部活の買い物
抜けてしまっていた為投稿が遅れてしまいました。
すみませんm(_ _)m
今日は土曜日。
昨日は皆んなで寄り道したり普通の学生っぽい事が出来て嬉しかった。
今日は約束していたシューズを買いに行く日だ。
千秋くん、景くん、真央くんは学校に行く時のように私の家に集まってから車で向かう。
「おはよう皆んな!」
「おはよう、美乃梨。」
「美乃梨!おはよう!」
「おはよう。美乃梨ちゃん!」
「じゃあみんな揃ったし行こ!」
透くんと爽夜くんと和真くんは学校近くの公園で待ち合わせだ。3人共もう公園に揃っていた。
本堂さんが車の扉を開けてどうぞ、と案内している。
3人は「よろしくお願いします」と挨拶をして車の中に入って来る。
「「おはよ、美乃梨。」」
「おはよう。透くん、爽夜くん。今日はよろしく!」
車の座ってる順番はこうだ。
私、千秋くん、真央くんが1列のシートの上で景くんと和真くんは横側のシート、爽夜くんと透くんが向かい側のシートに座っている。
これから行くお店は車で40分程なので暇つぶしに皆んなでゲームをする事にした。
ワードウルフというゲームだ。
お題は爽夜くんのスマホのアプリを使ってするので順番に自分のお題を見て回していく。
私のお題は「紅茶」だった。
「全員お題見たか?じゃあ、始めるぞ。」
「これは飲み物だよね?」
爽夜くんの合図で真央くんから喋り始めた。
「うん。私は良く飲むかな。」
「そうなんだ。苦くないのか?」
透くんがそう聞いて来た。
「何も入れなかったら苦いと思うけど私は昔から飲んでいたから苦くはないかな。」
「なかなか誰か分からないな。」
と透くんが「うーん」と言いながら顎に手を添えている。
「そうだね。」
私も頷きながら考える。
「今日これを飲んだ人。」
景くんが聞いて来る。
「俺、朝食後はいつも飲んでる。」
「私も今朝飲んできたよ。」
「俺はミルク入れて飲んだぞ。」
千秋くんと私と和真くんが答えた。
「じゃあ、最後に色は?」
真央くんが聞いた。
「うーん、ものによるけど茶色から赤茶色かな。」
「俺のもそうだ。」 千秋
「俺のも。」 和真
「俺のも。」 透
「僕のも。」 景
「俺もだ。」 爽夜
「僕もだよ。」 真央
アラームが鳴ったので会話は終了だ。
「じゃあ怪しい人を一斉に言うぞ。」
私「爽夜くん」
真央くん「千秋」
爽夜くん「真央先輩」
景くん「和真」
和真くん「透」
千秋くん「爽夜」
透くん「爽夜」
そしてアプリで多数決で多かった爽夜くんを選んだ。
「やったー!正解!」
「何で分かったんだ3人共?」
「何となく?」
「爽夜の反応で。」
「勘?」
「千秋の俺の反応を見てなら分かるけど美乃梨の何となくとか透の勘って、雑すぎだろ!」
「まあ、正解だったんだし?」
透くんがウインクしながらこっちを見て来たので
「うん!良いよね!」
とウインクし返しながら言った。
返事がないなと思い透くんを見ると固まっていた。
「透くん大丈夫?」
おーい、と目の前で手を振ってもなかなか復活しない。すると真央くんが
「透は大丈夫だよ。これは美乃梨が可愛すぎる所為だから。」
とニコニコしながら言ってきた。
「な、何言ってるの!?流石にそんな訳ないよ。」
しばらくして復活した透くんは「何でもないよ」と言いゲームを再開した。
途中でウルフを増やしてみたりもした。
私がウルフになった時もう1人のウルフが千秋くんで一緒に皆んなを騙した。
最後私達2人がウルフだと分かって皆んな凄く驚いていた。
(まあ、私は千秋くんに合わせていただけ、だけどね)
ゲームをしていたのであっという間にお店に着いた。
昨日皆んなと行ったショッピングモールの倍くらいの大きさがあった。
お目当てのスポーツ店は3階にあるのでエスカレーターに乗って向かう。
「凄い!階段が動くわ!」
