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まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
1章
98/162

4話:ココアとココナ2

 


 翌日、いつもの恒例行事を終えてから町中を探索した。

 それからギルドの敷地内の人目につかない一角で二人は腰を下ろし手持ちの袋を開けた。

 ギルドへの集合時間はまだ先なのでしばらくはこの場で時間を潰すのである。


 ココアは浮かない顔をして昨日のことを口にした。


「お兄のあれは魔法じゃないわ、、、でも魔術でもない」

「えぇー!?ぜったいまほうだもん」


 その呟きにココナは自然と反論した。

 自身の考えは間違っていないはずだからだ。


『魔導』とは大まかに『魔術』と『魔法』に分けられる。

 理系的文系的思考として行われる魔術に対し魔法とは芸術的な思考で事象を反映させる。

 すなわち数学や図形、詠唱などで現象を引き起こす魔術に対し魔法とは想像することで魔力を変換、現象として引き起こす。

 どちらにも共通していることは魔力を使うということである。

 生物ならば魔力を持っているし大気中にも大地にも魔素があり、この世の全てはその魔素の流れである魔力で満ちている。

 その魔素の過剰集合から生まれるのが魔物であり、獣たちが過剰に取り込めば魔獣となる。

 他にも魔素が起こす現象は数多であり、一々数えればキリがない。


 そんな当たり前のことと自身とお兄のとを比べ何度考察しても結論は同じである。


 お兄の魔法に魔力を感じない。

 あれは魔導の概念には存在しない。

 つまりあれは魔法ではない。


 でも実際に目の前でお菓子は消えるし果物は出現する。

 それだけならともかく、、、

 巨大な大岩だったり大量の水の塊だったりが目の前で同じようになるのだ。

 消えては出現しての繰り返し、、、次元魔法の類?あるいは空間魔法の亜種?

