その4、オークチャンプの襲来
『昭和元年、火星人大日本帝国を征服す』
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なにとぞよろしく――
「ああ、まずい……! 来た!!」
「え、何が?」
「オークだよ、オークの群れだ! それに……」
「なんですと!?」
焦る女の子たちの叫びに、私はハッとする。
すでに、もっこりパンツたちは身構えていた。
オーク……。
ファンタジーじゃお馴染みのモンスターだ。
「そんなに強い相手なの?」
「いや、そうじゃなくって、オークチャンプがいるんだ!」
と、女の子のポニーテールにしたほうが叫んだ。
そして。
奥から出てきたのは、不細工な腹を突き出した、豚みたいに不細工な怪人。
大きさはそれほどでもないけど――
軽武装をして、手に棍棒だの、石斧だのを持っている。
「まだ来ますねえ……」
1号がつぶやくと、オークを群れをかき分けるように巨大な影がぬッと出てくる。
でかい。
2メートルは軽く超えているだろうか。
腹が出ているのは同じだが、筋肉モリモリで腕が丸太みたい。
顔も恐ろしく凶悪だった。夢に見そう……。
こいつが、オークチャンプか。まさにチャンピオンだな……。
「んー。そうでもないかな?」
1号は言いながら、チャンプに歩いていく。
当然。
オークたちはギャーギャー豚みたいな声をあげ、襲ってきた。
「ふ、ほ!」
だが、1号はオークを右で左をいなし、一撃で沈めていく。
中には、まるでカンフー映画みたいに吹っ飛んでいくヤツも。
「待って、チャンプは他のオークとは違うんだ! 油断するな!」
ポニーテールが、あわてた声で叫ぶ。
「アドバイス、感謝ですねえ」
1号は微笑み、それでもチャンプへと近づいていく。
そして、チャンプは爆発音みたいな声を発し、棍棒を振るってきた。
棍棒がうなり、横薙ぎに1号へ向かってくる。
「あぶな……!」
私が悲鳴をあげそうになった後――
1号は肘で難なく棍棒を受け止めていた。
「もっと、召喚獣を信頼してほしいです、ねえ!」
1号は苦笑して、ジャブをチャンプの腹に叩きこんだ。
「ごは……!!」
途端に、腹が大きくたわんで、チャンプはつんのめる。
「っしゃ!!」
そこに、1号は身をひねってアッパーカット。
すごい音がして、チャンプはどうっと倒れる。
どうやら、死んだらしい……。
「ダメだね、基本がなってない」
1号は首を振って、そんなことを言っている。
「す、すごい、どう見ても変態だけど……」
女の子たちは1号を見つめながら、わたしと交互に見る。
まあ、確かに変質者だわな、どう見ても……。
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