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王子様は1人じゃないっ!  作者: 華咲果恋
本編1年生
58/123

新しいボディーガード!?

今日は始業式。冬休みの間何度か部活があったけれど教室に入るのは久しぶりだ。


「みのりん、九条くん、あけおめ〜!!」


「明けましておめでとう、ユーリちゃん、レイラちゃん。」


「メッセと電話では言ったけどやっぱ直接言いたいよね〜。あ、九条もあけおめ、京翠センセ、お久しぶりです!」


「ああ、おめでとう。」


「お久しぶりですね、姫野さん。秋月さん。」


昇降口で会った2人と一緒に教室へ向かった。

始業式という事もあり、いつもより人気があった。


「羽音ちゃん、朝葵ちゃん、葉月くん。3人とも久しぶり!」


「美乃梨ちゃん。久しぶり。パーティーの写真、ありがとう。色々と参考にさせて貰うね。」


羽音ちゃんはパッと笑顔になって言った。朝葵ちゃんも充実した冬休みを過ごしたそうだ。


「そういえば響彼さんから聞いたか?」


突然葉月くんが言って来た。


「何を?」


「実は俺も響彼さんの事務所に所属する事になったんだよ。ソングライターとして。如月界莉さんに歌ってもらえる事になったんだよ。」


「そうなの?凄いね!」


「ああ、凄え嬉しい!それに眞木も自分の事みたいに喜んでくれたんだよ。な?」


葉月くんはそう言いながら羽音ちゃんの方を見た。


「だって、阿藤くんの夢だったから。」


羽音ちゃんは照れながらそう言った。

そして私はレイラちゃん達の所に戻った。


「透くん、おはよう。久しぶりだね。」


「ああ。爽夜達ももうそろそろ来るんじゃねえか?」


透くんがそう言うとタイミングよく扉が開いた。


「みのりん、おはよっ!」


「千秋ー、後でパーティーの後の話詳しく聞かせてくれよな。」


「あーあ、美乃梨に彼氏が出来ちゃったなんてね。」


雅美ちゃんを除く2人がクラスの何人かがいる前でそう言った。すると20人くらいのクラスメイト、全員の視線を集めてしまった。


「えっ、恋咲さん彼氏いるの!?」

「松岡曰く相手は九条って事?」


「違うよ凪くん。私、彼氏なんて居ないよ?」


私がそう言うと千秋も前に出て言った。


「そうだぞ、凪。別に付き合ってない。」


そう。私達は両想いではあるけれどまだ婚約者候補という関係性のまま。私が15歳を迎える時まで誰かと付き合うという事は基本的には禁止されている。


「そうな、……あ!」


凪くんにも説明した事があるので思い出したようだ。

何でも千秋から爽夜くん伝いに私と両想いになったと聞き、付き合い始めたと思い込んでしまったそうだ。


「もう、凪の早とちりの所為でみのりんが注目浴びちゃったじゃない。」


「ごめんね、美乃梨。千秋。」


「大丈夫だよ。」


そして三日月先生が来て挨拶を聞いた後、始業式が行われる体育館へ向かった。体育館では校長先生や生徒指導の先生の話を聞いて終わった。


「始業式、思ったよりも早かったね。」


「そうだね。」


そして終礼が終わり、皆んなと少し話してから部活に向かおうとした時……


ピンポンパンポーン♪


《1年4組の恋咲美乃梨さん。至急、第一会議室まで来て下さい。》


「みのりん、呼ばれてるじゃん。ごめん、私部活あるから先行くね。」


「うん、また明日。」


私はクラスメイトに囲まれていた京翠と一緒に会議室へ向かった。


「呼び出しって新しいボディーガードに関する事かしら?」


「多分そうだと思いますよ。貴翠は予想が付いているそうですし、薫様は少しでも早くボディーガードを付けさせようとする方ですし。」


そしてノックをしてから会議室に入ると立っていたのは、


「三日月先生!?それに、加賀谷先生まで!?」


私の担任である三日月先生と景くんと篤季の担任である加賀谷治孝先生が立っていた。


「何か御用ですか?」


「恋咲なら予想が付いているんじゃないか?本堂くんも付いて来ているし。」


「まさか、三日月先生達が私の新しいボディーガード何ですか!?」


「ああ、そうだ。俺は代々魔法使いの裏方をしている三日月家の家系だからな。」


「魔法使いの裏方……?」


私が困惑していると京翠が教えてくれた。


「政府と深く関わりがあり、魔法使いが魔法を用いて行った事の後始末をしてくれる方々です。例えば、子供によくある事ですが、外に出た時に魔法の制御が出来ず暴走してしまった時、政府を通じてメディアや警察に弁解してくれたりします。」


