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王子様は1人じゃないっ!  作者: 華咲果恋
本編1年生
52/123

茉莉花ちゃんのお家

茉莉花ちゃんのお家はとても大きい日本家屋だった。私がパーティーに呼ばれていた方はご両親の住んでいる別宅だそうだ。


「お邪魔します。」


茉莉花ちゃんは柏木さんにお茶を頼んで私達を居間へ案内してくれた。京駕さんは柏木さんを手伝いに行った。二十畳はありそうな広い場所で思わず溜め息を溢した。


「凄く広いわね。」


「旧華族ですから土地は持ってるんです。そういえばお兄様にもこの事を話したのでもうす、」


その時バンッと勢いよく扉が開いた。


「お兄様、はしたないですわ。扉はもう少し静か、」


「美乃梨!久しぶり!」


茉莉花ちゃんの注意をよそに慧星くんが元気良く話しかけて来た。無視された上、話を遮られた茉莉花ちゃんは物凄く不機嫌そうな笑みを浮かべていた。


「慧星くん、6年ぶりね。相変わらず元気そうで何よりだわ。」


「ああ。元気だけが取り柄だから。」


そう言いながら慧星くんは私の頭を撫でて来た。


「京翠も貴翠くんも久しぶり。貴翠くんは数回しか会った事ないけど覚えてるか?」


すると貴翠は頷いた。


「勿論、覚えています。美乃梨様と仲がよろしかったので印象に残っております。」


京翠は私がパーティーに招待された時は殆ど毎回ついて来ていて、その上慧星くんとは同い年なのでそこそこ仲が良かった。


「そうか。」


丁度その時柏木さんと京駕さんがやって来た。


「皆様、お茶が入りました。」


「柏木、俺の分も頼めるか?」


「勿論です。」


柏木さんは頷きながら慧星くんの湯飲みを持って来てお茶を入れた。


「美乃梨様、柏木くんは聡様のご友人だそうです。」


「聡兄様の!?」


「美乃梨お姉様ってお兄様居たの?」


私が言った言葉に茉莉花ちゃんが反応した。


「ううん。正式には再従兄弟。昔から兄のように慕っていたからそう呼んでたの。でも来月養子縁組で本当の兄になるの。」


「そうなの。私も美乃梨お姉様のお兄様にお会いしたいですわ。美乃梨お姉様の兄なら実質私の兄ですから。」


茉莉花ちゃんは「素敵なお兄様が出来るわ」と慧星くんを見ながら言った。すると慧星くんは


「ここに素敵なお兄様が居るだろう?」


と不満気に言った。


「どこに居るのかしら?」


茉莉花ちゃんは辺りを見回しながらわざとらしく言った。すると慧星くんは


「俺の素晴らしさが分からないなんて子供だな。美乃梨は分かるよな?」


と私に話を振って来た。


「慧星くんみたいな兄が居たら今よりもっと賑やかで楽しくなりそうね。」


「美乃梨は分かってるな〜。茉莉花と違って。」


そして話は学校の話へと移って行った。


「美乃梨お姉様はどのような学校に?」


「普通の中学よ。今年の二学期頃から通っているの。皆、私が恋咲家跡取りだと分かっていても普通に接してくれるわ。信用出来る友人も出来たもの。」


「そうなの?私もお父様とお母様に頼んで一般の中学に入れてもらうわ!」


すると慧星くんが私の耳元で言った。


『普通の学校って大丈夫なのか?』


『ええ。普通の学校に通うって言うのが一つ目の試練なの。』


『……そうか。美乃梨の事だからボロが出そうだ。くれぐれも気を付けろよ?』


『ええ。もちろんよ。』


そしてお茶を飲み終わった後、茉莉花ちゃんが


「美乃梨お姉様、私のお部屋に来て下さらない?」


と言って来た。


「行きたいわ。」


「では早速行きましょう!柏木、岬、ついて来ないでね?京翠さんも貴翠さんも、うちのセキュリティーを舐めないで下さいね。」


茉莉花ちゃんはボディーガードを上手く躱せたと思っているようだけど4人はついて来て居る。


「美乃梨お姉様、学校のお話、もっと詳しく聞かせて下さい。恋バナだとか。」


「こ、恋バナ!?茉莉花ちゃんは学校に好きな子とか居ないの?」


「私に近づいてくる男の子は皆んな私が二条財閥の娘だから気に入られようって考えが見え見えなのでとても好きにはなれないです。それより私は美乃梨お姉様のお話が聞きたいです!好きな方は?」


