表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様は1人じゃないっ!  作者: 華咲果恋
本編1年生
62/123

久しぶりの登校

今日は午後から学校に行ける。お父様はまだ不満そうな顔をしているけれどお母様が許してくれたので私は行くと決めた。体調は万全なのに朝から5回も体調の確認をされてしまった。少し面倒臭さも感じたが、それよりも、こんなに心配させてしまったという申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


学校に行く前に響彼くんの部屋に寄ることになっている。何でも昨日あまり話せなかったから、らしい。


「響彼くん、来たよ。」


「ああ、美乃梨。登校前に態々悪いな。だが一つだけ美乃梨に釘を刺しておこうと思ってな。」


響彼くんは少しの沈黙の後、言った。


「外では警戒心を緩めるな。」


「響彼くんに言われなくても緩めていないわよ。」


「いや、言い方が悪かった。今の所貴翠が調査した人物以外に対しては常に警戒しておけ。」


「貴翠が調査した人物って例えば誰?」


「美乃梨のクラスメイトはひと通り端から端まで調べきっているそうだ。それと、七倉蓮介とはくれぐれも2人きりにならないように。まあ、京翠が居るから大丈夫だと思うが念の為にな。」


「もし、2人きりになったら?」


私がそう聞くと響彼くんは怖い顔をして言った。


「2人きりにならないように!可能性をゼロにしたいが何が起こるか分からないからな。もし、2人きりになった場合は自分自身を護るための魔法の使用を許可する。」


「そんな事、響彼くんの一存では決められい筈だけれど?」


「五家会議の結果、美乃梨限定でその権利が与えられた。」


響彼くんの言葉で私は自分がどれだけ甘やかされているのか気付いた。


「分かったわ。でも先生と2人きりなんて余程の事が無い限りきっと有り得ないわね。」


私がそう言うと響彼くんは私のおでこを指でパチンと弾いて言った。


「それが美乃梨の油断による警戒心の薄さだ。はあ、本当に今日は学校を休まないか?心配過ぎる。」


すると貴翠と京翠が私を呼びに来た。


「美乃梨様、そろそろお時間ですよ。」


「貴翠、京翠。美乃梨を休ませては駄目か?」


「私は美乃梨様の意思を最優先にしておりますので残念ながら響彼様の提案には乗れません。」


「そうか。京翠はどうだ?」


「出来るだけ美乃梨様ご自身の意思を尊重出来ればと考えております。」


響彼くんは「2人はそうだよな」と言い大きく溜息をついた。


「京翠、美乃梨の事を絶対に1人にしないでくれ。」


「分かりました。三日月先生や美乃梨様のご友人方にも伝えておきますね。」


そして私は車に乗って学校へ向かった。


「京駕さん、ありがとうございます。では、行って来ます。」


「行ってらっしゃいませ、美乃梨様。くれぐれもお気を付けて。」


「はい。」


そして校門を潜ると人が集まっていた。どうやらこれが、和真くんの言っていたファンクラブのお出迎えらしい。その人集りの中に知っている顔を見て私はひと安心した。


「音さん、お久しぶりですね。」


「美乃梨さん。お元気そうなお姿を拝見出来、光栄です。貴翠さん、美乃梨さんのご様子をお知らせ頂き、本当にありがとうございました。」


「いえ、音さんは美乃梨様のご友人ですから当然の事でございます。」


そして昇降口に向かうと千秋と爽夜くんと透くんと凪くんが迎えに来てくれていた。


「美乃梨、久しぶり。雅美達は教室に居るよ。」


「昼休みも後少ししか無いから早く行こう。」


「うん!」


そして教室まで向かうと貴翠は


「では、私も教室へ向かいますね。」


と言った。


「ええ、ありがとう。」


そして私は深呼吸して教室の扉を開けた。


「あ、みのりん!」


「本当に大丈夫!?」


「会いたかった〜!!」


と雅美ちゃん達が出迎えてくれた。


「私も早く3人に会いたかったわ。」


そしてユーリちゃんは私に抱き着いてきた。


「みのりん、本当に心配してたんだからね。元気になってくれて良かった!」


「京翠センセも久しぶり!みのりんに付き添っていたんですか?」


「はい。美乃梨(様)の事が心配でしたので。」


久しぶりの自分の席に向かうと葉月くんと羽音ちゃんと朝葵ちゃんがやって来た。


「よっ、恋咲。久しぶりだな。」


「美乃梨ちゃん、本当にもう大丈夫なの?」


元気に声を掛けてくれた葉月くんとは逆に、心配そうに声を掛けてくれたのは羽音ちゃんだった。


「美乃梨ちゃん。何かあったら何でも言ってね。」


「うん、ありがとう。もう大丈夫だよ。」


そして予鈴が鳴り、皆が席に着いた。

5時限目は英語だった為、三日月先生が入って来た。


「お、恋咲。元気そうだな。」


「はい。ご心配お掛けして、申し訳ございませんでした。」


「いやいや、元気に学校に来てくれただけで良い。じゃ、授業始まるぞ。」


と言い、三日月先生はいつも通り授業を始めた。