 何かに集中しているときお兄は知らず知らずのうちに何かをやっている。

 突如人形が現れて踊ったり隠れたり袖からナイフが飛び出したりと、、、


 しかしそこに魔力という存在は全く感じないからこそ疑問に思うのである。

 だから理解ができないし、いくら考えてみても結論には達しない。


 知識も何もかもが足らない自分じゃ分からない。


 最終的な落とし所で無理やり納得させるとココアはもう一度目の前に広がる映像を見つめた。




 少し前のことを思い出した。

 それは二人との出会いだった。


 あの時に脳裏に焼き付いた光景は今でも忘れることができなかった。

 それにあの時も同じような問答をやったのだ。

 確か制御できない回復魔術を無理やり詠唱し怪我を治療した後、、、


 今、目の前の彼女は何と言っただろうか。

 もう一度訪ねても聞き間違いではなかった。

 だから考えるまでもなく口から発した。


「そんなの嘘よ!!絶対信じられない!!」


 信じられる訳がなかった。

 そんなことがありえることなどないのだから。

 だから彼女は否定した。


「みればわかるもん!!あおばおにいちゃんは『だいまどうし』だもん!!」


 私の一言に彼女は小さな石を突き出した。

 それは不思議な光を放つ魔道具だった。


「これって、、、映像魔石?」

「そうだよー」


 -----『映像魔石』


 特殊な魔石に特殊な加工を施したものだと聞いたことがあったし実際に触ったこともある。

 通常、魔石には魔力を貯める性質がある。

 一般的に『魔力石』と呼ばれるものでこれを加工することで様々な魔道具の素材へと変わる。

 魔石に火の魔力を込めれば火の属性を持つ魔石になるし風の魔力なら風属性の魔石となる。

 魔石事態の性質や純度に応じてその性質は変わる。


 そのうちの一つが『映像魔石』と呼ばれる非常にレアな『魔石』だった。

 だから彼女が言いたいことはわかった。

 この中に記録されているのだろう。


 そして映し出された映像を見た。


 燃え盛る炎。

 貫かれる凶刃と飛び散る赤い血。

 暴れ回る炎の貴婦人と狂人。

 街中を蹂躙する黒い手の化物。

 鮮烈な魔術と魔法の応酬と激闘。

 繰り出される異次元の力。


 そして全てを退け目の前で静かに寝ている人物。


「大魔導士、、、」


 自然と口にした言葉は彼女が目指していた憧れだった。

 数ヶ月前まで空の世界で何度も絵本を読んで過ごしたことを思い出した。

 一人の時もあればママと一緒だった時もある。

 とても懐かしく感じる時間だったのだ。


 そんな物思いに耽るココアの口の中で突如、甘くて口溶けいい感触が広がっていく。

 自分と同じ夢を持つ彼女がにっこりと笑っていた。


「ココアちゃん、、、おいしい?」


 そして目の前に出されたものへとすぐに口が動いた。

 この数ヶ月ロクなものを食べていなかった。

 だから体が何も言わずに動いてしまうのだ。


 久々に口にするものはとても甘くて優しい味がした。

 それに固まっていた頬が緩くなった気がした。


 考えても分からない。

 だからもう一度見ることに決めた。


 もう一度目の前に差し出されたお菓子をパクッと口にすると、ココナにお願いしてもう一度『映像魔石』を起動してもらい宙に映像が投影された。





 気配を消した何者かがその光景を見つめていた。


「あれは、、、、まさか、、、」


 偶然訪れたこの町のギルドまでの裏道を教えてもらい歩いていた時だった。

 日光が指す裏手の庭の片隅に小さな人影が見えた。

 小さな子供二人と使い魔二頭。

 どうやらお菓子を口いっぱいに頬張りながら談笑していたようだ。

 少しすると黒髪の子にお願いされ金色の髪の子が何かを取り出した。


 それからすぐに彼女たちの周囲にある映像が投影された。


 珍しい。

 魔石の中でも貴重な『映像魔石』だ。

 大人でも滅多に手に入れることができないシロモノを子供がどうして?


 些細なきっかけが引っかかり芽生えた疑問がどうしても気になった。

 この場は建物の影により暗影が分かれているため、今いる位置から見ればその鮮明な映像がはっきりと識別できる。

 人目につかないこの場所であの子供達が何をしているのかは定かではないが、その投影された中身は目を疑うような光景だった。


「信じられない、、、まさかこんなところで、、、、」


 あれから何年も調査してきた。

 何者かに秘匿された『真実の入口』に気づいてからは、それまでの立場を捨て国を捨て幼い妹を腹心に託し世界各地を歩きまわり目で見て耳で聞いて世界を探し回った。

 何者かが情報操作をしていることは気づいていたし裏で『ある組織』が暗躍していることも気づいていた。

 中々尻尾を見せない奴らを表舞台に引きずり出すには少々骨が折れた。

 そのおかげで彼らの存在と動きが浮き出され世界中に認知され警鐘を鳴らすことができた訳だが、、、


 すでに各国も情報収拾のため世界中に間者を放っており、目立った動きがいつ起きてもおかしくないところまで事態は緊迫している。

 それでも『重要な真意への手がかり』に自分だけはまだ辿り着けないのが現状だった。


 先日、旧友からの便りと旅先で耳にした遠い噂を頼りに東の皇国へと向かう途中、たまたま訪れたこの地で目にした全くの偶然。

 まさかこんな田舎町でそれもこんなに小さな子供達がその『手掛かり』を手にしているのだから。


「本当に人生とは分からないものだな」


 そう呟くと呼吸を落ち着かせ、そして息を整えた。

 逸る鼓動だけが自身の手が自然と己の刃へと動いた。

 少しずつ少しずつ手が腰へと微動する。


 しかし手とは裏腹に思考は動き回り、その後の事を軽く算段した。


「あれを確実に手に入れる必要がある」


 そう呟きながら手を止めると何者かは踵を返しその場を離れたのだった。



ペッパーとソルト(๑• ̀д•́ )๑• ̀д•́ ):餌付けは基本!!


恐れ入りますが、、、ココナとココアにほっこりされたい方、蒼葉の大人の冒険が気になる方は、もしよろしければ評価やブックマーク等いただけると嬉しいです。

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