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王子様は1人じゃないっ!  作者: 華咲果恋
本編1年生
12/123

体育祭準備の始まり!

起きると自分の部屋のベッドの上にいた。

昨日は帰りに寝てしまったのでシャルルがベッドまで運んでくれたらしい。目が覚めたのでシャルルに挨拶をしに行った。


「お目覚めですか、美乃梨様。まだ5時にもなっていませんが、どうなさいます?」


「おはよう、シャルル。なんだかスッキリ起きられたから朝食にするわ。」


「そうですか、では少し準備をしてくるので着替えて待っていてください。」


「分かりました。」


そうして5分ほど待つとシャルルが呼びに来た。


「準備が整いました。今日の朝食は美乃梨様の好物のガレットです。スープはオニオンスープです。」


「嬉しいわ。ありがとうシャルル。料理人の方にもお礼を言ってもらえる?」


「はい。承知いたしました。」



昨日は夕食を抜いた為かお腹が空いていた。

ガレットの半熟卵がトロトロでとても美味しかった。


朝食が終わるとシャルルがヘアアレンジをしてくれた。

そして6時になり稔、お母様、お父様が起きてきた。


「おはようございます。稔、お母様、お父様。」


「おはようございます。姉さん。」


「おはようございます、美乃梨。今日は早起きですね。」


「はい、お母様。今日はスッキリ起きられましたわ。」


「美乃梨、昨日はどうだった。楽しめたか?」


「ええ、お父様。とても楽しめました。チケットありがとうございました。」


そしてお父様達は朝食を食べに食堂に移動して行った。


私はすることがなく暇をしていたのでお父様に何かすることがないか聞きに行った。

そうしたら煌と架を起こしてきて欲しいと頼まれた。


「ねえ、シャルル。お父様が私が起こすと2人もすぐ起きるだろうからと仰っていたのだけれど、誰が起こしても変わらないのじゃないかしら?」


「いえ、美乃梨様。美乃梨様だって私が起こすよりも煌様たちが起こした方がすんなり起きるでしょう?」


「それは、可愛い弟達に起こされて起きないわけがないでしょう?」


「そういう事です。」


私は成る程と頷きながら煌を先に起こすことにした。

コンコンと煌の部屋の扉を叩くと煌の使い魔のルカが開けてくれた。珍しく煌はまだまだ寝ているらしい。


「おはよう、煌。」


私が声を掛けると煌はゆっくりとまぶたを開いた。


「おはよう、ルカ……って姉さん?」


「ふふっ、まだ寝ぼけているの?寝ぼけていてもクールだなんて相変わらずね。」


「そんな事より何故姉さんがここにいるんですか?」


「お父様に頼まれたからよ。もう目は覚めたかしら?」


「は、はい。おはようございます。姉さん。」


「では、私は架を起こして来るわね。」


「はい。」


煌の部屋から出て架の部屋に向かうといつも通り架は寝ている。使い魔のソラルが呼びかけても中々起きないらしい。


「架、もう朝よ。」


架は眠たそうに目をこすりながら体を起こした。


「姉さん!おはようございます。」


「中々起きないと聞いていたけれど、意外とすんなり起きたわね。おはよう、架。朝食の用意は出来ているわよ。」


「では、着替えたらすぐに食堂に向かいます。」


「分かったわ。」


煌も架もすぐ起きたのでする事がなくなった私はシャルルとお茶会室でお茶をすることにした。


今はシャルルに友達として接してもらう。

私としても話し相手がいないと寂しいので、

(呼び方は美乃梨様のままだけど……)