「ああ、そうだな。」
千秋くんも驚きを隠せていない。
「美乃梨も千秋もエスカレーターに乗った事無かったのか!?」
爽夜くんが驚いた様子で聞いて来る。
「うん。実は。」
「俺も見た事は何度もあるが乗ったのは初めてだ。」
景くんと真央くんは特に驚いた様子は無い。
「景も真央も乗った事があるのか?」
千秋くんが2人に聞いた。
「うん。ハルクと来た事あるよ。」
「僕は1度だけ乗った事があるよ。」
と2人は言った。
「真央先輩ハルクって誰ですか?」
透くんが真央くんに聞いた。
「えっと、僕のお世話係、かな。」
「す、凄いですね。お世係なんて……」
「そうかな?美乃梨達もお世話係がついているよ?」
「そうなんですね。」
「そうだよ。私のお世話係はシャルルっていう名前だよ。」
「そうなんだ。景と千秋は?」
「俺の世話係はレオだ。」
「僕のお世話係はルークだよ。」
「全員海外の人なのか?」
透くんが聞いて来た。
「えっと、まあ、うん。」
「そ、そうだね。」
すると話を聞いていた爽夜くんが
「美乃梨の世話係は男性なのか?」
と聞いて来た。
「ううん、女の子だよ。」
私が答えると爽夜くんは
「シャルルってどこかの男性名じゃなかったか?」
と聞いて来た。
実はシャルルが男性名なのには理由がある。
それは使い魔召喚をした1歳頃、よく読んでいた本の主人公の名前がシャルルだったから私がそう呼んでしまったのだ。
召喚時に初めて呼んだ名前が使い魔に刻まれる為変えることは出来ない。でも使い魔は多少なりとも主人に似て成長していく為例え性別が無かろうとシャルルは見た目も中身も女の子に育った。
でもそんな事を説明出来るわけも無く、私がどう誤魔化そうか考えていると千秋くんが代わりに言ってくれた。
「美乃梨の使い、いや、お世話係の名前が男性名なのはその親は男でも女でもどちらでも良かったから生まれる前からそう名付けただけだ。だよな、美乃梨?」
「うん。そ、そうなんだ。」
「なんだそうだったんだ。」
と言い爽夜くんはエスカレーターを降りて行った。
私達も3階に着いたので降りた。
『さっきはありがとう。千秋くん。』
『気にするな。』
千秋くんは優しい笑みでそう言ってくれた。
私はその表情を見て赤くなってしまう。
(千秋くん達の美形には慣れて来たけれど笑顔にはまだ慣れない。)
すると千秋くんが私の顔を覗き込んで
「美乃梨、大丈夫か?少し顔が赤い。熱はないか?」
と聞いて来た。
私は急いで取り繕って
「そんなに心配しなくて大丈夫だよ。ありがとう。」
と言った。
スポーツ店に着くと和真くんと景くんはサッカー用品が置いてあるコーナーに向かった。
私、千秋くん、真央くん、透くん、爽夜くんはバスケット用品の置いてあるコーナーに向かう。
まずはシューズからだ。
どれが良いのかよく分からず爽夜くんに尋ねる。
「爽夜くん。バスケットシューズってどうやって選べば良いの?種類が凄く多いんだけど。」
「まず指先に余裕があるもの、横幅のサイズ、後は滑りにくさとか。」
「成程、試着してみた方が良いって事?」
「ああ、そうだな。横幅の測定はあそこに置いている機械を使って測れるぞ。」
「ありがとう。」
測りで測ると爽夜くんが目盛りを読んでくれてスリムタイプだと教えてくれた。
「足のサイズが24なら24.5か25のシューズを選ぶといいぞ。」
爽夜くんが色々アドバイスをしてくれた。透くんは真央くんの方にいて一緒にデザインを選んでいる。
私の足のサイズを測り終わった後千秋くんも測り後はデザインを選ぶだけだ。
私は軽量化されているという黒に白いラインの入ったシンプルなデザインのシューズにした。
千秋くんはグリップ力とクッション性に優れた最新モデルのシューズを選んでいた。デザインは落ち着いた濃紺に水色のロゴが入っていた。