今回は学校に行く事へ対して、お父様とお母様に大分と我儘を言ってしまったかもしれない。そんな事を考えているとあっという間に5限目が終わってしまっていた。


「みのりん、次は体育だから見学だね。」


「2組との合同だから有栖川くんも居るよ。」


「うん。次の体育は応援に徹するよ。」


「みのりんに応援されたら勝てそう!」


体育で今している競技はバレーボールだ。

今日はクラス対抗戦を行うらしい。


「そっか。じゃあ一生懸命応援するね!」


「あー、私も応援側に回りたい。」


雅美ちゃんは球技が苦手というけれど、側から見て、それ程下手な訳では無い。普通に人並み以上には出来ている。きっと運動が得意なユーリちゃんとレイラちゃんと居たから、無意識のうちに比べてしまっていたのだろう。


「雅美ちゃんは普通に球技、上手だよ?」


「そうかな?」


「ええ!自身持って頑張れ!」


そして3人は更衣室に、私は体育館へと向かった。


「あ、加賀谷先生。お久しぶりです。この度はご迷惑をお掛けし、申し訳ございませんでした。」


「話は聞いた。体調は大丈夫か?」


「はい。念の為今日は参加してはいけないと両親に言われましたが。」


「当たり前だ。はあ、薫さんの心配する理由が痛い程に分かる。」


「そうですか?」


そして私は予鈴が鳴るまで時間があるので先に着替え終わって居た景くんと和真くんの所へ向かった。


「美乃梨、久しぶりだな。元気そうで安心した。」


「美乃梨ちゃん、体育はちゃんと見学するんだね。」


「和真くん、久しぶり。ええ。今日は応援に徹する事にしたから。」


「美乃梨ちゃんの応援があるならこっちも気合いを入れないとだね。」


「そうだな。クラス対抗戦は俺達2組が勝つ!」


和真くんはガッツポーズを決めながらそう言った。すると後ろから爽夜くんと透くんと千秋と凪くんが揃ってやって来た。


「何言ってんだよ和真。クラス対抗戦は俺達が勝つ!だよな、千秋。」


「ああ、そうだな。景達には負けたくないな。」


「それに、美乃梨の応援もあるみたいだし。」


「本気でやるから油断するなよ?」


そして予鈴が鳴り、皆はクラス別に並んだ。

最初にウォーミングアップをした後、クラス対抗戦が始まった。男女それぞれ2チームずつに分かれて試合をする。ユーリちゃんとレイラちゃんと雅美ちゃんは同じチームになったそうだ。


「3人とも、頑張れ!」


「うん!」


「頑張って来るね!」


この試合は10点マッチだ。

最初は良い勝負だったが5点を超えた頃、2組チームに3点リードされてしまった。


「皆!頑張れ!」


そして私達4組のチームは追い上げてあっという間に9点のマッチポイントになった。最後は長いラリーが続いた後、レイラちゃんがかっこ良くスパイクを決めて終わった。


「皆、お疲れ様。レイラちゃん、最後のスパイクかっこ良かったよ!」


「ありがとう、みのりん。次、男子の方の試合が始まるみたいだよ。」


「あ、あれ九条くん達じゃない?松岡くんと柄灯くんと笹木くんも居る。」


「相手チームには有栖川くんと坂下と本堂くんが居るみたいだよ。」


そして私達は男子チームの試合を応援しに行った。

試合は先程始まったばかりらしく、まだ両者共に0点だった。順に点が決まって行き抜きつ抜かれつの接戦が続いた。


両者共にマッチポイント。相手側の景くんの打ったスパイクが決まり掛け、皆は一生懸命ボールを追った。そして、リーチの長い爽夜くんが拾った。


「爽夜くん!凄い!!」


「松岡やるじゃん。」


そして爽夜くんの上げたボールを凪くんが繋ぎ、相手側に返した。それを相手チームの篤季が拾い、景くんがトスを上げ和真くんがスパイクを打った。それを透くんが拾い、凪くんがトスを上げた。そして千秋がスパイクを打った。これで勝った、と思ったが相手チームが拾った。


「中々終わらないね?」


「うん。ラリーが長いね。」


「今こそ、みのりんの応援の時だよ!」


ユーリちゃんにそう言われて私は声を出した。


「皆、頑張って!!」


そしてこちらのチームにボールが来た。

ボールは繋がれ、トスが上がった。


「透くん!頑張れ!」


そして透くんがスパイクを決め、試合は終わった。

接戦が続いた長期戦だった為、皆ゼイゼイと息をしている。


「お疲れ様、凄い接戦だったね。」


私が水筒を渡しながら言うと透くんは受け取りながら言った。


「ああ。美乃梨の応援のお陰で勝てた。」


「そう?役に立てたなら良かった。」


そして4試合全てが終わり結果発表。


「結果は3-1で4組の勝ちだ。」


隣に居る千秋は静かに拳を握り、爽夜くんはガッツポーズをしながら声を出した。


「うっしゃ!」


「そこ、静かに。」


「すんません!」


授業が終わり、教室へ戻った。

そして私の1週間ぶりの学校が終わった。

今回は短めになってしまいました。

次回は飛んでバレンタイン前です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