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王子様は1人じゃないっ!  作者: 華咲果恋
本編1年生
42/123

貴方の身は私が必ず護ります

これは京翠目線です。

私の主人である美乃梨様は、響彼様のお話を聞かれた後、例の木のある丘に向かわれた。私は貴翠と父さんに事情を話し、貴翠には説明を、父さんには車の送迎を求めた。


「説明は構いませんが、態々私から説明せずとも、兄さんが説明したら良いじゃないですか?」


「私は美乃梨様に頼まれてしまうと全て吐いてしまいそうなので。貴翠はその点、上手に躱して情報の制限が出来るでしょう?」


「そうですね。兄さんは主人(美乃梨様)に甘いですからね。」


そしてあの丘に着くと、案の定美乃梨様は貴翠を問い質した。貴翠は美乃梨様の命令には逆らったが、懇願され、すぐに折れた。

元々お願いを断るつもりは無かったのでしょう。断っていたなら私は貴翠に容赦をしませんでしたが。

(それに、断る筈が無いと確信していましたから。薫様もそれを分かっていた上で一応箝口令を出されたようですし。)


―五家会談後……

私は薫様から会議の内容を聞き、貴翠と同じく箝口令を出された。しかし、薫様の声色には不安が含まれていた。


「薫様、どうされました?」


『京翠は美乃梨に対しての忠誠心が強いからあまり箝口令を出しても意味が無いと思ってな。……それに、この事は貴翠も知っている。』


私は内心苦笑した。私が美乃梨様から追求されてしまってはすぐに全ての事を吐いてしまいそうだ。貴翠は秀才で情報の扱いにも長けている、ですが……


「箝口令の意味、ありますかね?」


電話越しの薫様は『はあ〜』と大きく溜め息をつかれた。


『無いよりはマシだろう。美乃梨から聞かない限りは話さないだろう。仮に話すとしても美乃梨相手にだけだろうしな。それに、知らなくても良い情報は隠し通してくれそうだからな。』


「そうですね。貴翠なら上手くやると思います。」


『そうだな。引き続き美乃梨の事を宜しく頼む。』


「はい。承知致しました。」―


薫様の予想通り、貴翠は律様の情報は美乃梨様には伝えなかった。話を聞いた美乃梨様は混乱している様子だったが、一息ついて気になるところを質問した。

昔の話もあったので父さんにも詳しい事情を聞き、満足はしていなさそうでしたが律様の話題には触れないと仰った。


……そこまでは良かったものの、駐車場に向かおうとする中、父さん、私、貴翠だけが感じた微弱な魔力。


「貴翠!京翠!」


と父さんは私達の方を向いて振り返った。美乃梨様は何が起こっているのか分からない、といったご様子でした。無理も無い。何せ、私達が感じとった魔力はとても微弱で純血の魔法使いである美乃梨様には到底及ばないものでしたから。

本堂家の者は魔法使いの血と巫女の血が半々に含まれているので微弱な魔力でも感知する事が可能だった。


私は美乃梨様を連れてその場を離れた。父さんと貴翠は相手と接触しているでしょう。


「京翠、どうしていきなり走り出すの?」


美乃梨様は不安そうに瞳を揺らした。

そして父さん達がいる方を向いた。


「あの人、誰?」


丁度逆光になっていて美乃梨様には影しか見えなかったらしい。私は慌てて美乃梨様の気を逸らそうと辺りを見渡した。すると覚えのある気配を感じた。


「美乃梨様、真央様の気配がしませんか?」


「確かに、言われてみれば……」


そして気配のする方へと近付いて行くと真央様がこちらに気付き、美乃梨様の肩を掴んだ。私は一瞬眉が動いたが、真央様は本気で美乃梨様を心配しているようでしたので見逃すことにした。


「美乃梨!大丈夫!?」


何も知らない美乃梨様は勿論困惑された。私は真央様に向けて微笑みながら「美乃梨様は大丈夫です。美乃梨様には何も伝えないで下さい」と唇を動かした。

真央様は読唇術の練習中と聞いていましたので出来るだけ分かりやすく唇を動かした。真央様はぎこちない演技ながらも誤魔化して下さった。


「ちょっとあの木を観にね。昔、あの木の下で美乃梨達と会ってたんだなって思って。」


美乃梨様も何かに気付いたご様子でしたが普通に真央様と会話をされた。その後、真央様は目的の人物の所へ向かわれた。そして車までは例の人物、七倉蓮介に見つからないように美乃梨様の時空魔法を使わして頂いた。


「何か、あったのよね?私が関わらないと言った事なの?真央くんも怪しかったのだけれど。」


やはり、聡い美乃梨様は気付かれていた。


「美乃梨様に関わっていないとは言い切れませんが、私情を挟みますが関わらないで頂きたいです。」


「そんなに厄介な事なの?」


美乃梨様は純粋な疑問として首を傾げながら聞いて来た。この件に関わると美乃梨様は必ず解決しようとするでしょう。なので私は、


「ええ、とても。薫様の聞き飽きた長話と同じくらいには。」


と笑顔で答えた。美乃梨様はご自身よりも周りを大切にされる方なので巻き込まれると美乃梨様への危険が増えてしまう。そのような私の気持ちを汲み取ってくれたのか、美乃梨様は


「そうね。お父様の長話は新しいことならまだしも、毎回言っていることは聞き飽きるわね。」


と仰った。


―後日談―

真央様があの日、あの丘に現れたのは七倉蓮介がこの近くを通っているのを見かけて後をつけたら予想通り木に向かったからだそうです。

どうでしたか?

次回もお楽しみに⭐︎

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