身体測定と賭けの結果
太陽の光がカーテンの隙間から入っている。
今日はいよいよ身体測定の日だ。
前の賭けはよく分からないけど……
今日も皆が揃い車で送って貰った。
教室に着くと珍しく凪くんと雅美ちゃん、そして爽夜くんも来ていた。
「3人ともどうしたの?早くない?」
「うん。僕初めて教室1番乗りだったよ。」
「実は今日私のお母さんが送ってくれたの。」
「俺は途中で乗っけて貰った。」
「そうなんだ。」
「みのりんと九条はいつも早いよね。やっぱりファンクラブの多い時間帯を避けてるの?」
「いや、そうじゃなくて私たち毎朝車で送って貰ってるからなの。」
「え、千秋も一緒に送って貰ってるの?」
と凪くんが聞いて来た。
「うん。私と千秋くん、真央くん、景くんは家が近いし4台も校門前に止まっていると邪魔になっちゃうしね。」
「さすが社長令嬢と令息だな。」
「九条くんって口調はそうでもないのに性格とか動きに品があるもんね。みのりんは見た感じだけでもお嬢様って感じだけど。」
「そうか、俺は口調を崩すのは出来るようになったけどその他はまだまだか。」
「そうかな?そんな事ない思うけれど……」
爽夜くんが
「千秋ってわざと口調崩してたのか!」
と驚いた顔で言った。
千秋くんは何でもないように
「ああ。口調も立ち居振る舞いも父と母に教えられたからな。口調に関しては少し練習した。」
と返した。
すると今度は凪くんが
「タメ口って練習するものなの!?」
と大声を出した。
「「凪、うるさい。」」
と爽夜くんと雅美ちゃんに怒られると
「だって驚くよ。美乃梨は結構お嬢様っぽい所があるけど千秋はそんな事無かったから社長令息って言っても俺たちと同じように生活していたのかな、と思って。」
「まあ、驚くのも無理はないな。俺らの場合は逆に敬語を練習するからな。」
「そうなの!?私たちは生まれた時から両親やその他の関係者の皆様、運転手さんとかには敬語で話すように決められているから、敬語が普通だと思ってた。」
「俺は10歳くらいまでタメ口って言うのを知らなかった。」
と私と千秋くんが言うと3人はさらに驚いた。
「みのりんはタメ口の時もあるけど練習したの?」
「ううん、私の場合は弟がいるから。でも完璧にタメ口ってわけではないから最近はシャルル、お世話係の人にもタメ口で喋るようにしてるよ。」
「そうなの、ってお世話係がいるの!?」
「うん。」
「みのりん達って大分上流の方のお金持ちなんだね。」
と雅美ちゃんが言った。
そんな話をしているうちに教室の人は増えていた。
レイラちゃんとユーリちゃんもやって来て2人も凪くんと雅美ちゃんが居る事に驚いていた。
いつものように予鈴が鳴り三日月先生が入って来て
「今日の1限目は身体測定なので皆体操着に着替えるように。」
と言った。
体操着に着替えるため更衣室に移動している時、
「みのりんって背高いよね。」
とレイラちゃんが言って来た。
「うん。私の家族は皆高いよ。お母様も173センチあると言ってた気がする。」
「へえ〜羨ましいな。」
「ユーリは小さいもんね。」
「そういう雅美はみのりんよりは低いけど高い方だよね。」
と話していた。
更衣室に着くともう着替え終わっている人もいたので私たちは急いで着替えた。身体測定は体育館で行われる。男女別の出席番号順に並ぶ。私と千秋くんは転入生なので1番後ろだった。
ユーリちゃんから測って行った。
前から
「やった〜!伸びた!」
と言う元気のいい声が聞こえてくる。
測る場所は2列なのですぐに私の番も回って来た。
養護教諭の先生が測ってくれる。
「え〜、恋咲さんは163.5センチ。」
「えっ!伸びてた。」
とつい声に出てしまった。
次に体重を測る。
「えーと、47キロですね。体操着の重さを引い46.5です。」
身長は1.5センチ伸びたけど体重は対して変わってない気がする。
待ってくれていたレイラちゃんの方に行くと、
「みのりん、身長何センチだった?私は159.7センチ。」
「私は163.5センチだったよ。2人は?」
