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まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
第0章 ホルクスの街と英雄街
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48幕:大魔導士と魔法の言葉5

すみません、多忙により更新が止まってしまいました。


12月から継続して更新していきたいと思います。

 

 小さかった石はやがて得体の知れないものになりました。

 そしてだんだんと大きく変わっていったのです。


 その勢いはまるで町だけでなく全てを取り込むかのように大きくなっていきました。

 やがて手のようなものが町中に降り注ぎました。

 ついに子供達だけでなく大人たちにも危機が訪れたのです。


 次々と大人たちはその石だったものに喰われていきました。

 もちろん女の子も例外ではありませんでした。


 黒い手に見つかった女の子は咄嗟に妹を抱きかかえ幼馴染の友人の手を取り安全な場所に逃げ出しました。

 なぜなら隠れていたことに気づいた化物たちが突如彼女たち目掛けて押し寄せたのです。


 女の子は知っていました。

 妹が狙われていることに。

 世界に祝福された大切な妹を探していることに。


 とても恐ろしいことでした。

 手足が震え声が出なくなりました。


 でもそれも今は違います。

 本当は少しだけ安心していたのです。

 信じていたのです。


 彼女にはとても憧れる年上のお兄さんがいました。

 お兄さんは格好良くて強くてとても優しいお兄さんでした。

 そう大きくて温かい手をしたあの人です。


 だから彼女は信じていたのです。

 絶対にみんなを助けてくれることを。

 妹を助けてくれることを。


 だから目を閉じ心の底から信じたのです。


 その時、光を吸い込むほどの暗くて黒い空が真っ二つに割れました。


 恐る恐る目を開けるとあの人の大きな背中が見えました。


 そして優しく微笑んでいたのです。



 ーー略ーー



 激闘の末、化物は退治されました。


 もうこの世に出現することはないでしょう。

 無限の剣が闇を切り裂き光をもたらしたのです。


 小さな女の子を救った彼を誰もが褒め称えました。

 彼女もまたその一人でした。


 彼は助けたあの日から小さな女の子の英雄になりました。


 そして今日、彼は町の全ての人たちの英雄になったのです。


 やがて人々は彼に敬意を込めこう呼ぶことにしました。


『無限の英雄』と。




『英雄賛歌 ~英雄の物語~ 下 』 より一部抜粋














 黒い闇を払いのけ空を見上げた。

 光り輝く満点の星空に流れる輝きの絲。

 そこには蒼葉の目の前には誰もが目を奪われるような光景が広がっていた。


 後ろから小さな視線が多くの視線が突き刺さるが今は振り向けなかった。


 目の前に対峙するのは圧縮されたような濃い闇の塊。

 瞳を閉じなくてもその異質さ、その異常さ、その異様さが手を取るようにわかった。


 そして同じようなものが自分の体内に渦巻いていることも。


 それはまるで聞いていた通りの感触だった。

 そして自分が考えているとおりのモノだと十中八九断定できる。


 だからこそ胸が躍り心臓が鳴り止まない。

 舞台でショーをやっている時のように人前で演奏しているときのように全身に鳥肌が立ち手足が震えている。そして心が落ち着かなかった。


 身体中に張り巡らされた何かが蒼葉の動きに呼応するかのように流れ、動き、躍りだしているのだ。


 青葉は知っていた。

 その力の流れを人は魔力と呼ぶ。

 そしてその魔力を解き放つことを人は魔導と呼ぶ。

 魔術が学問であるならば魔法は芸術である。

 それは表現の違いでしかない。


 深く考えなくても音で想いが伝わるように、心を鍵盤で表現できるように、音が溢れ出しイメージが構築されていく。

 それだけではなかった。

 どうやら手のひらから溢れ出した何かは音だけでなく様々な香りや光にも変化するようだ。


 甘い香りや香ばしい味。


 魔術や魔法はただの表現の仕方の違いでしかない。

 だからこそそれらを纏めて魔導と呼ぶのだろう。


 今まで使えなかったのはこのことを理解していなかったからだろうか。

 たぶんピアノだけでも奇術だけでもできなかったに違いない。

 そしてそれは自分一人だけでもできなかったに違いない。

 全ては後ろの小さな子供たちのおかげだからだ。


 自分の今までの全てがここにあることを自覚した。


 自身から漏れ出す音の流れにswingするように身を任せ蒼葉は静かに息を吸った。


 魔法は想像力。

 だから青葉は自分の中の魔力を想い描く。


 いつものように手のひらに愛用のステッキを袖から取り出しぐるぐると回しながら、宙に漂う愛用の黒いシルクハットを手に取り中から黒い布を広げる。


 その黒い布で全ての世界を自分から覆い隠すと宇宙に響くほどのフィンガースナップを炸裂させた。

 そして黒い空間が消える瞬間、そこには謎の衣装を着た男が控えていた。


 白いドレスシャツ、白い手袋、黒い変わった形のネクタイに、黒の革靴と黒のステージ衣装。

 アクセサリも含めていかにもという見た目の愛用のコスチュームである。


 正面の闇を見つめながらシルクハットをゆっくりと被り右手に魔法のステッキを軽く携える。

 お店や舞台で散々披露した魔法の衣装は黒い光沢を帯びており目の前の闇とは対照的だった。


 そしていつものようにステッキを踊らせ帽子を手に取り右手を掲げ深く頭を下げる。


「さぁタネも仕掛けもございません。今宵は素敵で爽快な大魔導士ブルーベル・チョコラータの大魔法をご披露いたしましょう」


 それは蒼葉が宣言する大魔導士の魔法の合言葉。

 そして口にするのは始まりの証。


「それでは舞台の幕開けです」


 そのまま黒く輝くステッキを前方に掲げ目の前を深く見つめる。

 そんな彼の口元は少しだけ静かに笑っていたのだった。



ついに魔法?が使えるようになった蒼葉o(`・ω´・+o) ドヤァ:決まった!


助かった人たち( ゜д゜)゜д゜)゜д゜)゜д゜)゜д゜)ポカーン:?????

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