体育祭前日準備
今日は体育祭前日。
委員会や応援団が中心となって行うんだけど何故か私と千秋が応援団に入っている。集まりに行くと真央くんも居た。景くんも赤組の応援団に入る事になったらしい。
遡る事2日前。
私達はいつもの様に1番に教室に着いた。
その日は何故か鍵がかかっていたので職員室に取りに行こうとすると三日月先生が焦った様子でやって来た。
「おはようございます先生、そんなに焦ってどうなさったんです?」
「おはよう、恋咲、九条も。実は応援団の応募人数がうちのクラスは2人共決まってなくてな。」
「そうだったんですか?全然知りませんでした。」
「そうだ!いるじゃん、ここに!」
「えっと、私?」
「俺も、か?」
そう言いながら私と千秋は2人で顔を見合わせて首を傾げた。
「2人とも、頼む!この通りだ。」
先生はそう言いながら頭を下げた。
「先生。そんな、頭を上げて下さい。私、引き受けますから!」
「俺は、出来れば遠慮したいです。」
「九条、頼む!」
「千秋、やってみようよ。きっと一緒にすると楽しいって。だから、ね?」
「……」
「わ、私じゃ力不足かもしれないけど、でも知ってる人がいた方がいいと、」
「別に出来れば遠慮するって言っただけで人数不足なら無理に断ろうとはしない。」
私は早とちりしてしまった事が恥ずかしくて顔を両手で覆い隠して千秋に言った。
「早とちりしてごめんね。一緒に頑張ろうね!」
そして詳しい事は先生が放課後説明してくれる事になった。私達はこの選択を後で後悔することになった。
その日の授業は全て終わり私と千秋は教室に残った。
「2人とも、残らせて悪いな。それで、応援団の主な活動内容だが、自分の種目以外は学ランかチアの衣装に着替えてもらう。因みに衣装はその時空いているものだから九条がチアの衣装を着ることもあるかもしれないが、まあ、頑張れ。」
「はい!?」
「心配するな、チアの衣装を着る時は演劇部からウィッグが貸し出されるから。」
「そんな心配はしてません。」
「恋咲も応援団って凄い目立つからファンも増えるだろうな。後、各組5人ずつ選抜メンバーを選んで応援合戦をするから多分2人なら選ばれるだろうし、頑張れ!」
「何ですかそれは!?」
三日月先生はそんな私にお構いなしに話を続ける。
「お礼に2人とも、いい事教えてやろう。この学校には伝説があるんだよ。その内の1つ、体育祭の応援団のハチマキ伝説。好きな人にハチマキを貰えると2人の距離が近づくってやつ。流石に恋人になる、とかまでは行かないみたいだけどね。2人とも好きな人に渡してみたら?ファンクラブの子達も群がるだろうから早めに交換した方がいいと思うよ。」
私は「そんな伝説が……」と感心していたが千秋は違ったみたい。
「教えてくれてありがとうございます。」
「あれ、九条好きな子居るの?まだ転入して来たばかりだから冗談のつもりだったけど、まあお役に立てて何より。」
「それより、どうして先生がそんな事を知ってるんですか?」
「実は俺、この中学の卒業でその伝説の始まりが俺の2つ上の兄姉から始まったんだ。その伝説の始まりはね……」
そこからは体育祭の練習開始の放送が流れるまで三日月先生は延々と話し続けていた。
そして今、応援団の集会にいる訳だ。
真央くんと景くんは目立つ為誘われたそう。
応援団は各クラス2人ずつ×9クラスで18人。
応援団長は3年6組の三笠藍先輩だ。
私達は後から決まったので集会に集まるのは初めてだったので三笠先輩が軽い自己紹介をしてくれた。
「初めまして、白組応援団長の三笠藍だ。恋咲も九条もよろしくな。」
そして私と千秋も初対面なので集まっている全員に自己紹介をする。
「はい、初めまして。1年4組の恋咲美乃梨です。本番前日の今日、初めて集会に出ましたが振りと言葉はちゃんと覚えましたので足を引っ張らない様に頑張ります!」
「同じく1年4組、九条千秋です。美乃梨同様振りと言葉は覚えて来ましたが他にも必要な事があれば教えて頂きたいです。よろしくお願いします。」
