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まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
第0章 ホルクスの街と英雄街
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5幕:ココと不思議な出会い5

 

 おはようと声を掛けて部屋に入った。


 ランチ前の休憩時間に少しだけ様子を見に来た。

 出来立ての朝食を持って。


 部屋を見渡した。

 入り口手前にはクローゼットと姿見、窓際にデスク机が置いてある。

 壁際には二段ベッドが所狭しと並んでいる。どれも平凡な作りの木製の家具だがとても温かみがある。

 ちょうど窓から日光が差し込んで部屋中がとても居心地のいい雰囲気を作り出している。


 最近はずっと野宿だったので質素なつくりの部屋でも天国のように感じられる。

 雨風を凌げる場所があるのがどんなにありがたいことか、自分の居場所があることがどれだけ助かることか。

 そして暖かいものを食べれるということが、、、以下略。


 机の上に朝食を置いてから二段ベッドの下側のベッドの縁に体を預けて様子を伺う。


 彼女はまだ寝てるみたい。

 柔らかいベッドの中、白いシーツで顔まで隠れている。


 あれから日にちも浅いし無理もない。

 小さな女の子が見ず知らずの大人の男に不条理な暴力を受けてしまったのだから。

 それに緊張させてるのかもしれない。


 微動だにしないから寝たふりかな。

 怖がらせてるかな、、、どうしよう、、、何話そうかな、、、、。


 そんな心配事を考えながら結局分からないのでシーツから覗く頭を撫でることにした。


 子供は頭を撫でたら大丈夫。

 月華(ムーン)ちゃんも頭を撫でてあげるとすごく嬉しそうにしてたし近所の子たちもだいたい同じだったから。


 頭に軽く触れようとした瞬間、ビクッ!?と小さい体が震えた。


 あわわわ、、、


 まずい撫で方がマズかったか。

 とっさに頭ぽんぽんに切り替えた。

 これも月華ちゃんが嬉しそうにしてたからいいはず、、、


 またビクッとされた!?


 どうしよう!?わかんないよ。

 こういう時は、、、、相談だ。

 今はリアさんがいないから、、、リーリアさんに相談しよう。

 そうしよう。


「お兄ちゃーん。助けてください!!」


 どうするかと自問自答中に1Fにいるはずのローロちゃんから声がかかった。

 どうやら休憩時間は終わりのようだ。


「え、えっとごめんね。びっくりさせたね。机の上に朝食を置いておくからちゃんと食べてね。」


 最後にもう一度頭を優しく撫でて部屋を後にした。




 ふー疲れた。

 慣れないお店での仕事は疲れる。

 わからないことだらけで、ほんと気を張ってばかりの1日。

 朝からローロちゃんに付きっ切りで仕事を教えてもらっていたからだいぶマシだったけど。


 それにしてもあっという間だった。

 朝から掃除に洗濯、宿泊部屋の管理、昼前から昼食準備に色々、夕方は夜食対応、、、etc


 飲食店の経験があって助かったよ。

 1日の流れと業務内容等おおよそ把握できたし何とかなった。

 ローロちゃんが教えてくれたおかげだ。


 全ての仕事を終えてから少し遅い夕食をとることになった。

 夕食は家族、従業員皆で食べるようだ。

 もちろんレールナさんが作ってくれた夕食です。


 トマトっぽい野菜と香草のサラダと鶏肉の混ぜ物。チーズと鶏肉と野菜のパスタ。飲み物は各自に水とエール。

 水はローロちゃんで、エールは自分とレールナさんにルーリさんだ。

 さっきから香りが食欲を刺激しまくっているし、きんきんに冷えたエールを、、、、早く飲みたい。

 とにかくこれは絶対美味しいやつだ。


 食べた始める前に最初にレールナさんから声がかかった。

「今週はお疲れ様。君もお疲れ様。本当に今日は助かったわね。まさか即戦力になるなんてね、、、。これも縁に感謝よね、ありがとうね。お腹いっぱい食べてね。」


 美人のお姉さんからお褒めの言葉。

 素敵な眼差しと甘い言葉に思わず赤面だ。このまま食べられたい。

 厨房をほぼ一人で取り仕切っているレールナさんは大量の注文を見て嫌な顔一つせずにせっせと片付けていった。

 テキパキと容量良くこなす仕事ぶりに蒼葉はとても驚嘆した。


 可愛らしいローロちゃんからは、


「お兄ちゃんはすごいです。少し教えただけなのに何でもすぐにやっちゃいました。すごく楽になりました。お兄ちゃん本当にありがとうです。」


 お褒めの言葉をいただきました。

 美幼女の純粋さでほんと心が洗われるようだ。

 でもローロちゃんは凄かったよ。

 小さい女の子があれよあれよと仕事を片付ける様は度肝を抜かれた。

 そして仕事が片付くたびにほっとした顔が見られてとても気持ちを穏やかにさせてくれた。

 このお店の癒しだと思った。


「新入りの癖になかなかやるじゃない。業務内容の分担が完全に誤算だったわ。来週からはもっと公平にさせてもらおうかしら。次からはこっちも全部任せるわね。これでもっと楽できるわ!!」


 おっと美少女が爆弾発言をさらりと言ってきた。

 次女のルーリさんだ。

 すぐに長女からエールを取り上げられようとして、涙目で冗談冗談だよお姉ちゃんって弁明してる。

 うん、なんか台無しだ

 この娘はどうやら色々と残念な美少女らしい。だけど彼女は仕事ができる。彼女は自分の仕事をしながらローロちゃんと同じ仕事も兼任で処理、同時にレールナさん、ローロちゃん、自分に指示を出しながらとても要領よく現場を回していた。

 正直彼女のセンスに驚いた。


「では食事にしましょうか。神に感謝を。」


 レールナさんが家族を代表して神に祈りを捧げた。

 それから全員で少しだけお祈りをしてから食事に移った。


 思った通りパスタもサラダもとても美味しかった。

 もちろんお代りしましたとも。


 それから色々な話をした。

 亜麻猫亭のこと、ホルクスの町のこと、彼女たちのこと、料理のこと、マークスさんたちのこと。

 もちろん、あの女の子のことも相談した。


 皆が食べ終わる頃、レールナさんが顔を上げた。


「そうそう明日の週末二日は私は隣町との会合があるからご飯は自分たちでお願いね。」

「えっ!?レールナお姉ちゃん?」


 ローロちゃんが思わず声を漏らし立ち上がって、それから唖然とした顔でレールナさんを見つめている。


 食事中に教えてもらったとおり週末になると亜麻猫亭は休みになるそうだ。

 もちろん食堂も休みになるし宿泊客の対応も時間限定の対応になるらしい。食事も自分たちで用意しないといけないとのこと。人手不足でこれ以上お店を回せない、だから以前のやり方とはだいぶ違うようだ。


「仕方ないわね、私が手料理を振舞ってあげるからローロ安心しなさい。それに良かったわね新入り、早速女の子の手作りが食べられるなんて神に感謝しなさい。」


 ドヤ顔で豊満な胸をはるルーリさん。

 目のやり場に困る。


「ほんとなの?ルーリさんの手作り楽しみだなー。期待していいの?」

「当たり前でしょ!!君は流石に男の子だし料理できないでしょ。明日の昼を楽しみにしておきなさいな。」


 ドヤ顔な美少女が作ってくれる料理、週末二日分。

 本当に楽しみ。



 ただなぜかローロちゃんは顔を下にしたままだった。





ローロ:神様、、、||||(ili′Д`)||||

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