「やっぱり私の方がレイラよりも高いね。私は160.9センチだったよ。」
「3人共ずるい!私なんて150.2センチだよ。」
と報告をし合った。
教室に戻ると爽夜くんが待っていて、身長を聞いて来た。
「美乃梨、身長何センチだった?」
「163.5センチだったよ。」
「まじか、千秋と透は?」
「163.4センチのはず。」
「俺は163.8センチだ。」
「っしゃー!賭けは俺の勝ちだ。」
と爽夜くんが大声を出した。
レイラちゃん達が「松岡、うるさい!」と怒ると、「悪い、悪い」と言いながらこっちに向き直した。
「てか、やっぱ大差ないんだな。ミリ単位じゃねえか。」
「そういえば、爽夜くんは何センチだったの?」
「俺か?俺は172センチだ。入学式の時より5センチは伸びたな。」
爽夜くんはフフンと胸を張りながら言った。
「凄いね。やっぱりバスケの影響かな?」
「いや、親の遺伝だな。両親共に高いから。」
「俺、美乃梨に身長負けたのちょっと悔しい。」
と透くんが言った。
「まあ、私の場合も遺伝だと思うよ。それに男の子は中学に入ってからグングン伸びる子も居るらしいし」
「そうだな。透の親は背が低いんだろ?親を抜かしてるって事はこれからもっと伸びるんじゃね?」
と爽夜くんが励ました。
お昼休みになり今日はサッカー部の練習に行くと言っていた景くんの応援がてら外で食べる事にした。
サッカー部の練習場所は芝生なので砂埃が飛ぶ心配も少ない。
私、千秋くん、真央くんは皆揃って向かう事にした。
景くんは和真くんと一緒に来るそうだ。
今日は千秋くんが当番だった。
最初は交流を深めるためにしていたお弁当の当番制も今ではすっかり皆楽しんでいる。(もちろん私も)
千秋くんが作って来たお弁当はなんと中華まんだった。肉まんにピザまん、カレーまんもあった。
それに焼売まで……。なんと全て手作りだそうだ。
「肉まんって手作り出来るんだ。」
「ああ、父上から昔横浜で食べた中華まんが美味しかったと聞いたので作り方を調べて作ってみたんだ。」
「この前真央くんが言っていた時の事?」
「ああ。」
「早速実践してくれたんだ。嬉しいな。」
「急に話が変わるけど、真央くん身長何センチだったの?」
「本当、急だね。僕は177センチだったよ。」
「えっ、思ったより高い!」
そうして話している内に景くんと和真くんが来た。
2人ともお昼を食べてから練習なので早めにきたそうだ。(千秋くんがお弁当を魔法で温めたの、和真くんが来る前でよかった。)
「何の話をしてたの?」
「今日の身体測定の話。景達は身長何センチだった?」
「僕は169センチだったよ。」
「俺は167センチだった。真央先輩達は?」
「僕は177センチだよ。」
「俺は163.8センチだ。」
「私は163.5センチだった。1ヶ月前より1.5センチ伸びたんだ。」
私たちは話をしながらご飯を食べた。
「そうだ、土曜日の事なんだけど、」
と和真くんが話し始めた。
「爽夜と透も来るんだよな?」
「うん。そうだよ。3人知り合いだったんだね。」
「同じ小学校出身だからな。休みの日に一緒に遊んだりする程度には仲いいぞ。」
「そうなんだ。」
「そうだ、景。賭けの結果は爽夜の勝ちだったよ。」
「賭けなんてしてたんですか?」
と和真くんが聞いて来たので私は
「そうそう、聞いて、和真くん。真央くんと景くんと爽夜くんで私、千秋くん、透くんの誰が1番背が高いか賭けをしてたの。」
「何だその楽しそうなやつ!今度する時は俺も混ぜてくれ。」
と言った。和真くんに行ったのは間違いだったかな?
千秋くんはうんざりした顔で
「混ざらなくていい」
と言った。
「賭けの事は来週にするとして美乃梨、今日って全部活休養日だよね。友達と遊びに行くって言ってたの今日じゃない?」
「そうだよ。あ、本堂さんに連絡するの忘れてた。
皆は寄り道して帰るの?」
「僕はどうしようかな。和真、今日暇?僕買い食いとかしたことないから折角の機会だし寄り道してみたいな。」
「いいぞ。今日は何も予定がないしな。」
中途半端な所で切ってしまいましたが寄り道編は次回投稿します。