「美乃梨様、昨日はどうでした?薫様が言うにはデートだったそうですが?」


ニヤニヤとした笑みでシャルルは聞いてくる。


「な、何もありませんよ?普通に楽しかったです。」


「あれ?美乃梨様、少し声が上ずってませんか?」


「気のせいですよ。……ドキドキしたなんてシャルルに言えるわけがない」


「美乃梨様、ドキドキしたって本当ですか!」


「なんで聞こえるのよ。シャルル。」


「私、使い魔ですので、読唇術は心得てます。」


「何その特技!?」


「で、美乃梨様、何があったんですか?」


興味津々の目でシャルルに問い詰められた。


「まさか、3人のうちの誰かを好きになったり、」


「違うわよ。デートなんてした事が無かったから手を繋いだりするときに緊張してしまって、」


「それは意識してるという事ですか?」


「違うって言ったわよね!あんまり男の子に慣れていなかっただけよ。」


「そうですか。残念です。」


とシャルルはカップを手に取りお茶を飲み干した。



7時半を過ぎ、そろそろ3人が来る。

最近新しく決めたルール。

送迎車が4台も校門前に行くと目立ってしまうので私の家に集まって4人で1台の車で送ってもらうことにした。


「おはよう、美乃梨ちゃん。今日はハーフアップなんだ、凄く似合ってるよ!」


1番に来たのは景くんだった。


「ありがとう!これはシャルルがしてくれたんだ!」


「そっか、僕も今度ヘアセットをルークに頼んでみるよ。」


そして次は何故か千秋くんと真央くんが一緒に来た。


「どうして2人一緒なの?」


「それはね、僕の家から美乃梨の家に向かう途中ち千秋の家の前を通るから今日の朝、電話で一緒に行こうって誘ったんだ。」


「へえ〜そうなんだ。っていうか2人とも番号交換してるんだ。」


「美乃梨と景も交換する?」


「是非!私友達と番号交換するの憧れてたんだよね。」


「うん、僕も皆と交換したい。千秋もいい?」


「ああ、別にいいよ。」


私たちはそれぞれスマホの番号とメッセージアプリの友だち登録をした。


「メッセージアプリの方はグループを作っとくね。招待しとくから皆入ってきてね。」


「凄い、真央くん。そんな事もできるんだね。」


「まあ、遠隔通信は魔法でも出来ない事は無いけどスマホの方が何かと便利だからね。」


「じゃあ、そろそろ学校に行こうか。」


「うん!」


お父様がお見送りに来てくださった。


「お見送り、ありがとうございますお父様。では行ってきます。」


「いってらっしゃい。美乃梨。景くん、千秋くん、真央くん、美乃梨をよろしく頼む。4人とも気をつけてな。」





車で20分程で学校が見えた。

校門に着き私たちは運転手さんにお礼を言い、車から降りた。


今日もやっぱりファンクラブの人たちが集まっていた。

でもこれももう慣れてしまった。


「恋咲さんー!今日の髪型素敵です!」

「有栖川くん、今日も王子様!」

「神崎先輩、カッコいい!」


千秋くんのファンの子で叫ぶ子は少なく、皆叫ばずにうちわを振っている。


私はもう慣れたので笑顔で手を振って昇降口に向かった。


昇降口で真央くんと景くんと別れ、千秋くんと一緒に教室に向かった。


「おはよう!みのりん!九条くん!」


「おはよう、ユーリちゃん。」


「おはよ、秋月さん。」


「え!九条くん私の名前知ってたんだ……!」


「別に、クラス全員の名前は一応転入した時に覚えておいただけだ。」


「千秋くん凄い!私なんてやっと全員覚えたのに。」


「みのりんも十分凄いよ!うちのクラスみのりんと九条くんを入れて40人だよ?」


「私なんて全員覚えるのに2ヶ月くらいかかったよ。」


そんな事を話してるうちにレイラちゃんもやって来た。


「おっはよ〜!みのりん、九条。」


「おはよう、姫野さん。」


「おはよう、レイラちゃん。」


「九条、別に呼び捨てでいいよ。私だって呼び捨てだし!」


「そうか、分かった。姫野」


そしてホームルームの2分前に雅美ちゃんと凪くんが一緒に来た。


「おはよう、凪くん。ギリギリだったね。」


「おはよっ、美乃梨。ほんと朝からバタバタで大変だったよ。」


「そうか、凪の家は兄弟が多いんだったな。」


凪くんと話していると雅美ちゃんがやって来て


「聞いてよみのりん、凪ってば忙しいからってお弁当忘れてたんだよ。」


と言った。


「そうなんだ。って何で雅美ちゃんがそんな事知ってるの!?」


「あ〜、言い忘れてたね。私と凪は従兄弟で幼馴染なんだよね、両親同士の仲がいいから同じ家に住んでるんだよ。」


「そうなんだ。賑やかで楽しそうだね。」


「確かに賑やかだけどうるさいよ。」


予鈴がなったので雅美ちゃんは席に着いた。

チャイムが鳴り三日月先生が入って来た。


「えー、今日のホームルームは体育祭の準備に向けてです。体育委員の柄灯と姫野に前に出て話を進めてもらうので皆、しっかり聞くように。」


「皆さん、知っての通り体育祭まで後1ヶ月です。」


私と千秋くんは初耳で少し困惑したが、他の人たちは頷きながら聞いている。


「今日はその体育祭の競技決めをします。

種目は、男女混合リレー、色別対抗リレー、借り人競争、二人三脚、チャンバラ合戦、計算競争、謎解き競争の全7種目です。」


凪くんが話し終わるとレイラちゃんが話し始めた。


「最低でも1人1種目は出てくださいね。ではまず男女混合リレーから決めていきます。立候補以外にも推薦でもいいですよ。」


と言い終わると、ユーリちゃんが


「私、立候補します。あとみのりんと九条くんを推薦したいです。」


「OK!じゃあ、ユリは決定ね!みのりんと九条の推薦に異議がある人いるー?」


「「「異議なーし」」」


「じゃあ肝心の本人達ね!みのりんと九条はどう?やってくれる?」


「俺は別にどっちでもいい、」


「じゃあ九条、決定ね!みのりんは?」


「私、そんなに速くないと思うけどそれでいいなら。」


「ありがとう!みのりん!」


そうレイラちゃんが言った裏でクラスの皆が

(((恋咲さんで遅いなら私たちは何!?)))

