ファンクラブ会員と初対面!?1
音楽が終わり次の時間は体育なので急いで教室に戻り更衣室に移動する。
雅美ちゃんが教えてくれた。
今日の体育は2組との合同授業だと。
(そっか、じゃあ今日は景くんとも一緒に授業が受けられるんだ!)
初めての合同授業が楽しみで私は少し浮かれていたみたい。
ユーリちゃんに「みのりん、なんでスキップなんてしてるの?」と聞かれてしまった。
でも更衣室の距離が遠くそんなにのんびりしている暇はないので、私たちは体操着を持ってすぐに更衣室に移動した。
着替えが終わった頃には予鈴が鳴る1分前で少し焦ってしまった。
体育館に着くと2組と4組で分かれて列になって集まっている。
私と千秋くんは2クラス集まっているのでせっかくだから、と改めて自己紹介をする事になったので、体育館のステージ前に待機していた。景くんも呼ばれていたみたいでステージ前にやって来た。
本鈴が鳴るまで少し時間があったので私たちは少し話す事にした。
「私、合同授業って初めてでとても楽しみ!」
「僕も、少し浮かれてたみたいで和真に浮かれすぎだろって言われた…」
景くんは恥ずかしそうにハハハと笑った。
「あっ、和真って言うのは僕の友達だよ。千秋と美乃梨ちゃんは?」
「俺も凪っていう友人ができた。話しかけやすくていい奴だ、」
「私も凪くんと友達になったよ。あと今日レイラちゃんと雅美ちゃんとユーリちゃんっていう友達が出来たの!」
私が少し興奮気味に報告すると
「美乃梨ちゃん凄いね!」
と景くんが言ってくれた。千秋くんは
「美乃梨もだけど景も好かれやすい性格だからな。」
と言ってくれた。
盛り上がっているうちに本鈴が鳴り私たちは喋るのをやめた。
先生が名前順にと言うので景くんから自己紹介をした。
「初めまして、1年2組に転入した有栖川景です。皆さんよろしくお願いします。」
景くんが挨拶を終えると
「キャーー!!」という黄色い声が上がった。
すぐに先生達が静かにしなさいと言ったのでおさまったが、
次は千秋くんの番だ。
「1年4組の九条千秋です。これからよろしく。」
先程注意された女子達は声を挙げないように騒いでいる。
私の番が来て
「初めまして、1年4組に転入しました。恋咲美乃梨です。皆さんこれからよろしくお願いしますね!」
と挨拶を終えるとレイラちゃん達はよかったよというような笑顔で笑いかけてくれる。
私たちの自己紹介も終わり競技の説明が始まる。
今日の体育はバスケだ。男女分かれてクラス混合でチーム分けをする。
私はユーリちゃんと雅美ちゃんと同じAチームでレイラちゃんはCチームだ。
千秋くんと景くんは違うチームになったらしい。
基礎練習が終わると今日はチーム対抗戦があるそうだ。
「みのりん!同じチームになれて嬉しい!チーム対抗戦絶対優勝しようね!」
「うん!ユーリちゃん、こう見えて実は私スポーツ得意なんだよね。」
「2人ともスポーツ得意でいいな〜。」
「雅美ちゃんはスポーツ苦手なの?」
と私が聞くと
「苦手なんてもんじゃないよ。」
と雅美ちゃんが憂鬱そうに言った。
私たちが3人で盛り上がっていると、
「何言ってんのよ雅美!私なんて1人だけ違うチームなのに〜!」
とレイラちゃんがやって来た。
基礎練習が終わり試合が始まる。
最初は私たちAチーム対Bチーム、ジャンプボールはまさかの私!?
