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まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
第0章 ホルクスの街と英雄街
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4幕:ココと不思議な出会い4

 

 翌日の朝から『亜麻猫亭』での1日が始まった。

 初日から日の出とともに起きるのは無理そうだったので、次女のルーリさんに起こしてもらった。


 それから裏の井戸場で顔を洗い、従業員用の服に着替え支度を終えた。


 大まかな内容は、、、


 午前中は、洗濯と掃除、昼用の仕込み。

 午後からは、昼食の対応、夜用の仕込みと宿泊客への対応。

 夕方からは、夕食の対応、本日の片付け及び翌日の準備、、、などなど


 調理、クレーム対応は、長女レールナさん

 受付、会計、客対応といった事務全般は次女のルーリさん

 配膳、片付け、そうじ等は、末っ子のローロちゃん


 、、、が主な担当らしい。

 ちなみに調理の仕込みや他の準備などなどは皆んなで作業分担しているとのこと。


「ルーリさん、何やればいいの?」

「えーと午前中は掃除中心、昼時は配膳中心。昼を捌いたら休憩入れてから仕込み手伝ってほしいかな。夕方からはまた配膳中心。今日はローロのサポートを中心にお願い。、、、と言っても初日だからしばらくは大変だとは思うけどまずは慣れるように頑張ってみて。」

「了解。ルーリ()()よろしくお願いします。」

「よろしい新入り。ここでの()()()()が分かってるようで何よりかな。ふふふ、、、では始めてくれるかしら。まずは私にお茶から。」


 ルーリ主任は中、高校生ぐらいに見える見た目の割に豊満な胸をはると得意げな顔をした。

 笑顔なドヤ顔だ。


 さすがはレールナさんの妹、美少女だ。それにスタイルは姉妹共通らしい。

 亜麻色の髪を右に一つだけ束ねている髪型は、、、、確かサイドテールだったかな。

 それに姉と同じウェストが閉まった紺色のワンピースに亜麻色の猫が刺繍さている白いエプロン姿がすごく似合っている。大人っぽさと子供っぽさが合わさったような感じ。


「そうそうそれから休憩時間は私の肩を揉んでほしいわ。仕事終わりには足も揉んでもらうわ。それだけじゃ足りないわね。新入りには休憩中に私のためにお茶を淹れること。つまり毎日私にゴマをするのよ。そして私の言う通りに動くのよ。うーんまだ上司ぽっくないわね。まずは、、、」


 間髪入れずに、、、


「ふふふ、、、。もう一度褒め称えるように撫で声で呼んで貰えるかしら、、、『ルーリ主任』と?そして跪きなさい。さぁさぁ?」


 ドヤ顔が素晴らしい。

 でも口は閉じたままにした。奥からドス黒いオーラが漏れているから。


「あらら、()()さん、私にもお茶を貰えるかしら?」


 調理場から抑揚のない声が聞こえた。


「お、おねえちゃ、おねえ()()只今、お、お持ちいたします。」


 主任はその場から逃げ出した。


 朝から面白いジョークで新入りの自分に気を使ってくれたのか。

 あんなんだけど『亜麻猫亭』を彼女が中心になって良い雰囲気にしてるんだろうな。


 長女は真面目系、次女は間違いなくお調子者。

 マークスさんが言った通り、この娘はモテるに違いない。男女分け隔てなく接してくれそうだし話しやすいし。絶対に勘違い男子を量産間違いなし。


 同級生にこんな娘いたら好きになるんだろうな、、、


 妄想していたら、後ろからちょんちょんとエプロンの裾を誰かが引っ張った。

 末っ子のローロちゃんだった。


「あっ!ローロちゃん、よろしくお願いします。」

「お兄ちゃん、よろしくお願いします。」


 見た目小学生低学年くらいの可愛い女の子がちょこっとお辞儀をしてくれた。

 仕草がとても微笑ましい小さな女の子。

 美少女というよりは美幼女といったところだろうか。

 上の二人と同じ亜麻色の髪を可愛い猫のブローチで二つにちょこっと束ねていて、動くたびにそのおさげ同士がぴょんぴょん跳ねている。


「お兄ちゃん、ルーリお姉ちゃんはすぐ調子にのります。調子に乗ったら適当にあしらいます。」


 妹は姉の扱い方を熟知しているらしい。さすができる妹さんだ。


「ローロちゃん何からやるの?」

「まずは外と食堂の掃除から始めます。」


 やっとまともな日常が送れそう。しばらくは大変になりそうだけど、、、


 そう思いながら小さい背中の後ろに付いて行った。







 部屋の中に真っ白な光が差し込んでいる。


 カーテンは右端に留められ窓が左右に解放されている。


 気持ちがいい朝だった。


 窓からは穏やかな風が入り込んでいる。


 窓の外を見たくなって体を反らしてからベッドから降りようとした。


 まだ体はあちこち痛かったのだが、昨日よりはまともに動きそうだと思ったから。


 動いたのは左手だけだった。


 右手も、右足も、左足も言うことを聞いてくれなかった。


 それに全身がズキズキして痛かった。


 ふかふかしたベッドはとても気持ちいいのだが、身動き取れないのは嫌だった。


 だから目を閉じ意識を集中させた。


 今は誰もいないから大丈夫、、、。


 淡い光が彼女を包み込む。


 元どおり動くようになったのでベッドから飛び降りた。


 木の床を裸足で確かめると窓に向かって突き進んだ。


 外には、、、街が広がっていた。


 知らない街だ。


 知らない人ばかりだ。


 知らない部屋だし、知らないベッドだったし知らないものばかりだ。


 昨夜まで忘れられないほどの恐怖に駆られた彼女だったが、代わりに分からない感情が芽生えていた。


 その時コンコンと戸を叩く音がした。




ルーリ:直属の部下(`・ω´・)キリッ

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