がそう言った。


「駄目だ。」

「いけません。」

「絶対ダメ!」


口を揃えて止められた篤季は残念そうに顔を下げた。


「僕だって、美乃梨お嬢様の事をお護りしたいのに。」


すると京翠が言った。


「仮にも貴方は美乃梨様に告白しているのですから節度を弁えて発言して下さい。美乃梨様のボディーガードになりたいと言うのならところ構わず美乃梨様に告白する癖をやめてからにして下さい。」


京翠にそう言われた篤季は真剣な顔で言った。


「それは無理です。」



夕食の準備が終わり、班別になって食べ始めた。


「美味しい!」


「うん!私、おかわりしよっかな〜?」


「優里ちゃん、夜だから食べ過ぎないようにね。」


おかわりをしようとしているユーリちゃんに羽音ちゃんがそう言った。


「私が切ったニンジンを美乃梨さんが召し上がって……ありがとうございます!」


「音〜、皆んな引いてるよ〜」


音さんの発言に、ユーリちゃんが言った。



「あ〜、美味しかった!」


「結局優里ちゃんは2回もおかわりしてたね。」


羽音ちゃんははあ、と溜息をついていた。


「ふふっ、羽音ちゃんユーリちゃんのお姉ちゃんみたい。」


羽音ちゃんは少し考えた後、「そうかも」と頷いた。


「秋月!そろそろ準備に行かねえと!」


夕食の片付けをしていると、和真くんがユーリちゃんを呼びに来た。


「あ、そうだった!ありがと、坂下くん!みのりん、羽音、音、後片付け手伝えなくてごめんね!行って来ます!」


「行ってらっしゃい、ユーリちゃん!」


私はユーリちゃんに手を振りながらそう言った。


後片付けが終わると、キャンプファイヤーが行われる広場に移動した。


「キャンプファイヤーを始める前に、今日のオリエンテーリングでの表彰を行います。」


全員が集まると係の先生が出て来てオリエンテーリングの表彰が始まった。


「第三位、1組3班。南さん、燕木さん、柄灯さん、佐々野さん、賞状があるので前に来て下さい。」


賞状を受け取った凪くんは満面の笑みでこちらに手を振っていた。


「第二位、2組5班。恋咲さん、眞木さん、松岡さん、阿藤さん、前に出て来て下さい。」


私達の班が呼ばれた。

結局、優勝は取り損ねてしまった。


「優勝出来なかったのは残念だけど、あの猫を助けられて良かったな。」


葉月くんがそう言った。

私も羽音ちゃんも爽夜くんも頷いた。


「第一位、2組1班。星川さん、秋月さん、九条さん、有栖川さんです。おめでとうございます。」


四人は優勝記念のバッチと賞状を受け取った。


「そう言えば、あのバッチの伝説ってどんなものなの?」


私は隣にいた爽夜くんに聞いた。


「ああ、確か……バッチを好きな人に渡すと振り向いて貰えるみたいな感じだった気がする。」


「えっ、じゃあ葉月くんには必要ないんじゃないの?」


少し後ろで羽音ちゃんと並んでいる葉月くんの方を見てそう言った。


「あ〜、何か他にも意味があった気がする。」


爽夜くんは首元に手を当てながらそう言った。

すると私達の視線に気付いたらしい羽音ちゃんが隣の葉月くんの肩を叩いてこちらに来た。


「爽夜も恋咲もどうした?」


「実は今、あの優勝記念品のバッチの伝説について爽夜くんに聞いていたのだけど、葉月くんには必要なかったんじゃないかと思って。」


私がそう言うと葉月くんは首を傾げながら言った。


「爽夜から何て聞いたんだ?」


「好きな人に渡すと振り向いて貰えるって。」


「その他の意味は?」


「聞いてないけど……」


「あのバッチを渡すもう一つの意味は“一番大切な人”」


葉月くんの発言に爽夜くんは納得したように頷き、私は感嘆の声を上げた。羽音ちゃんはと言うと、


「……えっ?」


驚いたように声を漏らした。

どうやら葉月くんが優勝を狙っていたのはただ楽しんでるだけだと思っていたらしい。


「美乃梨、俺らはお邪魔みたいだから千秋達の方に行こうぜ。」


「ええ、そうね。」