スタートの笛がなりボールが上がった私はしっかりバネを使って飛んでボールをユーリちゃんのいる方は飛ばした。
ユーリちゃんがボールをキャッチしたのを見て私はゴール前までディフェンスの子を置いて走っていった。
スリーポイントラインの所で止まりユーリちゃんがパスをくれる。
しっかりキャッチしたボールをネットに向かってアーチ状にシュートを打つ。スパッという音と共に見事にシュートが決まり私はホッと一安心した。
すると同時に周りから歓声が上がった。
男子の方はまだ整列状態で始まっていなかった。
凄い歓声に私は少し驚いたけど……
するとユーリちゃんが
「スポーツ得意とは言ってたけどここまでなんて……
凄いよみのりん!」
と言ってくれた。私はありがとうと言いながら試合に戻る。
そしてそこからも私たちのチームは優勢で58-21の圧勝だった。
次はBチーム対Dチームなので男子の方の試合を見ることにした。男子の方はちょうど景くんのいるBチームと千秋くんのいるCチームの試合だった。
私が「2人とも頑張れ!」と応援すると思ったより大きい声が出てしまい2人ともこっちを見た。そして
「応!」
「うん!」
と答えてくれた。一緒に見ていたレイラちゃん達に
「愛されてるね〜みのりん」
と言われて顔が赤くなってしまったけど、
結局千秋くんと景くんとの試合はチャイムが鳴ってしまい同点で終わってしまった。
そして体育が終わり着替えて更衣室から教室に向かっている途中、
「あのっ!恋咲さん!」
と呼び止められた。どうやら2組の子らしい。
「どうしたの?」
と私が聞くと、
「あの、えっと、あ、握手して下さい!」
と恥ずかしそうに言われた。
「えっとあなたは誰ですか?」
と私が問いかけると
「すみません。私は2組の星川音です。あの、私恋咲さんのファンでファンクラブ会員No.21です。」
何故か凄く色々な情報が入って来たけど一番気になったのは、
「えっ、貴方私のファンクラブに入っているの!?というか本当に存在したのね」
星川さんが何度も握手お願いしてくるので私は折れて握手をする事にした。(アイドルなんかじゃないのに……)
「じゃあ、星川さんえっと、ありがとう?でいいんだよねこの場合」
「はい!推しに感謝されるなんて今日は人生で1番最高の日です。もう一つお願いがあってその下の名前で呼んでみて貰えませんか?」
「ええ、分かったわ。えっと、音さん私のファンになってくれてありがとうございます。」
「……」
「どうしたの?やはりダメだったかしら?」
「いえ、最高すぎて言葉に出来ないというか、やはり恋咲さんは女神ですね!」
固まったかと思えば何故か女神だと力説してくる。
「というか普通に私のこと下の名前で呼び捨てでいいのに。」
「いえ、流石に恋咲さんを呼び捨てになんて……美乃梨様と呼ばせて頂いても、」
「シャルルみたいね、いえ何でもないわ。せめてさん付けにしてくれないかしら?様付けは少し……」
「分かりました。では美乃梨さん本っっっ当にありがとうございました。」
教室に戻るとレイラちゃん達は先に戻ってと頼んで置いたのに何故か状況を見ていたらしい。
千秋くんや凪くんにも話している。
千秋くんは同情の目線を向けて来て凪くんは「お疲れ〜」と手を振ってくる。
そしてレイラちゃんが、
「柄灯、九条今回は普通のファンだったし握手だけだったけどしつこいのもいるかもだからみのりんの事ちゃんと守ったげなよ!」
と2人に言ったそして雅美ちゃんが
「九条くんと凪ならカッコいい騎士になれそうだね!」
といいユーリちゃんは
「みのりん可愛いから女子からの嫉妬とかからは私たちが守るからね!」
と言ってくれた。
「3人ともありがとう!でも私もそんなに守って貰ってばかりじゃ嫌だからいざという時は頼らせて貰うね!」
予鈴が鳴り私たちはそれぞれ席に着いた。
席に着くと隣の凪くんが
「僕に出来る事なら協力するから」
と言ってくれた。千秋くんは、
「俺も困った奴がいたらすぐ言えよ、美乃梨。」
と言ってくれた。
「2人ともありがとう!!2人が困る事があったら私に言ってね。私も2人を助けたいから!」
だんだん美乃梨のお嬢様らしさが出て来ました。
次は景くん、千秋くん、真央くんのファンクラブ会員が出てきます。是非楽しみにしていて下さい。