新たな転入生!?
体育祭も昨日終わり、いつも通り景くん達と集まって本堂さんの車に乗り込む。
「今日もよろしくお願いします、本堂さん。」
「はい。安全運転でお送り致します。……そういえば今日でしたね。」
「何がですか?」
「学校に行ってからのお楽しみですよ。」
本堂さんは意味深長な事を言った後、いつも通り学校に送ってくれた。
「では、行って来ます。」
「行ってらっしゃいませ。美乃梨様、景様、真央様、千秋様。」
今日はいつもよりさらに早く着いたので千秋と職員室に向かった。職員室は何故かいつもよりざわざわしていた。
「失礼します。1年4組の鍵を下さい。」
「おう、恋咲と九条。おはよう。」
1番に気付いてくださった三日月先生が鍵を持って来てくれた。
「おはようございます、三日月先生。」
「三日月先生、何かあるんですか?」
「それが2人も転入生が来るんだよ。恋咲達が転入して来てまだ1ヶ月ちょっとしか経ってないのにな。じゃ、俺もそろそろ行くけど先に行って開けといてくれるか?」
「はい。」
私と千秋は教室に戻って鍵を開けてけら数分後、透くんとユーリちゃんが同じくらいにやって来た。
「おはよう、ユーリちゃん。透くん。」
「おっはよー!みのりん!九条くんも!」
「美乃梨、千秋、おはよ。」
「2人とも、おはよう。さっき三日月先生に聞いたんだが、今日、転入生が2人来るらしいぞ。」
2人は驚いた表情で
「2人も!?」
「美乃梨や千秋達が来てまだそんなに経ってないのにな。」
と言った。
その時扉を開ける音が聞こえて振り向くと雅美ちゃん達3人とレイラちゃんが居た。
「おはようみのりん、ユリ。あ、九条と笹木も。」
「俺らはおまけか!?」
レイラちゃんはスンとした顔で「当たり前でしょ?」と言った。
「雅美ちゃんもレイラちゃんもおはよう。」
「おはよう。昨日は本当に楽しかったね!」
「私は凄く疲れた。」
雅美ちゃんがハアとため息を吐くとユーリちゃんは肩を叩きながら
「どんまい、雅美!」
と言った。そこに三日月先生が入って来て
「皆んな、昨日はお疲れ様。今週は今日で終わりだし来週の月曜は休みだから今日は頑張れよ。」
と言った。
しばらくして少しずつ人が増えて来て私達はそれぞれ先に着いた。
「ねえ、凪くん。今日転入生が2人来るらしいよ。ってもう聞いた?」
「うん。美乃梨達が話してる声が聞こえてた。」
「どんな子なんだろうね。」
そしてチャイムが鳴りホームルームが始まり、1時限目は体育で合同授業なので移動する事になった。
今回も景くんと和真くんのいる2組との合同だ。
「みのりん、早く着替えに行かないと更衣室がパンパンになるよ?」
「あ、うん。行こ!」
急いで行ったので更衣室には1番乗りだった。
「早く着替えて体育館に行こ!」
そして早く着替えて体育館に行くとちらほらと着替え終わった人が揃っていた。
「景くん、和真くん!」
「おう、美乃梨!今日、うちのクラスに転入生来たんだぞ。知ってたか?」
「えっ!和真くん達のクラスだったの!?」
「そうだよ、美乃梨ちゃん。それで転入生っていうのは……やっぱり後で自己紹介があると思うから楽しみにしてると良いよ!」
「……?」
そして予鈴がなり私達は列に並んだ。
本鈴の後2組の担任、加賀谷治孝先生が前に立ち
「本日うちのクラスに転入して来た転入生を紹介するので皆んな、静かにするように。」
と言って手招きして控えていたらしい転入生を呼ぶ。転入生は元気よく出て来て自己紹介をした。
「初めまして!本堂篤季です!皆さん、よろしくお願いします!」
「……え、何で篤季が、」
