その1、いきなり異世界召喚
ふとした思い付きから形にしてみた小説です。
書きためがあるので連続更新でまいります。
どうぞ、お楽しみを――
わたしこと、黒川佑子は――
一人トボトボ平野を歩いていた。
何でこうなったのか……。
話はまあ、一時間ほど前にさかのぼるのだが。
その日も私は学校で一人陰気に過ごしていた。
わたしは、まあいわゆるボッチというヤツである。
便所飯ことしないけど、似たようなことをする立場。
そんな灰色の日常風景が、というか突然周りの景色が変わった。
気づけば、クラスメイトと共に大きな広間みたいなとこにろに。
そこにはファンタジーの神官みたいなオッサンがいて、
「よくぞまいられた。冒険者諸君!!」
と、言っていた。
オッサンの話を要約すると。
わたしたちは冒険者として異世界に召喚されたらしい。
で、これから強制的に冒険者と過ごしてもらうと。
『なろう』とかでよく見るやつだ――そう思ったけど、これは現実。
色々アイテムの入っている小さなリュックを渡され、はい、さようなら。
いきなり、わけのわからん異世界に放り出された始末である。
リュックには、薬みたいなものと効果の入った袋やナイフとか。
気づけば、周りはいつの間にかチームみたいになっている。
リア充はリア充。お宅はオタク同士。
わたしは、どこにも入れないままとりあえずギルドとやらで登録を済ませた。
そこでステータスみたいなもんが出たのだが――
『HP:10 MP:0 スキル:召喚魔法』
なんぞ、これ……。
スキルはいいとして、MP0って、魔法使えねーじゃん!?
どうするんだよ、これは……!!
呆然としているうちに、いつしか街を出て平野を歩いていた。
どうやら、街の外はモンスターだらけらしい……。
遠くで何やら戦闘している連中がいる。
あー、やべ……。
何となく人目が気になって、いつしか街から遠くへ遠くへ。
けど、これは軽率だった。
街からいくらか離れたところ、草木が多くなったあたり。
「きええええええ!」
いきなり奇声をあげてくるものがいた。
見ると、小さな小鬼みたいな化け物がこっちに向かってくる!
緑色……。ゴブリンってやつか、ひょっとして!?
けど、こっちには身を守る武器もない。スキルも……魔法力がねえんだよ!!
ああ……。これ、死ぬな……。
迫ってくるゴブリンの群れに、わたしは思わず笑っていた。
その時――
まばゆい光の粒子が、近くで輝いた。
「おー、やっと出番ですねー」
そんな声と共に、誰かがわたしのそばに立った。
「ふんッ!」
気合一閃。ゴブリンを吹っ飛ばす。
そして、回し蹴りみたいなものを放って、残る連中もなぎ倒してしまった。
見ると。
そいつは色黒で短い髪を男くさい風貌の兄ちゃん……。
で、もっこりしたビキニパンツ一丁だった。
しばらく同日で複数更新あります。
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