その2、もっこりパンツは召喚獣?
どっかで見たような見た目変質者の最強召喚戦士もの……でしょうか?
お暇つぶしのお供に、ぜひどうぞ!
「ふいーーーー……」
ゴブリンたちを倒した後、男が息を吐いて立ち上がった。
いかにもスポーツマンという感じの肉体美。
イケメンというより、男に好かれそうな風貌。
「あ、あんた何者?」
「え。俺はあんたの召喚獣なんですけどねえ」
「は?」
しょうかん、じゅう?
つまり召喚された獣?
こいつが?
「いやいやいやいや。あんた人間じゃん。しかも日本人?」
「そんなこと言われても真実なんですけどねえ。これが」
「……」
私は沈黙する。
召喚した? でも……。
「そんなおぼえ、ないんだけど……」
「あー、そのスキルは自動発動なんですねえ。ま、いっぺん作動すれば任意でもOK?」
まさかと思いながら、イメージしつつ手を突き出す。
「えい……!」
すると、光の粒子が輝き、またもやもっこりビキニパンツの男が……。
「こんなんしか出ないのか、これ!?」
「ですねー」
いやいやいや、肯定すんじゃねーよ!!
「ま、とにかくモンスターは倒したし、素材でも集めますねー」
言いながら、男たちはゴブリンの死体に手をかざす。
すると。
ゴブリンが光に包まれ、牙とか骨、骨みたいなものが浮かび上がる。
残った肉片は、砂みたいになって崩れ落ちた。
「はい。集めましたよ」
男はどっかから出した袋に、素材を入れる。
ああ、確かモンスターの素材がお金になるって言ったなあ……。
「これ、いちいち持って回るのかあ……。大変だなあ」
「何なら、魔法空間に保存しときましょうか?」
「できるの、そんなこと?」
「簡単ですねえ」
「じゃ、お願い……」
「ういっす」
男が言うと、空中に白い穴みたいなものが浮き上がった。
そこに、袋が放り込まれる。
「じゃ、モンスター倒してレベル上げますか」
「っていうか、戦うのあんたらだから、わたしは……」
「召喚獣の経験値は全部マスターにいくんですねえ。これが」
「ホントぉ?」
「ホントですねえ!」
「じゃ、じゃあ、もうちょっと頑張ってみようかな……」
「了解ですねえ」
「ところで、あんたら何て言えばいいの?」
「いやー、ないですね。名前とか」
「ふーん……」」
じゃ、とりあえず呼び名でも考えなきゃいけないか。
しかし、何か変なことになったなあ。助かったけどさ……。
ある意味ハンサムでイケメンの戦士に囲まれる主人公。
乙女ゲーになりそうな要素?