レクリエーションを楽しもう!
レクリエーションが始まった。
レクリエーションはグラウンドでは
迷路、クイズラリー、
体育館では飛び入りカラオケ大会、VRゲーム体験
の計4つだ。
どこから回るかは自由だが人気なものには人数制限がある。
レイラちゃんと雅美ちゃんは初めに迷路に行くそうだ。
ユーリちゃんはクイズラリーに行くと言っていた。
私は景くん、千秋くん、真央くん、凪くんと体育館の方に向かう事にした。
「真央くん、景くん、こちらは私と千秋くんのクラスメイトの凪くんだよ。」
「初めまして。柄灯凪です。神崎先輩、有栖川くんよろしくお願いします。」
「神崎真央です。下の名前でいいからね。よろしく、凪でいいかな?」
「はい、よろしくお願いします。真央先輩」
「有栖川景です。僕も下の名前で呼んで下さい。僕も凪って呼んでもいいかな?」
「もちろん!よろしくな、景」
ひとまず自己紹介が終わり体育館に着いた。
VRゲームは開発会社から試験運転として新しいソフトを借りているらしく予想通り混んでいた。
なので私たちはカラオケ大会の方に行くことにした。
皆の前で歌っているだけあって参加者全員が上手い。
「美乃梨、出てみたら?」
急に真央くんがそんな事を言い出すので戸惑ってしまう。
「な、何!?急に、」
「確かに美乃梨ちゃん、声キレイだからね、」
「景くんまで!」
「美乃梨、応援してるよ!!」
「何で私、出る前提なの!?」
「頑張れ、美乃梨」
「絶対皆、面白いがっているわよね。分かったわよ、でも私が出るなら全員強制参加ね!」
私がそういうと皆引き攣った顔をする。
そうと決まれば、と私は皆の分もエントリーする。
エントリー順は、私、凪くん、千秋くん、真央くん、景くんの順に決まった。
私の前の人が歌い終わりいよいよ私の順番だ。
レイラちゃんと雅美ちゃんは迷路が終わったらしく駆けつけてくれた。
「エントリーNo.8、恋咲美乃梨さん!」
司会者の人に呼ばれ私は舞台へ上がる。
「恋咲美乃梨です。精一杯頑張ります。」
私の選んだ歌は多分ここにいる全員が知ってるんじゃないかなと思うくらい有名なアーティストの歌だ。
好きな歌なので今まで何回も歌ったことがある。
歌い終わり、点数の発表だ。
「恋咲さんの点数は―――99.6点!
凄い!今日の最高点の更新だ!」
即座に大歓声が上がった。
私は久しぶりに歌ったけどいい点が取れて凄く嬉しかった。
ペコッとお辞儀だけして舞台袖に入った。
舞台袖に行くとスタンバイしてた4人が口々に褒めてくれた。
「凄く上手かったよ、美乃梨!」
「うん、感動で涙が出るかと思った。」
「まさか美乃梨ちゃんがあんなに歌が得意なんて驚いた。」
「俺もまさかあそこまで上手いとは思ってなかった。」
「皆、ありがとう!私4人の事応援して待ってるね!」
「ありがとう。でも僕、美乃梨の後に歌うの嫌だな〜」
「大丈夫だ、凪ならきっと。」
「ありがとう、千秋。じゃ、そろそろ行くね。」
凪くんが呼ばれステージに上がった。
凪くんの歌った歌は去年大ヒットした映画の主演歌だ。
凪くんの柔らかい声が響く。
点数は98.0点だった。
千秋くんの歌った歌は少し古いけど落ち着いた感じの素敵な歌で、千秋くんのイメージにピッタリだなと思った。
点数は99.2点だった。
真央くんは最近有名なシンガーソングライターのデビュー曲を歌った。音程の高低差が激しく難易度が高い歌だったのに、点数は98.6点だった。
景くんはステージに上がるときは少し緊張してたけど、歌い始めたら緊張が解けたみたい。伸びのある歌声でドイツ語の曲を歌っていた。点数は98.2点だった。
「皆、流石だね。凄くキレイな歌声だったよ」
「ありがとう。でも美乃梨の方が上手かったけどな。」
「そうだね、美乃梨は今日の最高点を出したんだし、」
「僕も。美乃梨ちゃんが一番上手かったと思う。」
「俺は、あの歌には少し自信があったのに美乃梨の点に届かなかったのが少し悔しい。」
「ふふっ、千秋くんって意外と負けず嫌いなのかしら?」
というと、景くんが
「意外と、っていうか、合同練習でバスケしたとき最初は普通にしてたんだけど点を取られていくたびに表情が険しくなっていってたよ。」
「えっ、そうなの!?知らなかったよ。」
「僕も千秋は勝ち負けとか気にしないと思ってた。」
「僕は景と同じで合同練習のとき千秋って負けず嫌いなんだな、て思った。」
私たちが話していると気づいたらうちわを待っている人達が集まっていた。
「有栖川くん!こっち見て〜」
「恋咲さん、すげぇ歌上手かったです!」
「神崎先輩〜!!凄く感動しました!」
千秋くんのうちわを持った人達は体育館の2階から小さく手を振っている。
「凪も凄かったよ。」
「柄灯って意外に歌上手いんだね。」
と雅美ちゃんとレイラちゃんがファンクラブの人達に混ざって凪くんを褒めていた。
私たちは次はVRゲームのコーナーを回ることにした。
レイラちゃんと雅美ちゃんは引き続きカラオケコーナーを観ているらしい。
待ち時間は15分だった。
「私、VRゲームって初めて。」