「成程。いつもお世話になっております。」


私は京翠の説明を聞いて、三日月先生に頭を下げた。


「いやいや、教職は恋咲達がこの学校に来るからしているだけであって、そっちが本業だから。」


「そうですか。えっと、加賀谷先生も同じですか?」


「いや、俺は違う。俺は個人的に薫さんに世話になったから恩返しだ。」


「お父様に?」


「ああ。俺が車に轢かれかけていた時に時間を止めて助けてくれた、命の恩人だ。七倉先生に関する事も大体は聞いた。何かあればすぐに知らせてくれ。」


「分かりました。ありがとうございます。」


私は会議室を後にして、三日月先生、加賀谷先生、京翠、そして何故か会議室の前で待機していた貴翠と一緒に体育館へ向かった。そして体育館に着くと加賀谷先生と別れた。


「じゃあ、俺はここで。三日月先生、本堂先生、本堂くん後は任せた。」


そして部活の為、私が着替えようと更衣室に向かうと中から話し声が聞こえて来た。もう誰か来ていたみたいだ。


「こんにちは」


挨拶をして入ると私よりも数センチ背の高い人が3人居た。


「あ、女バス新入部員と噂の恋咲美乃梨ちゃん?」


「はい、恋咲美乃梨です。入部してからもう5ヶ月ですけど。」


「可愛い〜!先輩達一度も会えないまま引退するなんて勿体な。」


「マジでヤバッ、本物の美乃梨ちゃん可愛い!握手して貰っても良い?」


「は、はい。」


そして一人一人自己紹介をして下さった。


「私は2年5組の八谷光奈(はちやひかな)。神崎くんと同じクラスなんだ。よろしくね。」


「2年1組健城天音(けんじょうあまね)。よろしくね、美乃梨ちゃん。」


「私は2年3組羽坂早織(はねさかさおり)。実は美乃梨ちゃんのファンクラブに入ってるんだ。後でサインもくれる?」


「は、はい。えっと、私は1年4組の恋咲美乃梨です。光奈先輩、天音先輩、早織先輩。これからよろしくお願いします。」


そして体育館に入ると男子部員は揃っていた。

すると透くんと爽夜くんが寄って来た。


「「光奈先輩、天音先輩、早織先輩。お久しぶりです!」」


「爽夜、透。久しぶり〜!顔出せなくてごめんね。寂しかったよね?」


光奈先輩がそう言うと爽夜くんと透くんは、


「いえ、全く。」


「全然寂しくなかったですけど。」


と即答した。


「相変わらず可愛くないな〜」


「昔は可愛かったけどね。」


光奈先輩と天音先輩がそう言った。


「お2人は昔から爽夜くん達と知り合いだったんですか?」


私が聞くと早織先輩が教えてくれた。


「光奈と天音だけじゃなくて私も何だけど、爽くんと透は私達と同じクラブチームに入ってたんだよ。因みに透と私は幼馴染だよ。」


「そうなんですか。」


そして今日は新入部員が入って来る。


「1年2組、本堂篤季です!皆さん、これからよろしくお願いします!」


「1年は知ってるな?2年は知らない奴も居るだろうから昼食前に5分間だけ質問タイムを設ける。時間が足りなかったら昼食の時に聞きなさい。」


三日月先生がそう言うと天音先輩が手を挙げた。


「はいはーい!質問!篤季くんと美乃梨ちゃんの関係性教えて!」


「はい。美乃梨お嬢様と僕は普通の幼馴染です。」


「そうなんだ。てっきり美乃梨ちゃんの事好きなのかと思った。」


「大好きですよ?でも、僕の片思いなので今は美乃梨お嬢様を振り向かせようとアプローチしている最中なので。」


「な、どうしてそんなに恥じらい無く本人の前で言えるのよ!?」


私が篤季に向かってそう言うと


「美乃梨お嬢様を好きな事のどこに恥ずかしさを感じれば良いのですか?」


と聞いて来た。


「キャー、美乃梨ちゃん愛されてる〜!」


「羨ましい〜!篤季くん、私は応援してるからね!」


「可愛い〜、もしかして初恋!?」


と盛り上がり始めた頃、三日月先生が静止させた。


「はいそこ、恋バナが盛り上がりそうだが後にしなさい。他は無いか?」


「質問。バスケ経験は?」


質問したのは2年生の男子部員だった。


「ありません。ですがある程度は出来ます。練習しましたから。」


そして練習前に昼食を取る事になった。

すると体育館の入り口に人が集まって来た。


「颯先輩!仁先輩!」


「美乃梨、久しぶりだな。てか、本堂兄弟ここに揃ってるんだな。」


「そうですよね。京翠はまあ、あれですけど、貴翠は何故居るんですかね。」


私が貴翠の方に目をやりながら言うと貴翠は笑顔を返して来た。


