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世界を最後に暖める男

 超寒い冬の中。ある年の豆をまき終えた月。満月が暗い夜空の頂点にくる時刻。


「うおおおおおおおさみぃいいい、むちゃあさみいい」


 男はこたつに入っていた。


 赤い髪の毛を額で左右に分けて、半袖、短パン、左の親指に金の指輪をつけてその男は震えていた。どうして半袖なのか。世界が雪に閉ざされ、電気が止まるからといって、妻に逃げられ、着の身着のまま後を追ってさがしても妻と娘はみつからず、雪の中三時間も歩いて帰ってきたのだ。だが、男もただでは転ばない。今日は超大型狸巨人激辛ソバをスーパーの世界最後の大安売りで買うことができた。男にとって激辛はなによりの好物だった。


 発電所の電気はあと1時間で止まる。そして、それは世界の終わりを意味した。


「お湯お湯」


 じゃじゃじゃとやかんからお湯を注いだ。アルミ製で何年もつかっているのかところどころ凹みはあり、底の方は黒くなっていた。


「3……2……1! 時飛ばし!」


 超大型狸巨人激辛ソバにお湯を入れて、3分たった。そろそろ食べごろからかと思い、箸をとり、カップの蓋のシールをはがす。ふわっと香り高い匂いが鼻の奥を美味い美味いと刺激する。ああ、こんなに美味そうなら食べてみないとなっと男は俄然箸を突き出し、麺をずるずると口のなかに吸い込んでいく。


「うめええええええ。あああ、生き返る。嫌なこととか全部わすれようそうしよう」


 男はつぎつぎに麺をすすり、五人前をたいらげた。額から滝のように汗がながれでてたが、むしろこれでいい。すべての準備は整った。


「さて、世界救いに行きますか」


 男は立ち上がり、外へと出た。


「もう何も寒くない」


 吹雪いており、はだしで歩くこともためらわれる中、男は何も履かずに進んでいく。


 なんのために五人前食べたのか。お腹を満たすためか。否、そうだ。それは五倍体を温める効果もあるのだ。


「俺は五人前食べて、五倍あたたまった! いまなら世界を救える!」


 男は知っていた。この冬の世界の原因を。男は知っていた。妻と娘を連れ戻す方法を。男は知っていた。半袖でなければ、世界を救えないことを。


「すべてはここに!」


 電気発電所と書かれた建物だった。核融合炉が禁止され、全世界の発電を一か所にし、エコにせざるおえなかった。そして、人類は新たなエネルギーとして、人力エネルギーを選んだ。だが、それでは効率が悪い。なので、超伝導材料ですべて作った超高効率の自転車を作った。普段、暖かいときなら、ハムスター達がひたすら自転車を動かすためのエネルギーをロボットに送るのだが、残念ながら、ハムスターたちは今はこの寒さで冬眠中だ。いつもなら、暖房も動いてるが、この寒さで室内はとても寒い。そして、人間はロボットにまかせきりだったため、こんな自体は想定していなかった。


「俺が! 人類を救う!」


 そして、男は自転車をこぎだした。黒に近い金属はわずかに反射していて、フレームと車輪をつなぎ、ハンドルを握ることによって、バランスをとることができる。ギアとギアの間から火花がとびちり、電気が発電所全体に流れた。そして、停止していたロボット達が動き出し、自転車をこぎだす。大出力のエネルギーが生まれ、やがてそれは世界中へと電気が流れていく。家庭で止まっていた暖房が動き出し、世界は暖かくなった。そして、男から逃げた妻と娘も家に戻った。だが、男は家に帰ってこなかった。


 春になり、発電所に何があったのか調査しにきた人間が向かうと、自転車が一台なくなっていた。そして、その場所には超大型狸巨人激辛ソバの空の容器が置かれていた。




とあるYoutube動画みてて、閃きました…w いやあ、犯人Xは一体だれだったんでしょうねw あとは、謝罪コラボっていつ実現するのやら…w

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