私がそう言うと隣に居た爽夜くんと千秋が
「美乃梨、知り合いか?」
「本堂ってまさか……」
と聞いて来た。
「うん。知り合いっていうか幼馴染。」
「じゃあ千秋とも知り合いなんだな。」
「いや、千秋よりももっと前からの幼馴染。2人は初対面だよ。」
「美乃梨、本堂ってまさか本堂さんの?」
「うん。本堂さんには息子が3人いるんだよ。その3人のうち1人は篤季、1人は2つ上、もう1人は4つ上。」
私が千秋にそう返すと爽夜くんは驚いた声で
「本堂さんの息子!?」
と言った。
爽夜くんは本堂さんの事を知っているので余計に驚いたみたいだ。
挨拶を終えた篤季は嬉しそうに辺りをキョロキョロと見回して先生達が止めるのも無視して何かを見つけたような顔でこちらにやって来た。
「美乃梨お嬢様!お久しぶりですね!またお会いできるのを楽しみに思っておりました!」
「久しぶりね、篤季。でも前に戻りなさい、先生達が戸惑ってるわ。」
「分かりました。」
篤季はシュンとしながら前に戻り先生達はホッとした表情をした。
「では今日は折角の合同授業なのでクラス混合のチームで試合をしよう。」
体育の先生が言った。
私はレイラちゃん達とは別のチームだったが、音さんと同じだった。
「音さん、頑張りましょうね。」
「はい!美乃梨さんと同じチームなんて恐悦至極に存じます!美乃梨さんのアシストを出来るように精一杯頑張らせて頂きます!」
「嬉しいけれど、私じゃなくてチームの為に頑張ってね。」
他の子達にも軽く挨拶をする。
すると皆んな驚いたように言った。
「恋咲さんから話しかけられるなんて……。」
「神々しさが凄い……。」
「皆さん、どうしたんですか?」
「美乃梨さん、このチームのメンバーは全員美乃梨さんのファンクラブに入ってますよ。因みに私よりも早くですよ。」
私が戸惑っていると音さんが詳しく説明してくれた。
そして1人がおずおずと尋ねて来た。
「恋咲さん、握手してくれませんか?」
「……良いですけど。」
私がそう答えるとその子はパッと顔を明るくして笑顔に変わった。
「私、2組の燕木江衣菜です。恋咲さんを初めて見てすぐにファンクラブに入りました。」
「そ、そう。ありがとうございます、江衣菜さん。」
そこから他の子も握手がしたいと言い全員と握手をする事になった。
そして1限目が終わり私はレイラちゃん達と更衣室に着替えに行った。私は体育館にタオルを忘れてしまっていたのでレイラちゃん達には先に帰っておいてと言い取りに行った。
「あれ、恋咲どうしたんだ?」
加賀谷先生が体育館の鍵を持って通りかかった。
「あの、タオルを体育館に忘れてしまって、見ませんでした?」
「ああ、タオルか。さっき転入生の本堂が持ち主を知っているからと持って行ったぞ。」
「そうですか、教えて頂きありがとうございます。」
私は急いで教室に行った。
幸い篤季はまだ来ておらずホッとした。
しばらくして元気の良い声が聞こえて来た。
「美乃梨お嬢様ー!忘れ物を持って来ました!」
「篤季、わざわざありがとう。でも千秋とか爽夜くん達に渡してくれたら良かったのに。」
「いえ、僕がお嬢様にお会いしたかっただけです。」
そんな私達の様子を見ていたレイラちゃんは
「みのりんと本堂くん?ってどういう関係なの?」
と聞いた。
「篤季は千秋達よりももっと昔からの幼馴染だよ。本堂家は代々うちに仕えてくれている家系だから。」
「へえー、相変わらずお嬢様なんだね。流石はみのりん!っじゃなくて私が聞きたかったのは違う!」
「え?」
「本堂くん、絶対みのりんの事、ンン?」
後ろから手が伸びて来てレイラちゃんの口が塞がれた。
