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まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
2章 
144/162

2幕:大盗賊と世界の夜明け 1

すみません、プロローグ3を新たに追加してますので、先にご覧ください。

 

 目隠しをされ両手両足を縛られて数日。

 どこかの独房らしき場所に叩き込まれた。

 直前まで目隠しをされていたためか、それとも暗かった場所ばかりで放置されていたためか、薄暗い場所でも何があるかは大方把握することができた。


 寝るには困らないが、あまり長居はしたくない、またできない場所でもある。

 ひんやりとした独房内はカビ臭く、また異臭が漂い、このままだと体も精神も病みそうだ。

 隅には小さな箱のようなものがあり、特にその場所だけやたらに鼻につく。

 間違いなく排泄場、、、蒼葉はトイレだと即断した。

 ただし魔石付きの取ってつけたような簡易トイレらしい、けどないよりはマシだ。

 用を済ませ一息つくと耳を済ませながら今後取るべき行動を精査し直した。


 それからそろそろ動きがあるだろう内定者と連携を取るまで体を休ませることにした。


 幸いなことに移動中の疲労とストレス、特に身体を固定されたままで身動きが取れなかったために感じる違和感以外に問題はない。排泄は1日に何回かすることができたし、少量だけど食事にも在り付くことはできた。そして骨折の一つや二つ覚悟はしていたけど、怪我一つなく無事に過ごすことができている。抵抗する素ぶりを見せなかったことが幸いしたのか。それとも初めから弱そうな一市民としか見られていなかったのだろうか。少なくとも冒険者には見られてはいなかったらしい。


 安心、安全をモットーに行動してるのにどうしてこうなったんだっけ?


 どこかの盗賊団のような不埒者たちに予定通り拉致られてからというものの、あまり生きた心地はしなかった。一歩間違えれば始末されていたんじゃないか、、、そう思えて仕方がない。


 それにしても遅い。遅すぎる。

 そろそろ予定通りにアクシデントが起きてもいいはずなのに、、、、


 今回の依頼はラズさん経由で受けたものである。

 それはとある盗賊団の内偵調査だった。

 それも複数の国に跨り荒らし回っているという大盗賊団という話だ。ただしその大盗賊団が狙いではなく、そのうちの下部組織の一つが対象であった。


 グミさん曰く、ここ最近、北大陸中央でとある大きな噂が次々と流れたそうだ。


 魔物の数が激増した上に魔物の質が変化した。

 巨大な魔獣が出現した。

 世界を渡る船《騎空艇》が競売に出された。

 ある盗賊団がものすごいお宝を手に入れた。

 帝国貴族の家宝が紛失した。

 《世界》の境界線がおかしなことになっている。



 などなど耳に入る情報は限りがないらしい。


 世界のあちこちで異常とも思えるような事態が噂される中、ある貴族から冒険者ギルドへと秘密裏に特殊な依頼が寄せられた。それが大盗賊団《夜明けの明星》への内偵調査だったのだ。かなり大規模な案件のため国内外の複数のギルド支部で役割分担がされたのだとういう。そのためか田舎のラクスラスクの方でも関わることになり、結果、大盗賊団所属の下部組織のうちの幾分かを内偵調査するようにと指令が降ったらしい。


 そこで偶然、金欠のため頭を悩ませていた蒼葉にラズから声が掛かったのだ。

 蒼葉から泣きついたともいうのだが、問題なことに現在、彼の冒険者ギルドのランクはEランクである。いっぱしの冒険者としては普通であり、また外様から見ればまだまだ初心者の域を超えていない。

 盗賊団の内偵調査のような危険な依頼は、本来もっと上のクラスの役割である。Eクラスの人間が受けれるようなものではない。実際、ギルド職員がどれだけ声を上げてもその身につけているランクを表すペンダントがその持主の実力を客観的に定めているのである。それに本来は一人でやるような依頼ではない。


 そこで他に組む人間をラズが募集したところ、、、あるベテランの冒険者が集まり、役割を定めた結果、この依頼に関わることができたのである。


 なお子供たちは危険なので留守番となり信頼できる保護者たちの元で過ごしていることだろう。渡してきた自作したカードゲームやボードゲームの数々で楽しんでくれていれば幸いである。


 その時、グサグサグサと複数回に渡り小さな暗号音が刻まれた。

 自分だけに向けた危険極まりないっ合図である。

 黒い小さな影が持ち上がり戸を叩くように動き出したのだ。ただし先端は鋭利な針のように尖っているのだが。


【お疲れ様、それでどんな感じでした?】


【おい!!外で宴会中じゃねぇかっ!?お前ほんとに計画通りに取り付けたんですか!?僕にだけ仕事させてあいつらどんちゃん騒ぎで酒とご馳走ってふざけんなっ!!】


【まぁまぁ後でお腹が張り裂けそうなほどのデザートで手を打って、、、でも流石は凄腕のシャドー仕事が早い】


【っ!?わざわざ僕がやったんだぞ。当たり前だっ!!このっこのぉっ!!】


【痛い痛いってもう少し加減してよ。でもそろそろ潮時だし予定通りよろしく、コアンさん?】


 ちょろい。それにしてもちょろい。

 グサグサと伝わる小さな影の針の痛みに耐えながら、照れを隠せない小さな小さな隣人を買収すると軽く目配せをした。なぜか不幸にも小人となった知人を子供達の手からこっそり保護したのがつい先日。その小人が目配せをするやいなや途端に鉄格子が切り裂かれ人一人が軽く通れるくらいの隙間が出来上がった。


 念のため息を潜ませながら足を忍ばせる。

 そして入口から外を見渡した時、蒼葉は開いた口が塞がらなかった。


 何せ全てが片付いていたのだから。


 たった3人の人物によって。



バケツプリンを見たコアン( ゜д゜):お腹破裂じゃすまない、、、、




すみません、プロローグ3を新たに追加してますので、先にご覧ください。

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