真央くんは試着した時に1番しっくり来た物を選んだそうだ。デザインは白を基調としていてミントグリーンのロゴとラインが入ったものだった。
バッシュ以外にもバスケットウェアなどを揃える必要があると爽夜くんと透くんが言ったので私達は色々と試着する事にした。
「美乃梨これとか似合いそう。」
「こっちも似合うと思う。」
何故か真央くんと千秋くんが私のウェアを選んでくれている。
「2人共自分のはいいの?」
「俺は何でも良い。」
「僕も。サイズが合っていれば何でも良いよ。」
「そっか。じゃあ私のを全部選び終わったら2人が選ぶの手伝うね。」
私がそう言うと2人は頷いた。
そしてその後何故か透くんと爽夜くんも混ざって選んでくれた。
「美乃梨、これも着てみろよ。」
「良いよ!」
(でも楽しいのでまあ、良いか。)
「どう?似合うかな?」
「うん。似合ってるよ。」
私は冬用の長袖も合わせて上下5着ずつ選んだ。
次は千秋くんのを選ぶ。
「これとかどう?千秋くん紺好きだよね?」
「ああ、試着してみる。」
と言いカーテンを閉じた。
そしてカーテンを開ける音が聞こえた。
「どうだ?」
「千秋くん。凄く似合ってるよ!」
「似合うな、千秋!」
「流石、千秋だな!」
千秋くんは上下4着ずつ選んでいた。
「千秋くん、長袖1着で良いの?」
「ああ、俺はそこまで寒さに弱くないからな。」
次は真央くんのを選ぶ。
透くんが
「真央先輩はこういう系のが合うと思います。」
と言い選んだ物を渡していた。
爽夜くんも一気に何着も渡していた。
「真央くん、これはどう?」
私は白を基調とした長袖で真ん中にバスケットボールとメーカーのロゴが入ったウェアを渡した。
真央くんは
「ありがとう美乃梨。着てみるね。」
と言い試着した後カゴに入れてくれた。
真央くんは上下5着ずつ選んでいた。
後はボールだけだ。
私は6号球で千秋くんと真央くんは7号球だ。
私は一目見て「これにする!」と決めた。
私が選んだのは白、ピンク、水色の大理石模様のボールだった。
千秋くんも比較的すぐに決めていた。
千秋くんは黒のボールにラインとロゴだけ白いものを選んでいた。
真央くんは黒と白の大理石模様のボールと一般的なオレンジブラウンのボールと迷っていたみたいだが結局一般的な方を選んだみたい。
レジでお会計を済ませて景くん達のいるサッカー用品のコーナーに向かおうと思っていると誰かのスマートフォンの通知が鳴った。
「あ、俺だ。和真がもうこの店出て車で待ってるってさ、景も一緒に。」
と透くんが言ったので私達は1度車に戻る事にした。
車に戻ると本堂さんが
「美乃梨様、皆様、昼食どういたしますか?」
と聞いて来た。
「皆、どうする?このショッピングモールの中でお店を探す?それともどこかで食べて帰る?」
「俺、ここの近くの旨い弁当屋知ってるぞ。」
と和真くんが言った。
「そうなんだ。じゃあお昼はそこにしよう!皆はそれで良い?」
「「「「「賛成!」」」」」
「じゃあ本堂さん、そこまでお願いします。」
「承知致しました。」
お弁当屋さんに着くとそれぞれ好きな物を注文して行った。
私と爽夜くんはオムライス弁当。
真央くんと千秋くんと透くんは唐揚げ弁当。
景くんと和真くんはシャケ弁当。
本堂さんは天ぷら弁当を頼んだ。
お弁当屋さんには席が無かったので
熱々のお弁当は車に持ち帰って食べる。
「卵がトロトロでトマトソースも凄く美味しい!」
「俺、実はオムライス大好物なんだよ。」
「そうなんだ。」
私と爽夜くんが話していると千秋くんが
「この唐揚げ凄く美味い。美乃梨いるか?」
と言ってくれた。私は頷いて
「うん。私のもひと口あげるね!」
と言った。
「本当だ。凄く美味しい!」
「オムライスも美味い。」
すると真央くんも
「僕にもひと口頂戴。」
と言った。
「良いよ。」
