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まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
1章
112/162

7幕:リンベル冒険団と飛び込みライブ3

 人目につかないように隠された少しだけ震える手をそっと包み込みながら彼女たちを抱き寄せた。


 何でもないふりをした表情からは読み解ける感情はないように見える。

 でもそれは違う。

 普段気丈な振る舞いをしているのも上から目線なのも全ては自分を守るためだと思う。

 彼女は本心を隠したがる。


 ココナは喜怒哀楽がはっきりと表に出るのでわかりやすい。

 一方、ココアは隠しているつもりだろうけどちょっとした仕草にサインが現れている。

 だから初めての人前のライブで彼女は余裕がなさそうで震える手を必死に隠そうとしていた。

 一方のココナもすでに人前でのライブを体験しているけどまだ慣れるには時間がかかるだろう。


 左右の頬に彼女たちのとても柔らかいほっぺの感触が伝わってくる。

 そのまま大切なことを口にした。


「練習した通りにやればいいし失敗しても大丈夫。大事なことは、、、」


「たのしむこと?」(ココナ)

「、、、」(ココア)


 自分の思いや気持ちが伝わるように両腕に少しだけ力を入れながらさらに優しく抱きしめた。

 緊張している時、心配な時、そんな時ほど人肌が特効薬になる。

 ちびっ子たちが最高のパフォーマンスを発揮できるなら何でもやるつもりだった。


「お兄ちゃんの魔法は笑顔の魔法だから、、、言いたいことはわかる?」

「「!?」」


 コクリと頷く二人の口へ小さなスプーンを突っ込んだ。

 白くてふわふわの甘いものだ。

 口の中で蕩ける感触はきっと二人の心を溶かしてくれると期待して。


「あまーいおいしいー!!」

「お兄、、、後でお腹いっぱい食べたい」

「うーん、どうしようかな?」

「あぁー!!おにいちゃんがひとりでたべるきだもん!!」

「お兄!?ちゃんとみんなで食べないと糖尿病になるわよ!!」

「え!?どこでそんな言葉を覚えたの!?」

「ココアちゃんすごーい!!」

「そうよ!!だって私は」

「おとなだもん!!」

「wwww」

「もぉーお兄は笑うな!!」

「ごめんごめんwww」


 急に顔を変えた二人の押し問答に可笑しくなって蒼葉は笑い出した。

 処方箋は効果抜群だったようだ。

 ならばと思いいつもの掛け声を口にする。

 我らが冒険団の大切な合言葉である。


「お兄ちゃんの魔法は?」

「「えがおの魔法!!」」


「押さない駆けない?」

「「喋らない!!」」


「3k?」

「「きつい汚い給料安い!!」」


「遅刻するなと言うなら?」

「「終業時間をまもれ!!」」


「タダ働きは?」

「「絶対にしない!!」」


「今日のご飯は?」

「「客からふんだくる!!」」


「お願いするときは?」

「「斜め上目遣い!!」」


「降りかかる火の粉は?」

「「隙をついてぶちのめす!!」」


「よし!!じゃあリンベル冒険団出陣!!」

「「おぉーっ!!」」


 いつもの流れるような掛け声の末、一つとなった三人はそのまま静かに息を整えた。

 二人が視線を側に移すとヤキニクとマロンも静かに頷いた。

 裏扉から見える光景は今か今かと待ち構えた人たちばかり。


 そんな中、一人の女性と視線が合うと蒼葉は静かに頷いた。

 コクリと頷きした彼女は紙束をぎゅっと掴みながら静かに立ち上がった。


 始まりの合図である。

 ステージとなる中央にラズが上がり一礼し軽く挨拶を行う。

 満杯の店内の照明が落とされステージに魔石灯が照らされる。

 ラズの語り部から舞台は始まるのだ。


 拍手に歓声に飛び出す声援を手で軽く抑えながら彼女は静かに語り出した。


「これは東の国の伝説となった少年の物語です。ある東の彼方に普通の少年がいました。彼は後日にダークシャドーと呼ばれ、、、」



 この日、ついにリンベル冒険団が動き出したのだった。




リンベル探検隊隊長 蒼葉(๑• ̀д•́ )/:リンベル探検隊出動!!


ココナとココア(๑• ̀д•́// (๑• ̀д•́ )//:おぉーっ!!

ヤキニク(๑• ̀д•́ ):モォーッ!!

勢いよく飛び跳ねるマロン⭐︎=(๑• ̀д•́ )


恐れ入りますが、、、ココナとココア、ちびっ子二人の活躍に癒されたい方、もし良ければブックマークや評価、twitter等でシェアしていただけると嬉しいです。




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