表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
1章
107/162

まじかるココナッツすうぃーと 『ぷろぽーず大作戦1』

 

 ラクスラスクの東側にある公園は子供たちの格好の遊び場だった。

 木材でできた様々な遊具があり中でも最近できた目玉の遊具は子供達の長い列ができている。

 どの遊具よりも立派で何倍も大きな滑り台である。

 気前の良い冒険者が出資してくれたという滑り台にココもすでに10回ほどは味わっていた。

 他には広くて大きな芝生の広場が併設されそこで缶蹴りをしたりボールを蹴ったりと子供たちにとっては口うるさい大人たちから解放される楽園だった。


 見張り台や町中で門番や大人たちが警備していたりするので魔物が飛んできてもすぐに危険が知れる。だから大人たちは遠くから見守る程度で子供達が公園にいる時は干渉が少ない。そんな町中で遊べる公園は子供たちにとってとても貴重な場所だった。

 そんな楽園のほぼ毎日決まった場所で三人のちびっこたちがいつものように語り合っていた。


「なぁ二人とも大きくなったら何になるんだよ?」


 考えてみたことがなかった。

 大人になってから何になりたいのか?

 その言葉はとてつもなく大きなものでココには未知のものに思えた。


 ラクスラスクの町で出会った腕っ節の強い男の子である。

 自分より大きくてココアちゃんにも負けないくらい元気いっぱいだ。

 それにこの町のことを隅から隅まで知り尽くしていて一番喧嘩が強いのだという。


 ココアちゃんがこっそりとあれが巷で噂のガキ大将よと教えてくれた。

 流石は物知りのココアちゃん、、、大人である。


 でもココにはココアちゃんがガキ大将だと思えた。

 だってクラムはココアちゃんの言うことを何でも言う通りに聞いてるからだ。

 ココがお願いしても顔を背けて聞いてくれないのだ。

 お菓子をよくくれた『ホルクスのお姉ちゃんたち』に教えられて身についた上目遣いやぎゅっと男の子の手を握る動作や髪を搔き上げる仕草はクラムの前でも自然と動作できていた。

 知らない間に身についたことのため自覚はない。

 そんな仕草にクラムがちょっとした異性を感じていたことをココが知る由はない。

 急に顔を横向けたままでぶっきら棒な態度をするクラムの質問に少しだけ考えて思ったことを口にした。


「だいまどうし?」

「ココナそれは目標じゃない。そうじゃなくて夢のことよ夢」

「じゃあココアちゃんは?」

「もちろん私は大きな大きなお菓子のお城に住むの!!それをぜーんぶ一人で食べるんだから」

「どのくらいのやつー?」

「こーんなでこーんなに大きなやつ」


 ココアは両手を広げて何度も大きく振り回した。

 でもそれだけではお城の大きさは表現できないのだ。

 だからこれはココの出番である。

 小さくしゃがんで大きく飛び跳ねながら両手をいっぱいに広げる。

 そしてその場で回転しながら、、、このくらーーーい?とそのお城を表現するのだ。


 そうココはできる子である。

 そして、えっへんとドヤ顔を浮かべた。


 そんな彼女にクラムは呆れ顔である。


「ココナより大きかったらお腹入んねぇーだろ!!」

「いいのよクラム、その分私も大きくなるの!!それよりクラムは?」

「俺は英雄になるんだよ!!英雄になってSランクになるんだ!!」

「むぅっ!?それもくひょうだもん!!」

「ん?そーだな、、、じゃあ大きくなったら、、、コ、ココナと結婚してやるよ!!」

「けっこん?」

「ココナと結婚?へぇー」

「な、何だよココア?」

「ふーん、、、私じゃなくてココナとなんだ?」


 結婚?

 何のことだかさっぱり分からなかった。

 ココにはちんぷんかんぷんである。


 それに流石はガキ大将のココアちゃんである。

 頭にハテナマークを浮かべていた頃、顔を真っ赤にしたクラムにニヤリとした顔で集中砲火を浴びせていた。

 最近何処かで見た顔だと思ったら、、、ふとココは気づいたのだ。

 確かラクスのギルド長と話をしていた時に同じような顔をしていたことを。

 でもそれより結婚というものがよく分からないので、とりあえずココはこう答えることにした。


「じゃあクラムとけっこんするー?」

「「えええぇぇっ!?」」

「コ、ココナほんとかよ?約束は絶対なんだからな!!」

「そうよ!!ココナ、幼馴染の誓いは絶対なんだからね。約束破ったら首が飛ぶんだから」

「ほへっ?そうなのー?さすがココアちゃん」

「そりゃもう大人だもん!!」

「いやまだ子供じゃねぇかよ!!それより、約束は、ぜ、絶対なんだぞ!!」

「クラムのがきんちょ、、、あーでも私は一人だけなんだ?ココナには一人だけ約束して私は放置なんだ?」

「う、うるせぇココア!!」

「それでどこが好きになったの?ほらちゃんとココナに言いなさいよ」

「そんなこと言え、る、、、かあぁぁああぁぁぁっ!!」


 そのまま叫びながら何処かに走り出したのでココは追いかけることにした。

 ココアちゃんの手を取りクラムに負けじと追いかける。

 せっかくなのでココも負けじと疑問を伝えることにした。


「なんで?クラムはどこがすきなのー?」

「ねぇねぇクラムはココナの何処が気に入ったの?」

「ああぁっぁぁ聞こえねぇ!!全く聞こえねぇっ!!」


 にやりと澄ました顔のココアと分からないままのココナの追求はその後、蒼葉お兄ちゃんに呼び止められるまで15分以上は続いたのだった。

 寝る前に『ダークシャドー』の話を何度もお兄ちゃんにしてもらいながらベッドに寝転んだ。

 今日は走り回って疲れたのか、寝る時のココアちゃんはなぜかすごくすっきりした顔をしている。

 それからココも気がついたら朝だったのでビックリである。


 翌日、二人がいつものように銅像を格好良くするために一仕事終え受付ホールに戻った時だった。

 いつもお菓子をくれるラズお姉ちゃんが深刻な顔をしてちょいちょいと手招きしてくれた。

 どうやら何か用事があるらしい。


「二人にお姉ちゃんの秘密の特別緊急指名依頼を発行します!!」

「「秘密のとくべつ!?」」


 その一言が二人の心の導火線を刺激するのには十分だった。


天然の人たらしココナ(^▽^)/:くらむー

天性の小悪魔ココア(o `▽´ )o:ふふふ、、、クラムは誰が好きなのかなぁ?



恐れ入りますが、、、天然人たらしのココナにほっこりされたい方、天性小悪魔のココアに癒されたい方、もしよろしければ評価やブックマーク、twitter等でシェアしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


●新作です。 ロリコンドMの人形使いは幼女に顎で使われる!!

●続きを読みたいと思った方は、よろしければ下のランキングのリンクバナーのクリックをお願いいたします。

小説家になろう 勝手にランキング
cont_access.php?citi_cont_id=410288874&s
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