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まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
第0章 ホルクスの街と英雄街
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40幕:バレた魔道使いと東の国の殺し屋3−2

 


 再開まで控室のソファに座ってあと30分ほど待てばいいのだそうだ。

 その間どうするのかはまだ分からないが、とりあえずココはもう一つの愛用の赤いポーチから飴玉を取り出した。

 受付で並んでいたときに魔術師のお姉ちゃんと神官のお姉ちゃんから貰ったものだ。

 二つほど自分の口に入れてから残りの一つを隣で俯いているお兄ちゃんの口に突っ込む。


 お兄ちゃんは先ほどから下を向いて動かないのでココがお世話をしているのだ。


 サンドイッチを口に運んであげればモグモグ動かしてくれるし、リンガのジュースを近づければちゃんと飲んでくれる。

 でもその顔が上がることはないしココを見てくれることはない。

 赤いポーチからハンカチを取り出しお口をふきふきする。

 前はソースで汚れたハンカチを使ってしまったので今度は綺麗なハンカチを使った。

 ココもちゃんと学習するのだ。


 テストで装備した格好でお世話するのは邪魔になったのでお兄ちゃんが選んでくれた全ての装備品を取っ払い白いワンピースと革の可愛いサンダルと赤いポーチに着替えている。

 この方がソファの上でくつろぎやすく寝転びやすいのだ。


 ソファの右側からローロとトミミが抱きついたり頭を撫でたりすれば、右からはココとアミミも同じようなことをして蒼葉の気を引こうとする。

 膝の上ではケモモモが大人しくちょこんと座っており蒼葉に頭を埋められている。

 いやモフモフされているのかもしれない。


 お婆ちゃんとのテストの後、お兄ちゃんがめちゃくちゃ怒れていた。

 ソフィアお姉ちゃんに怒られては職員の人に怒られ、ソフィアお姉ちゃんに怒られては知らない人に怒られソフィアお姉ちゃんに怒られてはルーリお姉ちゃんに、、、


 ココにはそれがココの代わりに怒られていたのだとわかったし皆が言うことがおかしいことだということもわかった。もちろん最初の試験のことも。

 だってココも蒼葉お兄ちゃんもちゃんと言われた通りにやったのだ。

 いけないことはしていないのだ。

 なのにみんなお兄ちゃんを責めるのだ。


 だからココもローロちゃんもトミミもアミミもその場でプンプンだった。

 トミミとアミミは尻尾を逆立て鳴きたてるしローロちゃんは怒り出した人に掴みかかった。

 ココは争いごとが嫌いなのでちゃんと説明しようとした。したのだ。

 でも誰もちっとも話を聞いてくれないからちゃんと手加減した雷魔法(サンダー)で静かにさせてからちゃんと説明した。それでもちゃんと聞いてくれなかったのでもう一度雷魔法(サンダー)をやってからもう一度説明した。それでも知らない竜の人とかギルドの人とかが何か反論しようとしたのでもう一度出力をあげてから、、、

 結局、皆黙って返事してくれなくなったので4人は動かなくなったお兄ちゃんの手を取ってその場を後にした。


「お姉ちゃんたちなんか大嫌いです。こんな自分の言葉に責任を持たない最低な大人になんかなりたくないです」

「ココもおにいちゃんもいわれたとおりにやったもん。ぜんりょくでやれっていわれたからちゃんとすこしだけぜんりょくでやったもん。おにいちゃんもここもじゃくてんをちゃんとついたもん」


 出て行く前にちゃんとこれだけは伝えた。

 ローロちゃんはプンプンしていたしココは涙で目がいっぱいだった。

 静かになった大人たちがその後どうなったかはココたちは誰も知らない。


 それからケモモモお姉ちゃんがやって来てテストの時間のこととかを色々教えてくれた。

 その後、動かないお兄ちゃんに元気になってもらうために色々とやっているのだが動く気配がない。


 仕方がないので雷魔法(サンダー)を唱えようとしたら全力でケモモモお姉ちゃんに止められた。

 寝ている人に使ってはいけないのだそうだ。

 なら今度起きている人に使ってみようと思ったのだがココは不思議に思った。


 そーいえばいつも起きている人しか使っていないのだ。


 むぅーむずかしい。


 だから回復魔法を代わりに唱えた。

 もう少しで大変になるので今はただゆっくりしてもらうのだ。


 ココは苦しそうな蒼葉お兄ちゃんの顔をちょこんと下から覗き込むと自分よりも大きな頭を優しく優しく撫でるのであった。



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