と思っているのには気付かなかった。


「男女混合リレーには私も立候補します。」


とレイラちゃんがいい女子は決定だ。


「じゃあ後は男子だけど、柄灯、出ない?」


「別にいいよ!」


「じゃあ後1人だね。立候補は無いみたいだけど……推薦は?」


すると千秋くんが手を挙げた。


「九条、誰かいるの?」


「ああ、松岡、リレー出ないか?」


松岡くん、松岡爽夜(そうや)というのはバスケ部に所属していて背が高いスポーツマンの男の子。


「え?まあ、別にいいよ。」


「じゃあ決定ね。次は色別対抗リレーね。色分けは1組、2組、3組が赤組で、4組、5組、6組が白だよ。

他学年も一緒に走る事ができるから結構人気だそうです。」


「私、出たいです!」


「えっ、みのりんリレー2つも出てくれるの!?ありがとう!じゃあ決定ね。色別対抗リレーは男女問わず各クラス計2名だけど他に出たい人は?」


すると立候補者が意外と多くて驚いた。


「レイラちゃん、こんなに立候補が多いなら私抜けたほうがいい?」


と聞くとレイラちゃんは「これはみのりんが立候補したからだよ。だから抜けちゃダメ。」と言ってきたのでもう1人が決まるのを待った。


ちなみに決まった人は笹木(とおる)くんだ。

笹木くんは松岡くんと同じくバスケ部の男の子だ。


「よろしくね、笹木くん!」


「こちらこそよろしく!恋咲さん。」


そうして他の競技も順調に決まっていった。

私はリレー以外に借り人競争にも出ることになった。

千秋くんは計算競争とチャンバラ合戦に出ることに決まった。





そして4時限目が終わり昼休みだ。

今日も屋上で食べるのでササッと準備を終えて千秋くんと屋上に向かった。


「千秋くん、いつの間に松岡くんと仲良くなったの?」


「前の合同練習のとき、試合しただろ?あのとき同じチームで少しだけ話した。」


「そうなんだ。松岡くん、フレンドリーな感じだからね。」


今日のお昼はキッシュだ。真央くんと景くんも揃ったので食べようとしたとき、


「ちょっと待て、」


といい千秋くんが魔法で温めてくれた。


「ありがとう千秋くん。」


「冷めてたのに熱々だ。さらに美味しそう!」


「火傷しないようにな」


「千秋、お父さんみたい」


と景くんがからかうと千秋くんは「誰がお父さんだ」と言った。


「そうだ、皆体育祭の競技決めた?」


「私たちは決めたよ。」


「僕も決めたよ。」


「どれに出るの?僕は色別と借り人と計算競争だよ。」


「そうなんだ。私も色別には出るから真央くんとも一緒の競技に出れるね。他には借り人と男女混合リレーに出るよ。」


「俺は、男女混合とチャンバラと計算だ。」


「僕は二人三脚と男女混合と色別に出るよ。僕だけ違う組だから少し寂しいけど負けないよ。」


「私も、負けない!」


「というか、今更この学校イベント多くないか?」


「あ、それ僕も思った。」


そして昼休みの終わりまで後15分なのでそろそろ片付けに入る。


「明日から競技別で放課後の練習もあるんだけど帰り何時に待ち合わせにする?」


と私が聞くと


「最終下校の6時半でいいんじゃない。」


と真央くんが言った。


「俺もそれでいい。」


「僕も。場所は昇降口でいいよね?」


「うん」


そして教室に戻ると凪くんと雅美ちゃんが私の席の前で言い合いをしていた。


「どうしたの?2人とも、」


と私が聞くと雅美ちゃんが


「凪ってばお弁当のトマトを残すの!」


私は言い合いの内容が大した事がなく

少しホッとした。


「凪くん、トマト嫌いなの?」