「三日月先生、受験勉強の気晴らしに参加して良いですか?」


「別に構わないが、仲井も山代も今月だろ?」


「俺は大丈夫です。コツコツ勉強する派なので。颯は知りませんが。」


「俺は最近体を動かしていなかったので動かしたくて来ました。それに、俺専属の家庭教師が出してくれた大量の苦手克服ドリルがあるので。」


颯先輩がそう言うと仁先輩が


「本当に仲良いよな、(あんず)と。」


と呟いた。


「杏さんと言うのは、前に言っていた颯先輩のお姉さんですか?」


「ああ。杏が4月生まれで颯が3月生まれなんだ。誕生日は1週間くらいしか変わらないしほぼ一個差だけどな。」


「そうなんですね。」


「あ、顔は杏の方が整ってるぞ。」


仁先輩が颯先輩をからかうように言った。すると颯先輩が


「俺の方が整ってるだろ?美乃梨もそう思うよな?」


と聞いて来た。


「そんな事を言われても、私は杏さんを見た事がありませんので。」


「そうだったな。」


私達が団欒していると三日月先生が言った。


「そこの3人、早くしないと練習始めるぞ。」


そして私は貴翠、京翠、颯先輩、仁先輩、そして篤季と爽夜くんと千秋という謎のメンバーでお昼を共にする事となった。


「何で本堂も弁当持ってるんだ?」


お昼を食べる為、体育館の前の階段に座ると仁先輩が言った。


「私の事ですか?」


貴翠が自分であるか確かめると仁先輩は頭をガシガシと掻きながら言った。


「ああ、悪い。貴翠の事だ。」


「そうですか。昼食を持って来ている理由は美乃梨様とご一緒する為です。」


貴翠がそう言うと颯先輩が


「美乃梨は大分モテるよな。」


と言った。


「いえ、貴翠は私の事を好きとかではないですよ?」


「そうなのか?」


颯先輩は貴翠に向かってそう聞いた。


「はい。勿論人として好いて居ますが、それよりも尊敬に値します。」


すると京翠が付け足した。


「貴翠の美乃梨様への態度は恋愛感情では無く、心酔です。」


「そ、そうなんですか。」


京翠の発言に颯先輩は少し引き気味言った。

そして昼食を終えて練習が始まった。

今日は篤季が入ったばかりなので最後に、2チームに別れて5対5のゲームをする事になった。


私は颯先輩と真央くんと爽夜くんと同じAチーム。

篤季は仁先輩と千秋と透くんと同じBチーム。


「折角だから本堂先生と本堂、いや、貴翠くんもどうだ?」


「私は良いですよ。貴翠はどうしますか?」


「私は兄さんや篤季と違って運動は得意ではない、」


貴翠が断ろうとすると颯先輩が言った。


「嘘だろ、貴翠。体育で活躍しまくって女子に騒がれていたくせに運動が得意じゃない?」


「はい。私は篤季や兄さんに比べて体力がないので、出来る限り体力を消耗しない動きをしています。」


貴翠がボディーガードとして認められるにはお父様や京駕さん、京翠の審査が必要だ。その理由は単純に体力が少なく、力が弱いからだ。だからこそ物理的に護る事は武術のエキスパートである京翠が選ばれた。


結果は……貴翠の戦略を使ったBチームの勝利に終わった。透くんは貴翠の戦略に感動し、


「貴翠さんと同じチームで良かった!違うチームだったら絶対負けてた。」


と言った。


「今日の練習はこれで終わりだ。各自暗くなる前に帰れよ〜。最終下校は4時半だからな。」


そして更衣室に着替えに行くときゃあきゃあと盛り上がっていた。着替えが終わり、更衣室を出ようとすると……


「突然だけど前から気になっていた事があって……

美乃梨ちゃんって誰と付き合ってるの?」


光奈先輩がそう聞いて来た。それに便乗して天音先輩と早織先輩も興味津々な様子で聞いて来る。


「えっ、だ、誰とも付き合ってません!」


「うっそ。でも、好きな人は居るでしょ?」


天音先輩がそう聞いて来た。


「そ、それは……」


「その反応絶対居るでしょ!」


「誰々!?」


「えっ、あの……千秋、です。」


「「「ええーー!?」」」


私の答えに3人とも驚いた反応をした。


「私、透かと思った。」


「そう?私は本堂先輩かと思ったけど。」


「私は本堂先生かなって思ってた。」


「そうですか?」


「で、美乃梨ちゃんは千秋くんのどんな所が好きなのかな?」


口元を緩ませながら光奈先輩が聞いて来た。


「最初はぶっきらぼうというか無表情な人だったんですけど、仲良くなって笑顔が多くなったというか、偶に眉を下げて笑う所とか、クールそうに見えて実は凄い負けず嫌いな所が……好きです。」


