表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様は1人じゃないっ!  作者: 華咲果恋
本編2年生
103/123

番外編 2人の出会い

「景、僕もう疲れたよ。」


「まだ練習始めたばかりだよ。芽依人、これは基礎中の基礎なんだから出来るようにならないと。」


杏奈さんにお願いされたように私達は芽依人くんと一緒に魔法の練習をしている。今は景くんが水魔法の基礎練習である、魔力を水に変化させる練習を教えている。


「魔力を水にするって難しすぎるよ!やっと魔力の認識が出来るようになったばかりなのに……」


芽依人くんは今まであまりちゃんと魔力を動かしていなかった為、自身の中にある魔力という存在を認識出来ていなかった。その為、最初は自分の魔力の認識の練習から始めていた。


「芽依人はどんな水ならイメージしやすい?」


「ナイアガラ・フォールズ」


景くんの質問に対し、芽依人くんは即答した。

芽依人くんの答えに景くんは焦ったように返した。


「待って、待って!ナイアガラの滝なんてイメージしながら水魔法を使ったら、この練習場浸水しちゃうから!それに、魔力の消費量も多すぎる!」


「そうなんだ?じゃあ、景はどんな水をイメージしてるの?」


「僕は小川をイメージしてるよ。やっぱり流水の方が魔力の流れとイメージが一致しやすいからね。小川のイメージが難しいなら蛇口を捻って流れてくる水のイメージでも良いかも。」


景くんの分かりやすいアドバイスには芽依人くんだけで無く、少し離れて見ている千秋や真央くん、私も思わず感心した。


「ああ!何となく分かったよ!」


芽依人くんはコツを掴んできたようで、数十分後には水魔法を操れるようになっていた。


「じゃあ、今日はここまで。明日は千秋が火魔法を教えてくれるから。」


「うん!ありがとう、景!」


そして練習場を後にして、倉津木家の邸宅へと移動した。中に入ると、茉乃凛伯母様と琥珀伯父様と凛哉伯父様と一緒にもう1人、待っていた。


「美乃梨、久しぶりだね。」


「お祖父様!お久しぶりです!」


茉乃凛伯母様と凛哉伯父様とお母様の父親である、倉津木(くらつき)凛太朗(りんたろう)。普段は政府の要人として表で忙しくしており、最近は中々会う事が出来ていなかった。


「相変わらず、両親に似ているね。煌達は元気にしているかい?残念だけど、今日は書類を取りに来ただけですぐに仕事に戻らねばならないんだ。美乃梨の方から、煌達にはよろしく伝えといて欲しい。」