真央くんは美味しそうに頬張りながら食べた。
「ありがとう。美味しかったよ。」
全員が食べ終わりゴミはお店のゴミ箱に捨てて帰る。
お腹いっぱいになったのと少し疲れていたので私は暫く眠ってしまった。
……ふぁー、
欠伸をして起きると真央くんと千秋くんが
「美乃梨、おはよ。」
「もうすぐ着くよ。」
と言った。
「おはよう、2人共。」
少しずつ目が覚めて来て私は壁ではない方にもたれかかっている事に気づいた。
「ご、ごめん、千秋くん。重かったよね。」
「いや、全然。むしろ軽すぎるくらいだった。」
「ありがとう千秋くん。」
周りを見ると和真くんも景くんも爽夜くんも透くんも皆んな寝ている。
「皆も寝ちゃってるね。2人は眠くないの?」
「僕は全然眠くないよ。」
「俺も睡眠時間は短くても大丈夫な方だ。」
起こしたらいけないので私達は静かに話していた。
そして帰りは1人1人家の前まで送る事になった。
(住所は予め本堂さんが聞いていたそうだ。)
もうそろそろ着きそうだったので皆んなを起こした。
「皆、そろそろ起きて。」
「おーい、爽夜ー、透ー。」
「景も和真もそろそろ起きろ。」
最初に着いたのは和真くんの家だった。
「じゃあね。和真くん。」
「ああ、また皆んなで遊びに行きたいな。」
和真くんは本堂さんに「ありがとうございます」と言い家に入って行った。
次は透くんの家でその次は爽夜くんの家だった。
2人とお別れした後、私、千秋くん、真央くん、景くんは1度私の家に行く事になっている。
家に着くと本堂さんが扉を開けてくれる。
「今日は本当にありがとうございました。」
お礼を言ってから家に入る。
玄関には稔がお出迎えに来ていてくれた。
「姉さん、お帰りなさい。景さん、千秋さん、真央さん、いらっしゃいませ。」
「ただいま稔。煌と架は?」
「部屋に居ます。」
「そうなの?千秋くん達が来てるのに。」
「僕が呼んできます。姉さん達は客間で待っていて下さい。」
私達はシャルルに案内されて客間に入る。
今日はお父様が千秋くん達をディナーに招待したのだ。服は3人共朝来た時に持って来て居るし、使い魔達も朝一緒に来ていた。
ディナーまでの時間する事が無いので私は魔法の練習をしようと思っていた。
暫くして稔が煌達を連れて客間に入って来た。
「私今から練習場に行って魔法の練習に行くけど皆はどうする?」
「俺も行きます!」
「僕も絶対に行きます。」
「僕も行きたいです。」
「俺も久しぶりに練習したい。」
「僕も最近練習していないから扱いが下手になっているかもしれない。」
「もちろん僕も行くよ。」
という事で練習場に向かった。
まずウォーミングアップとして得意魔法の練習。
「煌、稔、架手伝ってくれる。」
私は右が稔、左が架、そして架と手を繋いだ煌4人で手を繋いで空間魔法を使ってみる。練習場の端まで移動してみた。30メートル程なので一瞬だ。そして元の位置に戻って来る。
「前より少し時間がかかったわ。やっぱり練習をしていなかったせいね。」
「相変わらず姉さんは完璧主義ですね。」
「そんな事ないわ稔。付き合ってくれてありがとう。3人共。お礼に練習のアドバイスをするわね!」
「「「はい!」」」
最初は煌からだった。
煌の得意魔法は私と同じ時空魔法なので少し前までは良く一緒に練習していた。
「姉さん、どうですか?」
「もう少し具体的なイメージが出来た方が速く移動出来ると思うわ。」
「ありがとうございます。」
次は架。
架の得意魔法は創造魔法。
物を魔力で生み出すのは物凄く集中力が入り、何度も何度も挑戦してやっと1つの物が作れる。
努力家な架には向いている魔法だ。
ただ、普段の練習では元々ある物の形を変える練習をしている。
「私は創造魔法は少し苦手分野なのであまりアドバイスは出来ないかもしれませんわ。」