爽夜くんと一緒に千秋達の居る方へ向かった。


「千秋、景くん、音さん。優勝おめでとう。」


「ありがとうございます。美乃梨さん!是非私のバッチを受け取って下さい!美乃梨さんは私の一番大切な人ですから!」


「音さん、ありがとう。でも、貴翠じゃなくても良いの?」


「貴翠さんの場合は一番大切な人では無く、一番信頼できる人ですから。」


「そうなの?なら有り難く受け取らせて頂きます。大切にするわね。」


私がそう言うと音さんはにっこりと笑った。


「おい千秋〜、星川さんに先越されてんじゃん。良いのか?」


私と音さんのやり取りを見ていた爽夜くんがそう言った。


「良い訳ないだろ。美乃梨、俺のも受け取ってくれ。」


「え、ええ。ありがとう、千秋。」


そしてレクリエーションも終わり、とうとうキャンプファイヤー終盤。


「はーい、みのりん!これメッセージカードね。」


「ユーリちゃん!ありがとう。」


そして持っているペンで配られたカードにメッセージを書いた。


「千秋、このカード受け取ってくれる?」


「ああ、俺のも受け取ってくれ。」


私と千秋はメッセージカードを交換した。


「俺、ちょっと雅美のとこ行って来る。」


爽夜くんはそう言いながらこの場を離れた。


「そういえば、景くんは?」


つい先程までここにいた景くんが居なくなっている。


「あっちで女子達に囲まれてる。」


千秋が少し人集りが出来ている所に目をやって言った。


「あ、本当だ。千秋、助けに行ってあげなくても良いの?」


「景なら大丈夫だろ。」


「確かに、それもそうね。」


そしてキャンプファイヤーが終わった頃、景くんは少し疲れた顔をしていたらしい。



「はあ、疲れた〜!」


「お疲れ、秋月。」


「あ!坂下くん。坂下くんもお疲れ様。」


キャンプファイヤーが終わり、係である私達は後片付けをしていた。その後片付けも終わり、近くにあったベンチに腰掛けた。


「疲れたけど案外楽しかったね!」


「そうだな。」


「あ、そうだ!はい、これ。坂下くんの分。」


私は二枚持っていたメッセージカードのうちの一枚を坂下くんに渡した。


「ありがと。」


坂下くんはカードを受け取ると持っていたペンでサラサラと何かを書いていた。

(書く事決まってたんだ。渡す人とか居るのかな?)

少し気になり、坂下くんに聞いてみた。


「ねえ、坂下くん。それ、もしかして渡す人決まってるの?」


「……え、いや……えっ!?」


反応的に多分決まっているのだろう。


「坂下くん、好きな子居るんだ。」


「……ああ。あ、秋月は?」


「私は、今まで好きな人が居たこと無いんだよね。それに告白もされた事ないし。」


「そうなのか。……秋月、可愛いのにな。」


坂下くんがボソリと呟いた。最初の部分しか聞こえなかった為、聞き返した。


「私が、何て?」


「えっ、今の声に出てた!?やば……」


坂下くんは両手で顔を覆って俯いた。


「さっきのは何て言うか……」


そして坂下くんは真剣な顔をして言った。


「実は俺、小学校の頃から秋月の事が好きなんだ!」


「…………へ、?」


驚きすぎてつい間抜けな声が出てしまった。


えっ、今私の事を好きって言った?空耳?もしかして私今人生で初めて告白されたの!?


「このカード受け取ってくれないか?」


「う、うん。」


カードには《好きです。俺と付き合って下さい。》と書かれていた。


「返事は待つからまだ先で良い、っていうかゆっくり考えて欲しい。」


「……うん。」


坂下くんは「そろそろ部屋に帰らないとな」と言った。


「秋月のログハウスの前まで送る。」


「ありがとう。」


そしてログハウスに向かった。先程の事もあり、沈黙が続いた。


「じゃあ、また明日。」


「うん。」

久しぶりの投稿です。お待たせしました!

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