はっきりとした性格の伯母様達とは違い、凛太朗お祖父様は穏やかな性格をしている。


「はい!煌達は元気ですよ。お祖父様も無理をなさらないで下さいね?」


「ああ。一つ言い忘れていた。」


お祖父様はそう言うと、景くんと千秋と真央くんを手招きして呼んだ。


「美乃梨の事を支えてくれてありがとう。これからも、美乃梨と仲良くしてやって欲しい。」


「はい、勿論です。」


「どちらかと言えば、僕の方が仲良くして貰っていますし。」


「美乃梨にはいつもお世話になってます。」


「そうか。美乃梨、良い人たちに恵まれたね。」


お祖父様は穏やかに微笑み、挨拶をするとすぐに部屋を出て行ってしまった。


「皆んな、今日は家で夕飯を食べていくのか?」


琥珀伯父様がそう聞いて来た。


「いえ、俺は家で食べます。伝えていませんので準備してくれていると思いますし。」


「僕も家で食べます。」


「僕も伝えていませんので。」


千秋達3人はそう断った。


「そうか。ではまた今度の機会に。美乃梨は食べてから帰るのだったな?」


「はい。」


「では僕達はお先に失礼します。」


真央くんがそう言い、3人は帰って行った。


「芽依人、食事の用意が整うまで美乃梨に勉強を教えてもらって来なさい。」


「茉乃凛さん!酷いですよ!僕は勉強苦手なのに!」


伯母様の提案に、芽依人くんは反論した。


「杏奈から聞いているわよ?彼女が居るのでしょう?なら、勉強が出来てかっこいい、と思われたくないのかしら?」


「勉強出来るとかっこいいですか?」


「ええ、努力している人はかっこいいと思うわ。ねえ、凛哉?」


「そうですね。」


凛哉伯父様は少し横を見た後、同調した。


「どうしてそこで私に聞いてくれないのだ?」


琥珀伯父様が寂しそうな顔をしてそう言った。


「別にどちらに聞いても同じでしょう?」


茉乃凛伯母様はなんて事ないように答えた。


「そうか……」


しょんぼりとした様子の琥珀伯父様に、凛哉伯父様が気まずそうな顔をした。


「美乃梨、この人の事は気にしなくても良いから芽依人に勉強教えて来てあげなさい。」


伯母様は琥珀伯父様の方は一切見ずにそう言った。


「はい、では失礼します。」


部屋を出ると芽依人くんが聞いて来た。


「茉乃凛さんと琥珀さんって仲悪い?」


「そんな事はない筈なんだけど……茉乃凛伯母様は少し私に似ているから。」


「美乃梨に似ている?」


「ええ、多分だけど寂しかったんじゃないかしら?琥珀伯父様、連絡はあまり小まめじゃないから今回帰って来る時の電話が5年ぶりの会話だったみたい。」


「えっ!5年も話してなかったの!?」


「そうみたい。忙しいのもあったと思うけど、流石に連絡が少なすぎるわよね。」


芽依人くんは私の意見に勢いよく頷いた。


「うん!だって、僕とレイラは殆ど毎日メールか電話してるからね!ただでさえ、遠くに居るのにレイラと話せないなんて耐えられなかったからね!」


「茉乃凛伯母様は寂しかった事を琥珀伯父様に気付いてもらいたいんじゃないかしら。」


私の言葉に、芽依人くんも同調した。



―30年前―

「薫、今日も紫乃凛に会いに行くんだろう?」


「うん!」


まだ4歳の可愛い従兄弟は好きな子に会う為、当主と当主夫人に泣きついたそうだ。

我が恋咲家は代々愛情の強い者ばかりが揃っていると父から聞いた時は驚く程すんなりと納得出来た。


「今日は私も着いて行くよ。本堂(京駕)さん1人じゃ大変だろうし。」


する事がなく、本当にただの気まぐれで薫に付き合った。


「ありがとう、こはく兄さん!あれ、たくみ兄さんは?」


「匠はどうせまた、木野家の子にアプローチしに行ってるんだろ。」


「あぷろーち?」


「好きな子に好きになってもらえるように頑張ることだ。」


「わたしも()()()にアプローチする!」


4歳とは思えないこの従兄弟はどうやら倉津木家当主の孫に骨抜きにされているようだ。


倉津木家には数度訪れた事があるが、知り合いはあまり居ない。精々、顔見知り程度だ。この機に同年代の知人を増やしておくのも良いな。そう思いながら、本堂さんと薫と共に紫乃凛の居る部屋へと向かった。