「いえ、姉さんは試験で一発合格でしたよね?」
「まあ、架が良いなら。」
架は手に持っていた木のブロックを大きい椅子に変えた。
「凄いわ。前より格段に上達してるじゃない!でも持続力が弱いわね。集中力は充分だと思うのに……」
私は何をアドバイスしたら良いか分からなかった。
「あ、分かったわ。架、これを作る時イスの画像をイメージして作ったの?」
「はい、そうですけど、?」
「だから持続力が無いんだと思うわ。使用している状態のイメージで作らないと……」
「そうなんですか!?アドバイス、ありがとうございます、姉さん。」
「どう致しまして、練習頑張ってね!」
最後の稔の得意魔法は火魔法だ。
火魔法は基礎で習うので私も多少は使える。
稔は自分に魔法をかけているそうだ。
「痛っ、」
「稔!?大丈夫っ!?」
「大丈夫です。姉さん。」
私は少し無理して笑っている稔に近づき怪我がないかを確認した。
「怪我してるじゃない!待って今治癒するから。」
治癒魔法は反動が大きいし、余り上手には出来ないけれど気にしている場合ではない。
「本当にありがとうございます。姉さん。」
「良いのよ。火魔法なら千秋くんに聞いてみたらどうかしら?」
「はい、そうしてみます。」
稔は少し離れたところで練習していた千秋くんの所に向かった。私は治癒魔法で削られた体力を回復する為に少し休憩する事にした。
私がお茶をする為の小さめのテーブルと椅子が置いてある所に向かうと真央くんが座っていた。
「真央くんは皆みたいに練習しないの?」
「うん。僕は基礎は姉さんや兄さんに練習をつけてもらってるから結構頻繁に練習出来てるしね。それに治癒魔法は壊れた物か治癒する為に何か必要だし。」
そう言いながら真央くんは私の体力を回復させてくれた。
「凄いね!真央くん!私は少しの治癒で体力が減っちゃうのに……」
「まあ、治癒魔法は僕の得意魔法だからね。僕はこの魔法と相性が良いのか他の人の10分の1程度の体力で治癒出来るみたいだし。」
「そうなんだ。私も時空魔法なら少し無理をすれば1年くらいなら行って帰って来れると思うけど。でもそれ以上すると魔力的に行きは大丈夫だけど帰りが無事帰って来れないと思う。」
「充分凄いと思うよ。」
私の体力も回復してもらえたし真央くんと私は皆んなの練習を見に行く事にした。
少し奥の方で景くんが練習していたのでまずはそこへ向かう事にした。
「景は攻撃魔法の練習をしているんだね。」
と真央くんが言った。
景くんは水魔法が得意で氷を作って的に向かって飛ばしている。するとこちらに気付いて手を止めた。
「邪魔してごめんね。景くん、続けて良いよ。」
「ううん。邪魔なんかじゃないよ。良かったら美乃梨ちゃんも真央もやってみる?」
「僕やってみたい。」
「私も。」
私と真央くんがそう言うと景くんは嬉しそうに頷いて
「実は僕友達とこうやって魔法の練習してみたかったんだ。」
と言いながら説明を始めた。
「まず氷のまま飛ばすのは難しいから初めは氷の武器を作るんだよ。弓とか、槍とか、鉄砲とか、あとスプリングショットとかが主流かな。」
「じゃあ私は弓にしようかな。」
「僕は鉄砲にしてみるよ。」
「じゃあ美乃梨ちゃんはまず氷で弓の形を作って矢は射る前に構えをする時に出してみて。」
「真央も鉄砲本体を作って中で氷の弾丸を作るイメージで的に向かって打ってみて。」
「う、うん!やってみる!」
「そのイメージ、難しそうだね。」
私は言われた通りにやってみたけれど氷の弓を作るイメージに時間がかかってしまう。それに氷の矢は綺麗に作れず作れても的に届くまでに消えてしまう。
「真央くん、これ物凄く難しいね。」
そう言いながら真央くんの方を見ると的の中心ではないけれど氷で作った弾がちゃんと的に命中していた。
「よし!コツは掴めてきた。」
「真央、凄いね。流石先輩だよ。」