「い、居ます……」


「誰!?イケメン?かっこいい?写真は?」


「写真?皆で撮った集合写真ならあるけど。」


茉莉花ちゃんは「どれ?」と言いながらスマホの写真を覗き込んでいる。


「私の隣にいるクールな表情の人。」


「かっこいい……!美乃梨お姉様の周り、かっこいい方しか居ないんじゃ……」


「確かにかっこいい子が多いわ。」


「でも美乃梨お姉様が一番目立っていますね。何人くらいに告白されたんですか?」


「何人って……6人、いや7人?」


「転入して4ヶ月で?」


「ええ、まあ。と言ってもその内3人は婚約者候補だったけど。」


私がそう言うと茉莉花ちゃんは嫌そうな顔をした。


「婚約者候補なら美乃梨お姉様はまだ選べるのよね。私なんて許婚。イケメンだけど性格が……」


「性格がどうしたの?」


「優しい人なんですけど……自分の事がやたら好きと言うか、ナルシストなんですよね。」


「……自分に自信がある事は良い事よ。」


私がそう言うと茉莉花ちゃんは「引き気味の美乃梨お姉様に言われても……」と言った。


「それに政略結婚って嫌なんです。結婚するなら、相手の事を心から好きになりたいんです。」


「今の許婚だととても無理です。」と茉莉花ちゃんは哀しそうに目を伏せた。


「茉莉花ちゃんは好きな人は居ないのよね?なら、好きなタイプはどんな人?」


茉莉花ちゃんはしばらく考えた後、言った。


「私に気兼ねなく接して、私の味方で居てくれて、何があっても守ってくれるヒーローみたいな方!」


「それなら、柏木さんと涼都くんは?」


「柏木と岬を足したらそうなるかもしれないけど、1人ずつだと駄目だわ。」


「あら、茉莉花ちゃんって理想高いのね。」


「そう言う美乃梨お姉様は先程の写真の方は好きなタイプなんですか?」


「千秋が……?考えてみたらタイプかもしれない。私は少女漫画の王子様みたいな人がタイプだから。」


「王子様?」と茉莉花ちゃんは呟いた。私は子供っぽかったかなと不安になったが、


「良いですね!私も美乃梨お姉様みたいに運命の王子様を見つけたいです。」


「許婚は?」


「解消してくれないと家を出るとお父様に言えばきっと取り消して貰えますわ。」


そう言いながら茉莉花ちゃんは「早く私にも王子様が現れないかしら。」と言った。


「茉莉花ちゃんにはきっと素敵な王子様が現れると思うわ。応援してるね。」


「美乃梨お姉様!私、美乃梨お姉様みたいな王子様に出逢いたいです!」


「あら、私よりももっと素敵な人は沢山居るわよ?」


「それは無いと思いますけど。それより、私の誕生祭には美乃梨お姉様の"王子様"を連れて来て下さいね。もし良ければ他の婚約者候補の方も紹介して下さい。美乃梨お姉様の婚約者候補に選ばれた方がどのような方なのか見てみたいので。」


「分かったわ。」


そして茉莉花ちゃんは言った。


「私が普通の学校に通って、友人が出来たら美乃梨お姉様の事を紹介しても良いですか?」


「もちろんよ。私にも茉莉花ちゃんの友人を紹介して貰いたいわ。」


茉莉花ちゃんは「約束」と言って小指を差し出した。私も小指を出して約束した。


そして居間に戻ると皆(京駕さんと慧星くん以外)が焦ったような顔をしていた。大方聞き耳を立てていたのだろう。


「では私達はそろそろお暇しますね。茉莉花ちゃん、慧星くん、またね。」


そして私達は茉莉花ちゃん家を後にした。


「今日は久しぶりに茉莉花ちゃんと会えて嬉しかったわ。慧星くんも元気そうだったし、涼都くんもまさか私よりも大きくなっているなんて驚きだったわ。」


「美乃梨様、随分と楽しまれていましたね。」


「ええ!京翠も慧星くんと久しぶりに会ったのよね?何か話したの?」


「はい。美乃梨様の事を聞かれておりました。慧星は相変わらず美乃梨様を妹のように思っているそうですよ。」


京翠は「美乃梨様には血の繋がらない兄が多く居ますね。」と言った。


「例えば?」


「そうですね。……聡様、紅音様、碧依様、慧星、そして松岡くんです。」


「何で爽夜くんも入っているの!?爽夜くんは親友だけど。」


「いえ、傍から見ると松岡くんは美乃梨様の兄のようにしか見えません。」


私は貴翠に助けを求める視線を送ると


「私にも松岡くんは美乃梨様の兄のように見えます。危なっかしい妹を見守るような視線ですので。」


と言って来た。


「でも、雅美ちゃんにも爽夜くん本人にも言われたわ。もっとしっかりしなくちゃ。」


「美乃梨様……」


「応援しております。」


そして私達は家へと帰った。

今回は茉莉花ちゃんのお家だけなので短いです。

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