表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様は1人じゃないっ!  作者: 華咲果恋
本編1年生
6/121

転入初日の昼休み〜美形4人組のファンクラブ!?〜

やっと、昼休みだわ。


休み時間の度にクラスの皆が私や千秋くんの机に集まってきて質問攻め状態だった。

(まあ、千秋くんは「ああ、」とか「そうか、」とかで流してたけど……)


私はひとりひとりの質問に答えていたから端から見たら記者会見だった気がする。

男の子には「彼氏とかいるの?」と聞かれ、女の子には「九条くんとは知り合い?」と聞かれる。私は本当のことは言えないので幼馴染と答えていた。


昼休みのチャイムが鳴ると、他のクラスからも人が集まって来た。その為千秋くんと一緒に景くんと真央くんを迎えに行く事にした。


「用があるから」と私と千秋くんが一緒に教室を出ていくと後ろから「あの2人実は付き合ってるとか?」というような声が聞こえてくる。


私は心の中で(付き合ってないよ、まあ、婚約者候補ではあるけど)と否定しておいた。


やっと教室を出ると千秋くんが


「どっちから迎えに行く?」


と聞いてきた。私達は先ず、教室の近い景くんから迎えに行くことにした。2組に着くと予想通り景くんは女の子達に囲まれていた。

(正確には男の子もいるけど女の子達が押し退けている。)


千秋くんが


「景!迎えに来たぞ。」


と廊下から声をかけると、景くんは席から逃げるようにしてやって来た。


「助かったよ〜、千秋、美乃梨ちゃん。迎えに来てくれてありがとう」


景くんの表情は少し疲れているようだった。

3人で真央くんを迎えに行くと真央くんは階段の隅っこの方に隠れるようにいた。どうやら真央くんも質問攻めから逃げて来たようだ。


私たちは4人揃ってランチルームに向かった。

やはり転入生が4人も一度に来るというのは珍しいのか注目される。

(まあ、景くんも千秋くんも真央くんも皆イケメンだから注目しちゃうのは分かるけど、)


私たちは質問攻めにあった時用の設定を作った。

設定はこうだ。


1,私たちは4人共幼馴染で親の仲が良いので同時期に転入して来たという。

2,付き合ってる人はいないけど許嫁がいると言って断る。

3,私たちは魔法使いの家系とバレない為表向きは系列グループの会社の社長令嬢や令息として振る舞う。


3の設定は千秋くん曰く、私たち魔法使いの家系では礼儀は必ず必要な為振る舞いが一般の学校では浮いてしまうからだそうだ。振る舞いや口調などは癖になってしまっているので変えることは難しい、らしい。(そんな事を言う千秋くんは転入まで両親に口調を叩き込まれたらしい)


それでも振る舞いに関してはやっぱり浮いてしまうので育ちが良いと思ってもらう方がいいそうだ。私も景くんも真央くんも皆理由を聞いて納得した。


昼休みも後10分くらいなので帰りは校門前で待ち合わせをする事にした。


教室に戻ると再び質問攻めにあったけど凪くんが庇ってくれた。


「ありがとう!凪くん!」

「ありがとな、凪」


私と千秋くんは凪くんにお礼を言って席についた。


私たちが席について数分後、予鈴が鳴り、三日月先生が教室に入ってきた。今日の5時間目はクラスの皆が自己紹介と歓迎会をしてくれるそうだ。


自己紹介では得意な事を発表してくれる人もいた。自己紹介が終わると私たちはイントロクイズをしたりジェスチャーゲームをして楽しんだ。最後に私と千秋くんからもお礼を言わせてもらった。


「今日は本当にありがとうございました。とっても楽しかったです。」

「俺たちはまだ今日転入して来たばかりだがこのクラスに馴染めるように頑張りたいと思った。」


私たちが挨拶を終えると凪くんが


「今日からクラスメイトなんだから歓迎するのは当たり前だよ」


と言ってくれた。三日月先生も、


「無理に馴染もうとしなくても気づいたら馴染んでると思うよ。分からない事があったら先生でもクラスメイトでもいいから聞きに来いよ!」


と言って下さった。私たちは終始嬉しい気持ちで終える事ができた。


放課後になり、校門前に着くと何やら人が集まっていた。


私と千秋くんは近づいてみてみると驚いた。なんと先に着いていた景くんや真央くんの前に長蛇の列が出来ていた。


他にも名前の書いた画用紙などを持っている人もいた。しかもよく見ると、千秋くんや私の名前もあった。


私は内心、(何、この状況)と思っていた。千秋くんも顔が引き攣っている。


私と千秋くんは後ろから歩いて来た凪くんを見つけるとこの状況を説明してもらった。


「あぁ〜やっぱりこうなると思ってたよ。これは美乃梨や千秋達のファンクラブだと思うよ。他にも今日転入して来た2人のファンクラブもあるみたいだけど、」


凪くんの説明をまとめるとこうだ、この行列や集まってる人達は今日転入して来たばかりの私たちのファンクラブの人達って事、らしい。


私からすれば他3人は分かるよ!かっこいいし。けれど、どうして私も!?それより、まだ転入初日の放課後なのに!


最近驚くことが多すぎて品が欠けてきているわ。と思い困惑顔を笑顔に変えた。


あまりの大騒ぎに先生方も駆けつけなんとかその場は収まった。私たち4人は、ぽか〜んとその場に取り残されてしまった。


その後、私たちは迎えに来ていた恋咲家付きの運転手さんの車に乗って送ってもらった。

私たちの家は学校からは少し離れているが魔法使いの家系の五家本家があるところは近いので一緒に送ってもらう。


その日は家に着く頃にはウトウトしてしまっていたわ。家に着き車から降りると表門まで弟たちとシャルルが出迎えに来てくれていた。

転入初日のファンクラブ!?

美乃梨は未だ自分が美形だと気づいてません!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