「ダメだよ、レイラ。」
「雅美ちゃん!?どうしたの急に。」
「みのりん、ちょっとレイラと本堂くん借りるね。」
「?ええ。」
そして3人で少し離れた所に行き何やら話してから帰って来た。最中、レイラちゃんが篤季に謝っているようにも見えた。
「レイラちゃんどうしたの?謝っているように見えたけれど。」
「何でもないよ。じゃあチャイムも鳴るしそろそろ席に着こっ!」
「うん。篤季じゃあ放課後にね。」
そして何事もなく4限目も終わりお昼休みがきた。今日は景くんは和真くんとサッカー部の皆んなと食べるらしい。千秋は凪くん、透くん、爽夜くんと。私はわざわざ教室まで来てくれた篤季と食べる事にした。
「恋咲さんと転入生、どんな関係なんだろ。」
「やけに恋咲さんに馴れ馴れしいよな。」
「幼馴染って聞いたけど仲良さ過ぎないか?」
「まず幼馴染っていうポジションが羨まし過ぎる。」
篤季が来てからずっと教室はザワザワしているので私は移動しようと思った時、
「美乃梨様!」
と言う変声期の最中の男の子の少し低くなった声が聞こえて来た。
「貴翠。久しぶりね。」
教室では目立つので私達は中庭に移動した。
「篤季も貴翠も数ヶ月ぶり。」
「はい、美乃梨様。父さんから話は聞いておりましたがやはり直接お会いできる方が良いですね。」
「僕も美乃梨お嬢様にお会いできて大変嬉しく思っています。」
「私も2人に会いたかったわ。」
そしてお弁当を食べた後、2人を連れて屋上に向かった。
「景くん、真央くん、千秋。もう揃ってたんだね。」
3人の事を2人には早く紹介したかったのだ。
「2人とも。こちらの3人は私の婚約者候補よ。驚きでしょ?私にこんなにかっこいい方達が候補としてつくなんて。」
私の言葉に続き景くんから自己紹介をした。
「初めまして、有栖川景です。」
「九条千秋です。」
「僕は神崎真央です。」
「こちらこそ、初めまして。3年6組に転入して来た本堂貴翠です。3人ともよろしくお願いします。」
「僕は本堂篤季です。よろしくお願いします。」
そこから昼休みが終わるギリギリまで私はこの学校に入ってからの事を話した。
屋上にあった時計の時間を確認して私達は慌てて教室に戻った。
「みのりんと九条、ギリギリだね〜。」
「ユーリちゃん!まだ大丈夫だよね?」
私が聞くとロッカーの前に居た凪くんが
「次は音楽だよ?」
と言った。
私達は急いで用意して音楽室に向かった。
凪くんとユーリちゃんは待ってくれていたらしい。
そして5限目、6限目も終わりいよいよ放課後。
わざわざ教室まで迎えに来てくれた2人には悪いが部活があると断りを入れて千秋と透くんと爽夜くんと向かった。
「今日の練習体育館使えねえから学校の前の坂ダッシュだってさ。」
「マジか〜、テンション下がるな。」
「私は結構楽しいから好きだよ。」
「俺も。走るのは存外嫌いじゃない。」
そんな話をしてると何故か後ろからガサゴソと物音が聞こえて来た。
「篤季と貴翠?何してるのよ。」
「美乃梨様の部活動が終わるまでお待ちしようかと思いまして。」
「僕は部活の見学に行こうかと。」
「そっか、篤季は部活選ばないといけないからね。」
「はい。兄さんはもう3年なので入らなくても良いと言われたそうですが。」
そして私はいつも通り更衣室に行って着替えてから今日は外なので昇降口に向かった。
「景くん、和真くん!サッカー部も今から練習?」
「よう、美乃梨。ああ、そうだぞ。」
「美乃梨ちゃんも今日は外なんだね。」
「うん。坂ダッシュだって。」
「そうなんだ。」
「頑張れよ!」
「うん!」