「しのりー!いっしょにあそぼう!」


扉を開けると、薫は勢いよく仲へと入って行った。

部屋の中で待っていた紫乃凛は私くらいの年頃の女の子に抱えられていた。


「かおる、おはよう。きょうは、なにをしてあそぶの?」


「しのりのすきなことであそぼう!」


「おねえさま、かおるとあそんできますからおろしてください。」


「ええ。楽しんでいらっしゃい。」


「おねえさま」と呼ばれた事からその女の子は紫乃凛の姉の倉津木茉乃凛という事が分かった。


「こうしてちゃんとお会いするのは初めてましてよね?倉津木茉乃凛です。どうぞよろしく。」


「恋咲、琥珀です。よろしくお願いします。」


優しく微笑んだ彼女に、私は目を奪われてしまった。


「どうかしたの?」


「い、いえ。茉乃凛さんはお忙しいんじゃと思いまして。」


「ああ、跡継ぎ争いの事?」


「はい。」


倉津木家では現在跡継ぎ争いが起こっている。

候補として、茉乃凛さん、茉乃凛さんの弟である凛哉さん、お2人の従兄弟である柊さんが居る。


「そうね、確かに忙しいけれど、妹と過ごす時間も大切にしたいから、こうして時間が空いた時にはよく抱っこさせて貰いに来ているの。琥珀、さんはどうしてこちらに?」


「ただの気まぐれでしたが、来て良かったです。」


「あら、どうして?」


「茉乃凛さんに、お会いできましたから。」


「素直ね。真っ直ぐ純粋な子は嫌いじゃないわ。」


少し揶揄うような笑顔にもまた目を奪われてしまう。


「私は、茉乃凛さんを応援しています。」


「そう。ありがとう。お祖父様に跡継ぎに選んで貰えるよう努力するわ。」


茉乃凛さんが部屋を出て行くと私は1人、その場に立ち尽くした。


家に帰ると、早速匠に今日の事を話した。


「匠!倉津木茉乃凛さんに会ったことあるか!?」


「お正月の集まりで見かけた事くらいはあるけど……いきなりどうしたの?」


「今日、薫に着いて倉津木家に行ってきたんだけど、その時に茉乃凛さんも居て……とても綺麗な人だったよ。一つ一つの動作が絵画のようで、ひと言喋るだけで目を奪われてしまうくらいに。」


「へえ〜、そうなんだ。」


匠は興味なさそうにそう言った。


「本当に美しい人だったんだ。」


「別に琥珀を疑っているわけじゃないよ。ただ、僕にとっては光希(みつき)がそういう存在だから。」


「そういう存在って?」


私がそう聞くと、匠は驚いたように言った。


「もしかして無自覚だったの!?琥珀は茉乃凛さんに一目惚れしたんでしょ?」


「一目惚れ?……そう、なのか?」


「絶対そうだよ!僕、琥珀の事応援するよ。」


匠は嬉しそうに笑った。


そんな話をしてから一ヶ月が経った。

突然倉津木家から召集がかかった。

何の話か大人達は理解していたようだ。

無論、私も少しは分かっていた。


ただ、私にとって、嬉しい報告かどうかは分からない。


「皆、唐突に集めてすまない。集まって頂き感謝する。」


倉津木家のホールに集まると早々に、倉津木家当主が厳しい雰囲気を醸し出しながら話し始めた。


「皆も知っての通り、我が倉津木家では跡取りが決まっていなかった。今日集まって頂いたのはそれに関する話があるからだ。察しの良い者は気付いているだろう。我が倉津木家を継ぐ者が決まった。」


やはり、跡取りが決まったという報告だった。

五家の中で倉津木家は唯一当主の娘、息子では無く、孫が代々跡取りとなっている。一世代空いている為、跡取りの発表は毎度、大きな注目となるそうだ。


「我が倉津木家の跡取りは、倉津木茉乃凛に決定した。茉乃凛、前へ。」


「はい。皆様、本日はお集まり頂き、誠にありがとうございます。この度、跡取りとなりました、倉津木茉乃凛です。お祖父様が纏めて下さっていたこの倉津木家を任されるという重圧は計り知れません。ですが、より良い

倉津木家に出来るよう、精一杯尽力致しますので、どうぞよろしくお願いします。」


茉乃凛さんのスピーチが終わり、拍手に包まれると同時に、茉乃凛さんの婚約者候補について言及された。跡取りには必ず3〜5人の婚約者候補が出来る。跡取りはその中から将来の結婚相手を見つけることになる。