真央くんは最初から集会に集まっていたらしく自己紹介は無かった。今日はオーディション形式で応援合戦の選抜メンバーを決める。しかしオーディション形式でなくとも選ばれる事が稀にあると三日月先生は言っていた。そう、推薦だ。
「私、九条くんがいいと思います!」
「俺は恋咲さんが向いてると思います!」
「私は真央くんを推薦します!」
口々に声があがり三笠先輩は「静かに!」と言い私達を見た。
「3人を、と言う声が挙がっているが3人はどうだ?」
「僕は良いですよ。」
なんと真央くんはすんなりと受け入れた。
「私は……本番前まで一度も顔を出さなかった者は辞退するべきでは、と思います。」
「そういう事なら俺も。俺達は直前に振りと言葉を覚えただけで今まで練習に参加していた人の様に周りに合わせたりした事がありません。」
三笠先輩は頷いて
「2人の意見は分かった。でもそれは断る理由を探しているだけであって2人の意思ではない。そうだろ?2人はやりたいのか?やりたくないのか?俺はそれを聞いているんだ。」
と言った。
千秋はしばらく考える素振りを見せた後
「俺、やってみたいと思います。」
と言った。私は考えてみた。自分がやってみたいかどうか。よく分からない。けど折角推薦してくれる人が私に期待してくれる人がいるならと思って三笠先輩を見た。
「先輩。私も挑戦してみます!」
先輩はニカッと歯を見せて笑い
「神崎、九条、恋咲は決定だ。後2人オーディションで決めるぞ!」
と言った。因みに先輩は団長なので笛を吹く役割が元々決まっていたそうだ。
そして決まった選別メンバーは私達3人の他に3年生の先輩2人だった。
私達は最終下校まで全員で三笠先輩の笛の音に合わせて練習した。
一方その頃、体育委員会率いる応援団以外の前日準備組は体育委員の指示の元テントを建てたり道具を運んだりしていた。
「うっ、重っ、でかっ。」
「大丈夫?私が持つわ。」
「えっ!副会長?ありがとうございます。」
「いえいえ、怪我したら大変だからね。明日の放送、期待してるね。秋月さん。」
「はい!精一杯頑張ります!」
私は副会長が荷物を持ってくれたのでテント張りを手伝いに行った。
「雅美ー!さっきね、副会長が荷物を持ってくれたんだ。凄く優しかった。私も来年先輩になったら副会長みたいな先輩になりたいなー!」
「ユリなら優しい先輩になりそうだね。まあ、身長だけ見ると後輩に間違われちゃうかもしれないけど。」
「雅美はひと言多いよね?まあ、私はこれからグングン伸びる予定だし。」
私が雅美と喋っていると松岡くんと柄灯くんが来た。
「2人ともお喋りは程々に。僕なんか指示ばかりして疲れちゃったよ。特に先輩相手に指示すると睨んでくる人もいたから。」
「どんまい、柄灯くん。」
「そうだ、秋月は明日、誰が見に来るんだ?」
と松岡くんが聞いて来た。
「私は両親が共働きで忙しいからお兄ちゃん2人と従兄弟のお兄ちゃんが1人来るって。松岡くんは?」
「俺も姉貴と兄貴。両親に写真撮って来いって頼まれたらしい。別に中学になってまで来なくていいのにな。凪ん家は家族全員見に来るのか?」
「それが伯父さんも叔母さんも母さんも父さんも全員仕事が入ってるらしい。でも雫が来たいって行っててさ、そしたら流と霜も言い出して。結局、瀧と泉に頑張って貰う事になった。」
「そっか。流と霜は雅美とも凪とも仲良いもんな!」
そして全ての準備が終わり最終下校の放送が流れた。
みのりん達は応援合戦の衣装の最終調整を終えてから帰ると言っていたので残念だったけど先に帰る。
(あーあ、帰る前に挨拶したかったなー!)
明日が待ち遠しくて布団に入っても中々寝付けなかった。
次回は体育祭!
とある人達との再会も……!
是非楽しみにしていてください。
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