少し待つと透くんがやって来て
「あいつらまだ着替えてないから先向かわねえ?」
と言って来たので先に集合場所に行くと、先輩達と篤季と貴翠が居た。どうやら見学の許可を三日月先生にとっていたらしい。
三日月先生は頭を捻って
「よりにもよって坂ダッシュの見学か……。ただ走るだけだぞ?」
と言った。でも2人は笑顔で頷いた。
「私は美乃梨様が走っているお姿を見てみたいだけなので。」
「僕も美乃梨お嬢様がいる部活動のメンバーが見たくて来ただけですので。」
三日月先生は「それなら良いが、」と言い私の方に歩いて来た。
「恋咲、凄く愛されてるな。」
「な、何言ってるんですか!?」
すると私に気づいた2人も寄って来て
「美乃梨様、私はここで美乃梨様の事を応援しております。」
「僕も、部活動に入らなければならないのなら美乃梨お嬢様と同じ部活動が良いので。」
と言って来た。三日月先生は「ほら、やっぱり愛されてる。」と言ったが私は聞こえないふりをした。
坂ダッシュは一気に4人ずつ走る。
最初は3年生から順番に走って行った。
私は透くん、爽夜くん、千秋、私の4人で走る。
「次行くぞー。」
三日月先生はそう言ってピーッと笛を吹いた。
笛の音で全員が走り始める。
上に着くとキャプテンと副キャプテンの颯先輩がタイムの計測と記録をしてくれた。
「順番は千秋、爽夜、美乃梨と透は同時だ。」
「くっそ、負けた。俺、坂ダッシュで千秋に勝った事ねえよ。」
「爽夜、お前は力が入りすぎなんだ。」
爽夜くんが悔しがっているのを見てキャプテンの仲井仁先輩がアドバイスをした。
「美乃梨も最後まで走り切らないといけないよ。美乃梨はいつもゴールが見えたらスピードが減速してるから。」
私には颯先輩がアドバイスをくれた。
「そうなんですか?教えてくれてありがとうございます、颯先輩。」
「どういたしまして。それより気になっていたんだが本堂と美乃梨って知り合いなのか?」
「ええ、幼馴染ですけど……?」
「本堂、俺の隣の席になったんだ。だからどんな奴か気になっただけだ。」
「そうなんですね。貴翠は普段は子供らしさのない落ち着いた人ですよ。」
「普段は?」
「はい。私や私の弟達が関わらない限りはまともというか落ち着いています。」
「そうか。教えてくれてありがとな。」
「いえ。貴翠をよろしくお願いします。」
「おう、任しとけ。」
そして練習が終わり私達は制服へと着替えに行った。
着替え終わり更衣室から出るともう全員着替え終わっていて待っていてくれた。
「待たせてごめんなさい。」
「良いよ、そんなに待ってないし。」
「ああ、俺達もまだ着替え終わったばかりだ。」
「あれ、そういえば篤季と貴翠は?」
「篤季は早速入部届を貰いに行ったよ。貴翠先輩は本堂さんに僕達と一緒に車で帰って良いか聞きに行ったよ。」
「そうなんだ。」
しばらくして2人とも戻って来た。貴翠は少し本堂さんに怒られたそうだけどある条件と引き換えに許してもらえたそうだ。車に行くと本堂さんが頭を下げて
「美乃梨様、私の愚息がすみません。」
「構いませんよ。私だって久しぶりに幼馴染と会えて嬉しいので。」
「ありがとうございます。」
そしていつも通り順番に家に送ってもらった。
また投稿が遅くなってしまいました〜(⌒-⌒; )
ごめんなさいm(_ _)m
今回は転入生が来ただけなので少ないです。
次回は美乃梨の家でのお茶会です!
美乃梨の好きな人がいよいよ判明します!
お楽しみに!
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