「父上、私を茉乃凛さんの婚約者候補として推薦して頂けませんか?」


私は隣に立っている父上に尋ねた。

父上は首を横に振り、答えた。


「私は当主でない為推薦出来ない。推薦できるのは五家の当主だけだ。茅紘に言いなさい。」


そう微笑んだ父上に断りを入れ、すぐに叔父上の元へと向かった。


「叔父上!」


「琥珀、どうしたんだ?」


「私を、茉乃凛さんの婚約者に推薦して頂けませんか?」


「良いが、どうした?」


叔父上は少し悪戯っぽく聞いて来た。


「茉乃凛さんに一目惚れしてしまいまして、私は、彼女を支えられる存在になりたいのです。」


「そうか。では、すぐにでも倉津木家当主に推薦しておく。」


「ありがとうございます!」


そして一週間後、倉津木家当主に呼ばれた。


「其方が茅聡(ちさと)の息子か。自ら茉乃凛の婚約者に志願したそうだな。茉乃凛に紹介する前に他の候補者とも挨拶をしておいで。」


機能の厳かな雰囲気とは違い、 優しい祖父の顔をしていた。


婚約者候補は私以外に3人集められていた。


「初めまして。神崎家前当主の孫、神崎(かんざき)灯紀(とうき)です。今年で15歳になります。」


「九条家当主の長男、九条(くじょう)千誠(ちせい)です。今年で14になります。」


「有栖川家前当主の孫、有栖川(ありすがわ)唯斗(ゆいと)と申します。15歳です。」


順番に挨拶をして行き、とうとう私の番が来た。


「恋咲家前当主の孫、恋咲(こいさき)琥珀(こはく)です。今年で13歳になります。」


候補者同士の挨拶が終わると、倉津木家当主に呼ばれ、茉乃凛さんに自己紹介をして行った。


「まあ、初めはお茶でもして親睦を深めなさい。」


当主にそう言われ、茉乃凛さんはお茶会室へと案内して下さった。


「婚約者候補と言うのだから、敬語は無しにしましょう。特に、琥珀。私達が年上だからって敬語は使わなくても良いわ。」


茉乃凛さんがティーカップを持ちながらそう言った。


「はい、あ、分かった。」


「灯紀、千誠、唯斗、琥珀。これからよろしく。」


茉乃凛の婚約者候補として過ごした期間はとても楽しかった。他の候補者とも仲良くなって行き、茉乃凛が婚約者を選ぶまで三ヶ月を切った頃……


「千誠と琥珀は茉乃凛に告白するの?」


候補者だけでのお茶会で、突然そう口にしたのは唯斗だった。


「私は告白しようと考えているが、千誠は?」


私は千誠の方を見た。


「私は正直まだ、自分の気持ちが分からない。茉乃凛と居るのは楽しいし落ち着く。けれど、唯斗達に対する感情と、然程違いが分からない。唯斗と灯紀はどうなんだ?」


千誠は2人の方を見て言った。


「僕は茉乃凛以外に好きな人が出来てしまったから。この事は勿論茉乃凛にも倉津木家当主にも話して了承して貰っているよ。」


「右に同じ。僕も灯紀も茉乃凛と倉津木家当主には話を通してある。後は候補から外されるのを待つだけだよ。だから茉乃凛の婚約者候補は実質2人だけ。まあ、茉乃凛の気持ち次第って所かな。」


唯斗は興味深そうに頷いた。


あのお茶会から数日後、私は茉乃凛へ告白した。


「私は初めて会った時から貴方に惹かれていた。私を婚約者に選んで欲しい。」


「そう、ありがとう。返事は婚約者発表の前日までにはするわ。」


一世一代の告白の場でも、茉乃凛はやはりいつも通りだった。私は告白に失敗したのか?そんな疑問が次々と生まれてくる。後に、千誠から茉乃凛への感情は恋愛感情ではないと聞き、どれだけ安心したことか。


