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まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
1章
100/162

5幕:鬼面の男と海の調査2

upする内容間違えてました。



「おい!!うちの天使たちが泣いてしまうだろ。誰か助けてやれよ」

「ちげぇねぇ。だがお前が行けよ」

「泣く子も黙るんじゃないんだぞ。泣く子がさらに泣く『鬼面』さまだぞ」

「あちゃーっ!!しまった、、、手遅れだ」


オーガのような体格と怖い顔をしたラクスラスクが抱えるBランク冒険者である。

今の叔父であるギルド長の弟子でありこの町に彼の二つ名を知らない者はいない。

そんな彼にはとても有名な逸話がある。


泣く子供がさらに泣きわめく。


----『鬼面』Bランク認定のソロの冒険者ブラク


それはこの町でそう呼ばれるようになったのは、過去実際にそういうことが起きた事に由来する。

10年ほど前だろうか。

当時から相変わらずな体格と顔をした彼を一目見た小さな女の子が、ギルドにいる叔父のとこへ遊びに来た途端、彼を見て大泣きしたのである。


それだけでなく町中の至る所で似たような事例が頻発していたため彼は自然とそう呼ばれるようになった。オーガの仮面を被ったオーガの大男。


ちなみにそのギルドで大泣きした女の子というのは小さい頃のラズのことだったりする。


あの頃はギルド長、、、いや叔父さんもよく呆れていたなぁ。


あれ以降、会うたびに大泣きしていたのだが、今思い出してもかなり小っ恥ずかしい話だったりする。

その後、慣れてからは泣くこともなく、また最初は分からなかった彼の言うことも自然と理解できるようになり怖く無くなったのだ。


それから月日が経ち何の因果があってか、ラズは冒険者ギルドの職員となり昔よりもよく顔を合わせるようになった。

そんな彼から好きな人ができたと聞かされた時は驚いたし、まさかそれが先輩のことで、、、しかも恋人になったとは天地がひっくり返るほど驚いたものだった。

それに先輩から告白していたとは、、、、


そんな強面の大男の腕にぶら下がる子供達を見て当時のことを懐かしみながらラズは頭を悩ませた。

二人ともぶら下がったり肩や背中に這い上がったりとすごく楽しそうである。

マロンくんも頭の上で跳ねたりして楽しんでるし、、、ヤキニクちゃんは側で寝転がってるのかな。

さっき顔を出したもう一人の王子様に子供達の専属護衛をお願いしたし、、、これで残すはあと一人くらいだろうか。


「子供たちの専属護衛も付けたから心配事は片付いたし、、、あと斥候職がいれば、、、」

「それならば私が引き受けよう」

「!?」


思わず口にした一言に誰かが返事を返した。

しかし言葉にはできなかった。

だってそこにはラズが思い浮かべる理想の王子様が立っていたのだ。


今まで見たことがないような優雅な所作で自分を見つめる姿はまさに想像した通り。

深い浅葱色のマントに帽子、皮のブーツや手袋を身に纏った王子様らしくない青年が優しくラズを見つめていた。




Cランクのペンダントを掲げた王子様のお姿を脳裏に焼き付けながらギルド長とグミの立会いの元で魔石を開示した。

彼女にはその権限がまだないからだ。

映し出される内容にラズも横から目を通すと、、、


名前はキャロ、職業はローグ。

経歴も実績も申し分なしで評価も高い。

少し前にラクスラスクに来た王子様は昔から評判が良かったみたいで、誰もが次回も一緒に組みたいとのお誘いが多く寄せられていることもわかった。

ゆえに実力者であり人格者なのだろう。

冒険者ギルドでは虚偽の報告はできないしCランクということも踏まえ残す一人は彼が適任のはずだ。


当然のことながら今回の件、最終判断はギルド長にある。

ラズが自然にその顔色を伺い、すぐに叔父が頷くのを確認するとラズは席に舞い戻り事務処理を済ませた。


「では海岸一帯の調査、よろしくお願いします」(ラズ)


「・・・」(鬼面)

「ふんっ!!私が全部吹き飛ばすわ」(ココア)

「ココも!!ココもがんばるもん」(ココナ)

「無茶はダメですよ、二人とも」(専属護衛)

「やれやれ、、、元気なレディたちだ」(謎の男キャロ)


「では準備が出来次第、裏手の方に馬車を手配させていただきますので、そちらへどうぞ。ブラクさんよろしくお願いします」(ラズ)

「、、、」(鬼面)

「はい、安全第一です」(ラズ)


何か忘れている気がしたが、それどころではない。

ギルド所属のラプル馬車の手配を済ませクエスト中の依頼を掲示板に張り出す。

募集用、掲示用、解決済み用、依頼中とそれぞれに分けることで訪ねてきた人たちが常に分かるようにしているのである。

中には塩漬け案件や交渉中の案件があったのだが、どうやらラズがいない間に全て片付いたようだった。


今回の海岸調査の書面を依頼中スペースに掲示すると改めてあの爽やかな笑顔を思い出した。

今まで出会った中で間違いなくダントツで一番な理想の王子様キャロ様である。


あぁーこれがこれが運命の出会い。


デスクの足元に立てかけたクッションをギュッと抱きしめながらラズは妄想の世界へ旅に出るのであった。


妄想に入り浸るラズ(๑• ̀д•́ ):私の王子様~♫キャロ様♩

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