「キャー、美乃梨ちゃん可愛すぎる!!」


「早織、落ち着いて。ごめんね美乃梨ちゃん。これ、ファンの暴走だから。」


天音先輩が早織先輩を落ち着かせながらそう言った。


「まあでも、可愛いね。恋する乙女って。」


「先輩達は好きな人とか居ないんですか?」


私が聞くと3人とも頷いた。


「私、恋バナは聞く専だから。」


「私もそう。それに今の所恋愛に興味がないから。」


「私は趣味が多いから恋愛なんてしたら時間がなくなっちゃう。」


そして話し込んでいると更衣室の扉をノックする音が聞こえて来た。


『まだ着替え終わってないのかー?』


「げっ、三日月先生来た。」


「てか結構時間経ってるし。」


「じゃあそろそろ行こっか、美乃梨ちゃん。」


そして3人の先輩方は忙しいらしく帰って行った。


「三日月先生、最終下校まで後どのくらいですか?」


「ん?ああ。後40分程だが。」


三日月先生は腕時計を確認してそう言った。景くんの居るサッカー部はいつも全体練習が終わっても最終下校ギリギリまで自主練習をしている人が殆どだ。


「サッカー部を観に行っても良いですか?」


「別にわざわざ俺に確認を取らなくても良いぞ。本堂先生と貴翠くんも居るからな。九条達は誘わなくても良いのか?」


「誘うも何も……千秋達はもう居ないです。多分先にサッカー部に向かってるんだと思います。」


「本当だ。さっきまでは居たのに。」


そして私は京翠と貴翠と三日月先生と一緒にサッカー部に向かう事になった。昇降口を出た時、突然凄まじい魔力を感じた。貴翠と京翠、三日月先生もそれに気付き、私は3人に囲まれるような態勢になった。


数分と経たない内にその魔力は静まった。

私は防音魔法を掛けて三日月先生に聞いた。


「三日月先生は魔力があるんですか?」


「ああ、言ってなかったか?貴翠くんは気付いてたみたいだけど。」


三日月先生の言葉に私は後ろの貴翠を振り返った。


「気付いてたの!?」


「はい。行動や言動、立場。そして名字で我々の関係者だと仮定し、ある程度調査させて頂きましたから。その過程で魔力の有無も調べさせて頂きました。」


と笑顔で話してくれた。調査された事を知らなかったらしい三日月先生は両手で腕を摩りながら微かに震えていた。


「怖っ、貴翠くんが敵だったら俺自分から人質になる自信あるわ。味方側で本当に良かった。」


そしてサッカー部の練習している第一グラウンドに向かって歩いて行くとこちらに向かって走って来ている人が数人。篤季、真央くん、千秋、そして自主練習中の筈の景くんまでも来ていた。


「美乃梨お嬢様!!」


「美乃梨ちゃん、無事!?」


「何も無かったか?」


「おかしい所は無い?」


4人の勢いに圧倒されていると三日月先生が咳払いをした。4人はどうして三日月先生がここに?というような顔をした。


「どうして俺が居るのかという様な顔をしているな。安心しろ、俺はお前達の裏方だ。」


三日月先生がそう言うと篤季を除いた3人は首を傾げた。貴翠曰く、篤季は本堂家なので裏方を務めている人と多少の面識はあるらしい。


「三日月先生が裏方の家系ですか。三日月という姓は聞いた事がありませんでした。」


「それはそうだろうね。三日月家は基本隠密活動の証拠隠滅がメインだから、隠密活動の少ない本堂家とは滅多に会う事は無いからな。」


三日月先生がそう言うと篤季は納得したような顔で頷いた。


「それよりさっきのは何だったんですか?」


「尋常じゃない魔力だったな。」


「それはこちらで調べておくからお前達はそろそろ帰りなさい。」


「三日月先生1人じゃ危ないですよ?」


私がそう言うと三日月先生はニカッと笑い、言った。


「大丈夫だ。もう1人居る。」


もう1人とは加賀谷先生の事だと分かった。でも彼は魔力を持っていない一般人だ。


「いざとなったら本堂先生を召喚する事にしよう。」


と三日月先生は悪戯っぽく言うので私は頷いた。


「わざわざありがとうございます。」


そして最終下校の時間となり、京駕さんの運転してくれる車で帰った。

投稿に時間が掛かってしまいすみません、、、

次回は茉莉花ちゃんの誕生祭です。

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