そして婚約者発表一週間前。

茉乃凛が婚約者候補全員を集めた。


「皆、一年半と短い期間だったけど本当にありがとう。とても楽しかったわ。灯紀、唯斗、千誠。こらからは良い友達としてよろしくね。」


「こちらこそよろしく。」


「愚痴も少しくらいなら聞いてあげる。」


「また変な似顔絵書いてくれよ?」


「変って、失礼ね。」


茉乃凛と3人の言い合いを私はぼうっと眺めることしか出来なかった。


「そして、琥珀。これからは婚約者としてよろしく。」


どうやらここは夢らしい。

あの茉乃凛が顔を真っ赤に染め上げて言っている。

言葉だけだといつも通りの茉乃凛が、私の目には今まで見た事が無い茉乃凛が写っている。


「返事はくれないの?」


「……こ、ちらこそ、よろしくお願いします。」



―琥珀目線―

食事の用意が出来、美乃梨と芽依人を呼び皆で夕食を食べた。2人が帰った後、私と茉乃凛と凛哉で少し飲む事になった。


「こうして一緒に飲むのは本当に久しぶりですね。」


「ええ。」


凛哉の言葉に茉乃凛が頷く。


義兄上(あにうえ)、仕事の方はどうでした?」


「あまり順調とは言えなかったが、なんとか片付けて来た。」


私の仕事は表向きはITコンサルタントだが、魔法使いの治安維持会の第一部隊隊長としての仕事の方が、圧倒的に量が多い。五家しかない日本と違い、海外には魔法使いの家系が多い。その為、争いが頻発し、治安が良く無い所も五万とある。その為、今から約200年前、治安維持会が発足した。


「中々大変そうですね。」


「ああ。だがやり甲斐もある。こうして平和に暮らせる事がどれだけ幸せか、実感する事が出来るからな。」


「そうですね。」


それから少し話し、凛哉は先に部屋に帰った。


「琥珀。」


突然名前を呼ばれ、隣に座る茉乃凛を見た。


「なんだ?」


「何故、この5年間まともに連絡を寄越さなかったの?」


「何故と言われても、特に理由は無い。態々話すような面白い出来事が無かったから、」


「私は、つまらない話でも電話で話して欲しかったわ。何度も心配したし、貴方から帰るという連絡が来た時はどれだけ安堵したことか。」


よく見ると茉乃凛は涙目になっていた。


「茉乃凛、心配しなくとも私は茉乃凛以外の者を愛したりはしない」


「そういう心配じゃ無いわよ!貴方の身を心配していたのよ。」


「そうか。それは悪かったな。私はどうもこまめな連絡が苦手なんだ。」


「そんなの知ってるわ。それでも……っ、ごめんなさい。心配したというのは本当だけど私が本当に貴方に伝えたかったのは……」


茉乃凛はグラスの中のワインを飲み干した。


「寂しかったの。八つ当たりしてごめんなさい。」


情けない、と笑う茉乃凛はこの世で最も愛しい存在だと改めて認識することが出来た。私はそっと茉乃凛の手を取った。


「茉乃凛の気持ちに気付いてやれなくてすまなかった。私も茉乃凛に会え無くて寂しかった。だが、離れていても次、茉乃凛に会う事を楽しみにどれだけ大変な仕事でも頑張れたんだ。第一、寂しいと言う割に、電話での態度は素っ気なくなかったか?」


「私はその事の方が寂しかったぞ!」と言うと茉乃凛はキョトンとした顔で言った。


「それはいつも通りでしょう?」


「酒無しでも甘えて来てくれて良いんだがな。」


「甘えてなんて、無いわよ。」


そう言いながら私の手をぎゅっと握りしめる妻が可愛すぎてにやけてしまう。こんな情けない表情を見せるわけにはいかない為、私の顔が見えないよう抱きしめた。


世界で一番愛しい我が妻は世界で一番私を愛してくれている。その夢は現実になり、想像以上の幸せを今、噛み締めている。

倉津木家跡継ぎ争い

茉乃凛 13〜14歳 

14歳の年に跡継ぎに決まり、その年の冬に婚約者候補が4人出来る。


柊   10〜11歳 

11歳で跡継ぎ争いに敗れ、13歳で婚約者と出会い、20歳で結婚する。子供は海外留学中。


凛哉  11〜12歳 

12歳で跡継ぎ争いに敗れ、13歳で婚約者が出来るが、婚約期間中に相手が病気で亡くなり、今も一途に思い続けている。


3人とも跡継ぎになりたいという意思は少なからずあったが、当人達よりも周りの争いが中心だった。


木野光希(みつき)

聡の母。木野家の首長の娘で恋咲家本家とも関わりが深く、匠からアプローチを受けて両想いになる。光希と結婚する為、匠は跡取りを辞退した。


次回もお楽しみに!

ブックマーク、↓☆マークもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