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まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
2章 
162/162

6幕:役立たずの丘と眠るモノ 3

 


「ねぇ?あなたが落としたのは可憐で妖艶で熟れた体をした美少女の純粋無垢な身体に深く深ーく傷をつけたあの罪深いナイフ?」


 ツインテールにした白銀の髪にサファイアのような真っ赤で大きな瞳。

 彼女がぷんぷんと怒り出す度に髪はぴょこぴょこと揺れ瞳はぱちくりと動き渡っている。

 まるで子供のようなペットのような愛嬌がある娘だった。


 ただ時折色が抜けたかのような全体が白いキャンパスに描いたデッサンの下書きのように見えるのは気のせいじゃないだろう。まるで電波が乱れたテレビに映し出される白黒映像のようにも見える彼女は小柄で華奢な体躯を物ともせず、人差し指をナイフに向けながら新たな何本かのナイフを見せつけた。


「ねぇねぇ?それともあなたが落としたのはこちらの業物のナイフかしら?すっごく扱いやすそうなの」


「ねぇねぇねぇ?それともあなたが落としたのはこの聖銀と宝石と《神之金属》でできたナイフ?すっごくすっごく高価そうなのよね」


「・・・・」


「ねぇねぇねぇねぇねぇ?それで幼気な乙女の傷一つない身体に傷を付けたのは、、、、どっち?」


 どうやら乙女の凍てつくそうな呪縛から逃れることは不可能なようだ。


「・・・・」


「ねぇ君、、、言葉わかるよね?冒険者だもんね?冒険者ペンダントあるから分かるはずだもんね?」


「えっ?」


「あぁ、、、その感じ知らなかったんだ。外国で言葉が分かるのってそのペンダントのおかげなんだよ。私たちが生まれる前からある翻訳機だもんね。うちのおじいちゃんが発明したやつで特許も取ってあるんだ。条件次第で魔物や動物とも会話できるんだって」


「え?そうなの?」


「ほらね?」


 しまった。謀られた、、、油断した。


「ねぇ?それで私のグラマラスな身体に傷をつけたのはだぁれ?」


「グラマラス?、、、イエワタシ、、、ガイゴクゴワカリマセン」


「ねぇ君、誤魔化すつもりなんだ?怒らないから答えて欲しいなぁ欲しいなぁ」


 漏れ出す怒気が尋常じゃなかった。

 本当に本当に油断した。


 斯くなる上は、、、


「たぶんこの辺りに彷徨いていた帝国の人間だと思うんですけど、、、最近裏で暗躍している裏稼業の人間たちがいるんですよ。それで最近、ギルドの依頼が増えてて大変なんですよね」


「へぇ?そうなんだ。じゃあ今から確認するね」


「いえ、そんなことしなくても彼らが犯人で間違いないですよ。ここ最近彼らの動きがおかしいって巷で話題になっておりまして、、、少し前も精霊にイタズラしたりとか危険薬を捌いたりとか、、、頭がヤバイことばかりなんですよ」


「そんなに物騒な世の中なんだ。まぁそれなら君は犯人じゃないよね」


「ソウダトオモイマス!!」(キリッ!!)


 白いジャケットに白いスカート、白い襟付きのブラウス、白いニーソックスに白いタイや靴。まるで色が抜けた学生服っぽい服の胸ポケットから取り出したのは小さな白いバッグだった。


 彼女が中央の留め具を外し取り出したのは、、、どこかで見たことがある魔道具だ。

 チビたちも自分も持っている魔石の付いた魔道具。


 あ、、、これ、、、まずいやつかも、、、


 そしてすぐに中央部から光が放たれ映像が宙に投写された。


 魔導布のコートを着た黒髪の青年が所構わずナイフを宙から取り出しては周囲に投げつけているようだ。その回数本数たるや尋常じゃないほどで個人で持てる限度を超えている。そんな彼は最初は慎重に丁寧に振る舞い、しかし映像の終盤あたりはぶっきらぼうに雑に投擲しているが、時折笑顔を浮かべていることから何か自分だけの楽しみを見つけたのかもしれない。とにかく青年が笑顔を浮かべながらナイフを投稿する様は誰が見ても帝国所属の軍人には見えないだろう。


 そしてあるタイミングで投げた一本が不運なことに少女の平な胸部の中央に、、、綺麗に不時着した。


 恐る恐るその被害者から降り注ぐ視線にピントを合わせていく。

 しかし真正面から放たれる真犯人へのまっすぐなジト目はとてもとても険しく回避しようがないようだ。


「ねぇ?私を傷物にしてくれた責任を取ってくれるよね?」


「、、、、」


 否応ない問いに青年は首を振ることを諦めたのだった。





 どこぞのギルド受付で滾る謎の少女( ꐦ°᷄д°᷅):あぁん!?平野?何処が平野だって?



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