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やっぱ辞めておきます  作者: あんず
9/10

朝である。

ぐっすりと眠っていた私は、ベンさんの扉を叩く音で目が覚めた。

私はベンさんに待っててもらいながら急いで支度をする。


「お待たせしました」

私は寝間着として着ていたベンさんから借りたシャツと短パンから、昨日のリクルートスーツへと戻っていた。

そんな姿を見たベンさんは悲観そうな顔をする。

「もう何着か貸すから、その格好でないほうがいいと思うよ」

・・・ありがとうございます。

ベンさんが部屋から取ってきてくれた、同じようなシャツと短パンに着替え直した。


「うん。今日は前線での戦いがあるからね。動きやすいことが大切だよ」

「ありがとうございます」

前線で戦うのは遠慮したいが、リクルートスーツは動きづらいので大変ありがたかった。

食堂につくとクッキングメンバーがすでに調理を開始していた。


遅れたことを詫びながら、作業に加わり、私は玉ねぎのコンソメスープを作った。

完成した朝食は、パンとコンソメスープとベーコンエッグである。

これを机に一人分づつセッティングしていき朝食の準備ができた。

私は今度は自分からベンさんの隣の席へと自分のご飯を持って座った。


「食に感謝を」

ルイスさんの言葉で一斉にご飯を食べて行く。

今日もみんな満足そうに食べてくれている。


あらかた食べ終わったところで、レオンさんが立ち上がり、今日の工程の再確認を行なっていた。

私はベンさんと一緒に行動するので後半チームの戦いに混ざることとなる。

午前中は食堂で待機するとのことだった。


解散となったあと、重苦しい雰囲気のなか半数のメンバーが立ち上がり、作業開始のための準備を始めた。

私は席に座ったまま、重苦しい雰囲気に潰されそうになる。


待機組も手元に銃を用意し、入口や廊下などの様々な場所で座り込んでいる。

ベンさんが動かないため、私は食堂の席に座ったまま待機となる。

外から激しい銃声音が聞こえてくる。


ベンさんは難しそうな顔をしながら腕を組んで目を瞑っている。

私は視線をさまよわせながら、作戦の成功を祈る。

数時間の後、作戦決行組が疲弊しながらも無傷で戻ってくる。

肩を抱き合いながら喜び合う隊員達に私も安堵する。



お昼ご飯はクッキングメンバーも作戦でつかれるからと、朝ごはんと一緒に準備したスープとパンのみである。

食後は午後の作戦決行組が準備をはじめる。

ベンさんが立ち上がるので、私も一緒に立ち上がるが、ベンさんに止められる。


「ちょっとまってて」

ベンさんはそう言うと、ルイスさんの方へ向う。

しばらく話して戻ってきた。

「待機組にルイス様がいるので、ルイス様と一緒に待ってるといいよ」

「えっ?」

「さすがに作戦に参加はさせられないよ。危険だし」

申し訳ない気もするが、足でまといなだけだと自分でも分かるので有難く待機組に混ざることにする。


いつもニコイチなルイスさんとレオンさんだが、私がルイスさんのもとに行くと、私の気配を感じたのかレオンさんは側から離れていった。

「レオンは女性嫌いだから、許してやってくれ」

ルイスさんに謝られるが、そこまで気にしてはいなかった。



ルイスさんの横の席に座り、午後の作戦が終わるのを待つ。

「君の世界について教えてくれないか?」

ルイスさんは私や東さんが暮らしている世界に興味津々であった。

東さんいわく、文明などはほぼ変わらないとの事だったが、政治に関してはかなり違うらしい。

まあ、王政だしね。


食文化の違いやアニメ文化などに、大いに興味を示したルイスさんであった。

アニメ文化の体験は難しいが、食事として日本食を取り入れてくれと頼まれた。

キッチンで見た食材で作れる料理はお好み焼きぐらいだろう。

そもそも米ないし。味噌も恋しい。


そうこう話しているうちに、午後の作戦も成功でベンさん達が喜びながら戻ってくる。

シャワーのこともあるので、晩ご飯はクッキングメンバーに任せて私はシャワーを浴びに行く。

護衛にベンさんを連れて。


そこからは昨日と同じ流れだった。

ご飯を食べ、ベンさんに連れられて部屋に戻ると、幼女のような心配をされるのだ。



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