「俺もだ。前テレビで観てやってみたいと思ってたんだ。」
「僕は前にした事あるよ。」
「えっ、いいな真央。僕、最近ビデオゲーム始めたばかりであんまり詳しくないんだよね。」
「僕は弟たちと良くやるよ。VRは数回しかした事ないけどね。」
「凪くんって弟いるの!?」
「うん。小6と小4と小1の弟と小5と4歳の妹がいるよ。」
「1、2、3、……6人兄弟!?じゃあ凪は長男なんだな。」
「うん、そうだよ。そういう千秋達は?」
「俺は今年、17の姉が1人」
「私は小学校5年生の三つ子の弟がいるよ。」
「僕は、9つ上の姉さんと7つ上の兄さんがいるよ。」
「真央先輩、末っ子なんですね。結構意外です。」
「一人っ子は僕だけか、」
「兄弟がいなくても景には友達がいっぱいいるじゃん。」
「そうだね、ありがとう。凪。」
そんな話してるうちに私たちの番が来た。
ゲームの内容はパーティーを組んで旅をしてラスボスを倒すというよくある内容だった。
パーティーは3〜5人で組むそうなのでちょうど5人でよかったと思った。
説明が終わり早速VRの世界に入る。
「わぁ〜凄い!本物みたい!」
「これって武器は自由に選べるらしいよ。」
「僕は長剣にするよ。」
「私は弓にしよう!」
「俺も、弓にする。」
「僕は短剣かな。」
「じゃあ僕は盾にするよ。」
武器はそれぞれ私と千秋くんは弓、景くんは長剣、凪くんは短剣、真央くんは盾だ。
いよいよクエストの始まり。
これは試験運転だから倒す敵は全部で3体。
私たちは気合を入れて歩き出した。
最初の敵はオオカミの様な見た目だった。
私が弓を引いて攻撃しようとすると、オオカミは爪をこっちに向けて襲ってきた。
私が怖くてその場から動けなくなったとき、
「美乃梨!危ないっ!
大丈夫だった?美乃梨。」
と真央くんが盾で守ってくれた。
もう見慣れたはずなのにそんな整った顔で心配されてしまうと心臓の鼓動が速くなってしまう。
「あ、ありがとう真央くん」
私は真央くんに悟られないようにお礼を言う。
そして心配そうな顔をした千秋くん達の方にも大丈夫だよ、と笑った。
「美乃梨、ああいう時は真正面からじゃなく横から狙うといいよ。」
「ありがとう凪くん。じゃあ気を取り直してもう一回狙ってみるね!」
「今度は俺も一緒に攻撃するから。」
「じゃあ千秋くん、合図するからね。
3、2、1!」
無事攻撃が成功し、1体目を倒すことができた。
2体目は大きなクマで景くんが長剣で攻撃し、凪くんがとどめをさした。
3体目、つまりラスボスだ。
ラスボスは竜で私の放つ弓は刺さらないどころか尻尾で跳ね返されてしまう。(千秋くんの攻撃は当たるのに!)
凪くんは竜の背に乗り短剣で攻撃している。
景くんは長剣で竜と真正面から対峙しているけど鱗が硬くて中々攻撃が効かないらしい。
意を決して私は景くんのいる真正面に飛び出し、十分に弓を引いた。そして私の手から離れた弓は真っ直ぐに飛び、しっかりと竜に刺さった。
その瞬間、竜は消え、VRゲームは終わった。
VRゴーグルを外し、目を開ける。
体育館のライトが少し眩くパチパチと瞬きをする。
そして係の人が話しかけてきた。
「ゲームクリア、おめでとうございます!クリアしたチームにはチームに1つ景品がございます。こちらの景品から好きな物をお1つお選びください。」
景品は、アクセサリー、ハンカチ、ぬいぐるみがあり、私は特に、桜のイヤリングが気になっていた。
『あの桜のイヤリング可愛い』
ついボソッと声に出してしまった。
すると隣にいた千秋くんに聞かれてしまったみたいで、
『あれが欲しいのか?』
と小声で聞かれた。
私はついポロッと口から出てしまったのが恥ずかしく、頷くことしか出来なかった。
「凪、真央、景、3人とも特に欲しいものは無かったんだよな。」
「うん、僕は無いよ。」
「僕も特に欲しい物はないよ。」
「うん。無いよ。」
そう3人に確認を取った千秋くんは係の人に
「これにします」といい貰った景品を私に渡してくれた。
「えっ!何で、これ……」
「欲しかったんだろ?俺たち別に特に欲しいものが無かったし、最後のラスボスは美乃梨の攻撃のおかげで倒すことができたんだしな。」
私は嬉しくてつい、目が潤んでしまう。
「ありがとう!千秋くん!一生大切にするね!」
「ふっ、一生って大袈裟だな。でもまあ、喜んで貰えたみたいで良かったよ。」
千秋くんと私がそんな話をしていると凪くんがやってきて、
「千秋が笑ってる!?」
なんて言い出した。私は何を今更、と思いながら
「最近、千秋くんよく笑ってるよ?」
と言うと凪くんは
「いや、笑うのを見るのは初めてじゃないけどこんなに表情を崩した笑顔を見るのが初めてだったから。」
と言った
「そうなんだ、私は結構何度か見たことあるよ。」
そしてその後も私たちはレクリエーションを楽しんだ。
千秋くんの破顔した所絶対ファンクラブは写真に納めているに違いなしです。
そして凪くんが実は長男で、真央くんが実は末っ子。
次回はデート編です。
お楽しみにしていてください。




