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TS of ハルピュイア  作者: 右左丸
第一章 天弓の舞姫の長い初日
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ステータスウィンドオープン


 着替えた後、疲れたから少し休みたいと言って一人にしてもらった。

 ベッドに横たわって目を瞑る。

 疲れたと言うのは嘘じゃない、一度に沢山の情報が入って来すぎて本当に疲れた。

 このままひと眠りしてやろうかと思ったが、その前にまずは情報を整理した方が良いだろう。

 

 現在分かっている事、疑問に思う事、これからやるべき事を頭の中に並べて行く。





 1.今此処にある身体が本来の物であり、俺は元々ハーピーだった。


 性別が女の子と言うのは。

 この世界が俺にとって本当の世界だった!

 と言う衝撃に埋もれて後回しになってたけど、これってかなり衝撃的な事実なのではないだろうか?

 でもまぁあっちの世界でも心と身体の性別が違うと言う人は居たし。

 実は人間じゃなくてハーピーでした!

 って事実の方が衝撃的かもしれない。

 ハーピーって言うのはよく分からないけど、要は半人半鳥って事だろうか。

 ハーピー転生物の小説とか読んでおけばよかった。

 スライムとか蜘蛛とか吸血鬼とかエルフとかゴブリンに転生する物語は読んだ事あるけどなー。

 どうせなら辺境でハーレムでチートでスローライフな転生が良かったな。


 いや、転生じゃないらしいけど。

 此処が辺境かなのかどうかも知らんけど。

 ハーレムはなー、俺が女の子だから男のハーレムになるのか?

 おえっ、それは無理、身体は女の子でも心は男なんで!

 男と恋愛するとか無理無理。

 



 ああそうだ、こう言う状況の時はまずアレをしておかなければ。


「ステータス…………ステータスウィンドオープン…………鑑定…………アイテムボックスオープン…………」


 何も起きねええええ。

 小学生の時カメハメハやアバンストラッシュを本気でやった時の黒い記憶が蘇りかけてベッドの上をゴロゴロ転がる。

 なんだよ、そう言う要素無いの?

 ちょっとガッカリだわ。



 



 2.此処は俺にとって本当の故郷である。


 じゃああっちの世界は何なんだろう?

 俺が生まれる前の世界。

 俺はあっちの世界でラノベとか小説家になろうの転生、転移物の小説がかなり好きだった。

 だから今みたいな状況に、実はわくわくしている。

 思えばあっちの世界に何の未練も無いな、親も友達も彼女も居なかったし。

 17年間生きて来て、それはとても寂しい事なのだろう。

 そうだ、俺はずっと寂しかった。

 そんな俺の寂しさを埋めてくれたのがさっきまで一緒に居た二人だった。


 ……あの姉妹は何故あっちの世界にも現れた?


 あっちの世界の事をクルムちゃんは夢の世界と呼んだ。

 夢って言うのはもっとこう、脈絡の無い物だろう。

 今此処でこうしてる方がよっぽど夢っぽいけどな。

 あの姉妹のあの格好、俺を操ってたらしい能力、そして此処に来る前の世界で出会ってからの一週間の日々。

 これらから推察するにあの二人はサキュバス的な何かなのではないだろうか。

 小説を読み込んだ俺の推理力からすると間違いないね。

 サキュバスは淫らな夢を人間に見せてエナジーやら生命エネルギーを吸い取る悪魔だ。

 つまりこの世界が夢の世界だとしたら俺はこれからあの二人と色々ある展開なのでは?

 ん? でも色々あったのはあっちの世界だったからやっぱりあっちが夢の世界なのか?

 て言うかあの二人がサキュバスなら既に色々致した俺は生命エネルギー的な物を吸われているのでは?

 もしも吸われているのだとしたらそれはもう、ガッツリ吸われてるはずだ。

 やはり俺は生命エネルギーを吸われて過ぎて死んで転生したのでは?

 ……どっちでもいいな、今此処でこうして生きてるし。

 それよりエッチな展開もしあるなら早く来てくんないかな。

 


 「兄貴ー」

 「ひゃい!」


 あーびっくりした

 あれ、もしかして心の声ダダ漏れでした?




 「あー、疲れたって言ってたのにごめんね? ごはん食べる?」

 「食べる」



 俺生まれてからまだ何も食ってないんすよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] >> 小学生の時カメハメハやアバンストラッシュを本気でやった時の黒い記憶が蘇りかけてベッドの上をゴロゴロ転がる。 それ夢の中だから >> なんだよ、そう言う要素無いの? それは夢だし実際には…
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