てか俺両手が翼だから自分で着替え出来ない
クルムちゃんとアヤムちゃんに連れられて、俺は場所を移った。
俺の生まれた部屋はいかにも異世界から勇者を召喚する時に使われそうな全面石作りで、床に魔法陣が書いてあり、その真ん中にさっきまで俺が入っていた卵の残骸が置いてあった。
部屋を出ると、通路はゴツゴツした岩に全面を覆われて、所々水晶の結晶のようなものが突き出て、光源になっている。
ダンジョンっぽいなぁと思っていたらクルムちゃんが説明してくれた。
「此処はサルガタナス様が居を構えているダンジョンなのです。先程私達と一緒にいらした方ですわ」
ダンジョンだった。
そしてさっき二人と一緒に居た男の人、サルガタナスって言うのか。
もろ悪魔の名前じゃん。
◇ ◇ ◇
クルムちゃんに促されて別部屋に入ると中は豪華な内装をされた寝室の様な場所だった。
通路と室内のギャップが凄い。
「お兄様、まずはご自分のお姿をご覧になってください」
クルムちゃんに姿見の前に立たされる。
「……」
鏡の中に映る自分。
身長120センチくらいだろうか
人間の少女の身体に鳥の翼と足を付けたような姿だ。
羽の根元から真ん中辺りまでは光沢のある真っ白。
先端に行くにかけて淡いピンクが濃くなっている。
髪の毛はぽわぽわしたボリュームの有る癖っ毛で、羽と同じ様に真ん中から白とピンクのグラデーションに分かれていた。
「ほえー……」
思わずため息が出た。
すごいかわいいです。
もしもこれが異世界転生で、俺を転生させた神様が居るのなら、感謝の言葉を述べながらチートの一つも寄越しやがれと色仕掛けしていたかもしれない。
俺が鏡の中の自分に見惚れていると、悪魔姉妹は俺の服を用意しだした。
「お兄様に着せるのですから袖は付けられませんわよね」
「姉貴、その服過激過ぎない?」
「尾羽も出せないといけませんわ」
きゃいきゃい言いながら俺の服が選ばれていく。
最終的に決まったのはノースリーブで背中がお尻の所まで大きく開いた太ももまでのワンピース。
素材は何か分からないけど、形状はほぼ『童貞を殺すセーター』である。
首襟の所がチョーカー状になっており、前面を覆って、腰の部分を紐で結ぶようだ。
てか俺両手が翼だから自分で着替え出来ないな。
まぁいいか、後から魔法とかで変身できるかもしれないし。
こういう異種族転生系って大体後から人型になるよね。
俺は腕が鳥みたいな翼で、足が鳥足、尻に尾羽が付いてるくらいしか人間と違う点がほぼないけど。
でも流石に両手が使えないのは不便だし、この辺は早めに解消したい問題ではある。