「本当に凄いよ。真央くん!」
私がそう言うと真央くんと景くんはこちらに気付いた。
「私なんて矢を的まで飛ばすのに精一杯なのに。」
私が言うと真央くんは少し息を吐いた。
私がどうしたの?と聞くと真央くんは
「美乃梨って基本的に何でも出来るから出来ないことがあるって知って少し安心したよ。」
と言った。すると景くんも
「確かに美乃梨ちゃんの出来ない事って初めて知ったかも。」
と言った。
「私だって出来ない事なんて山程あるわよ?運動、勉強はチューターに昔から習っていたから出来るだけで……1人でショッピングに行けないし、学校までだって1人じゃ歩いて行けないし、まあ、魔法を使って行くけど……」
「美乃梨ちゃんは基本的に出来ない事でも何でも乗り越えて行きそう。」
「確かに。やっぱり出来ない事もすぐに解決出来そうだね。」
そんなこと言ったら2人だって、と私は2人に向かって言った。
「景くんも真央くんも出来ない事とかあるの?」
「僕はあるよ。実は絵を描くのが苦手なんだよ。」
「そうだったんだ!真央くんは何かある?」
「僕はドイツ語が少し苦手かな。」
「意外だな。真央はドイツ語得意だと思ってたよ。」
「うん。私も!」
「最近は少しずつ勉強を頑張ってるけどね。」
そして肝心のアドバイスを景くんに聞いた。
「景くん、イメージはちゃんと出来ている筈なのに矢が的まで届かないんだけど、どうすれば良いの?」
「多分魔力を使い過ぎなんじゃないかな?これは魔力が少なくても出来る初心者向けのやり方だから魔力を込め過ぎても形が持続しないと思う。」
「!。そうなんだ。盲点だったよ。教えてくれてありがとう。」
「どう致しまして。」
そこから暫く練習してコツを掴むとすぐに出来るようになった。景くんも真央くんも満足したようで千秋くんの所に皆んなで行く事になった。
千秋くんは稔には魔法の扱いを教えていた。
稔はいち早くこちらに気付き
「姉さん!」
と声をかけてくれた。
(私の弟なんて可愛いの!)
「稔、千秋くんに教わってみてどうでした?」
「凄く分かりやすく良いアドバイスを頂きました!」
「まあ、それは良かったわね!そろそろディナーなので煌達も呼んできますね。」
「いえ、僕が呼んで来ます。」
「僕も行くよ。」
と言い稔と真央くんは煌と架を呼びに行った。
「千秋くん、稔の練習に付き合ってくれて本当にありがとう。私も基礎くらいなら教えられるけど、応用は教えられないから……」
「全然良い。俺は年下の兄弟がいないから弟が出来たみたいで結構楽しかった。」
「そうなんだ。良かったら時々練習に付き合ってくれる?」
「ああ、いつでも良い。」
私と千秋くんがそう話していると景くんも
「僕も混ざって良い?」
と聞いて来た。
「もちろんだよ。稔達もきっと喜ぶと思うよ!」
そして真央くんと稔が煌と架を呼んで来てくれたので皆んなでディナールームに向かった。
ディナールームにはお父様とお母様がもういらっしゃっていた。
「お久しぶりですね。景さん、千秋さん、真央さん、いつも美乃梨がお世話になっています。」
「ご無沙汰しております。恋咲家当主夫人、恋咲紫乃凛さん。改めまして有栖川景です。」
「九条千秋です。」
「神崎真央です。」
「3人共、今日はそこまで畏まった態度でなくとも良い。紫乃凛も挨拶は良いがディナーの最中ではいつも通りでいてくれ。」
とお父様が4人に言った。
確かに折角のディナーが畏まった雰囲気だと楽しめないもの、と私も同意した。
そして楽しい雰囲気で始めたディナーでは今日の事や転入してからの事を色々お話した。
そしてディナーが終わるとお父様が
「今度、親睦会を含めた旅行を軽井沢の別荘でするのでそれぞれ学校の友人なども連れて来なさい。」
と言った。
今年最後の投稿になりました。
良いお年を。