「うん、実はね。でも雅美が勿体無いから食べろって言うんだ。そんな事を言うなら雅美が食べればいいのにさ、」


「私だってトマト好きじゃないもん。でも頑張って食べたんだから凪も食べなさいよ!」


「そんな事言われたって嫌いなものは嫌いだし、」


「じゃあ、私が食べようか?」


「えっ!みのりん、トマトなんて美味しくないでしょ?凪のためなんかに無理しないで、」


「ううん、私トマト好きなんだ!美味しいよ!凪くんがいらないなら貰ってもいい?」


「もちろんだよ美乃梨!ありがとう!

はい、あーん!」


「うん!美味しいよ!何で2人ともトマト嫌いなの?」


「「だって、美味しくないし」」


「そんな事ないよ!ねえ、千秋くん。」


「俺は別に嫌いでもないし好きでもない。

まあ、美味しくない、とは思わないけど、」


「でもまあ、2人ともこれで言い合いはお終いね!」


「うん。ごめん、凪。強く言い過ぎた。」


「ううん。こっちこそごめん。雅美」


そして昼休みが終わり5限目は国語だった。

勉強は比較的得意な方なので当てられても無事答えれた。6限目は理科で実験だった。


そして終礼が終わり私と千秋くんは三日月先生に呼ばれた。職員室に着くと真央くんと景くんもいた。

何だろう?と思いながらも席を外した三日月先生が戻ってくるのを待つ。


「君たち4人に言い忘れていたことがあってね。実はこの学校は必ず部活動に所属しなければいけないという規則があってね。これから渡す入部届けを1ヶ月後には出して欲しい。急だけどごめんね。体験入部は明日からできるように手配しておくから。」


「「「「分かりました。」」」」


そして私たちは昇降口に向かい迎えに来ていた車に乗り込んだ。


「部活か、明日皆で見学に行ってみようよ。」


「うん、いいよ!私まだ特に入りたい部活もないしね!」


「俺も、特に決めてないから一緒に回りながら考えることにする。」


「僕も、今の時期から入るには運動部は遠慮しときたいな、」


「あ、本堂さん、私たち明日から体育祭の練習で帰りが遅くなるので迎えの時間を6時半にしてもらってもいいですか?」


私は運転手である本堂さんに報告した。

本堂さんの本堂家は代々恋咲家に仕えている一家だそうで本堂さんは私の産まれた頃から恋咲家の運転手をして下さっているそうだ。


「承知致しました。美乃梨様、旦那様には私から話しておきましょうか?」


「いえ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます。」


家は近い順なので真央くん、千秋くん、景くんの順だ。


「じゃあね、皆、また明日。」


と言い真央くんは家の門を開けて入っていった。

そして千秋くん、景くんと送り終え私の家に着いた。

本堂さんは家に着くといつも車の扉を開けてくれる。


「今日もありがとうございました。お疲れ様です。」


と言うと本堂さんはいつもこれは仕事だからと言う。でも今日は違った。


「ありがとうございます。先日美乃梨様に頂いたプレゼントは大切に使わせて頂いております。」


そういえば昨日遊園地に行く前にいつも送迎してくれる本堂さんにプレゼントをした。白い手袋だ。


「気に入って貰えたなら何よりです。これからもよろしくお願いします。」


「はい。これからも責任を持って送迎致します。」


そして私は家に入った。

架がお出迎えに来てくれていた。

本堂さんは執事っぽい感じで眼鏡をかけた40代後半くらいのおじ様です。

皆さんは体育祭での思い出などはありますか?

次回もぜひお楽しみにしててください。

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