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第4話 卒業試験①

卒業式まで残り僅かとなったある日、先生から卒業試験のお題が言い渡された。

内容としては以下のとおりである。

1.2人以上のパーティーでゴブリンを討伐すること

2.ゴブリンは最低でも1人当たり3体は討伐すること

3.期限は現地に到着してから10日以内

4.場所は生徒の人数の都合上キンキの国全体で行うがどのパーティーがどの地域に充てられるかは直前まで教えられない

5.出発は1週間後

の5点が挙げらた。幸いその日は授業を行うのではなく1日かけてパーティーを探す日に当てられた。

俺は9年間共に授業を受けた仲間を見ながら硬直している。なぜなら「一緒にパーティー組むだけの仲のいい友達がいない」という何とも悲しい現実に突き付けられていたからだ。アキラ自身、学校内で同じクラスの生徒と少しは話したりはしていたが、シンの事件から一切の交友関係を断っていたため、一人ボッチとなってしまった。

ちなみにシンはあの後しばらくは松葉づえをついたりと不便そうだったが、それもなくなるとすぐに前のように動けるようになっていた。



「私達と組みませんか?」という女性の声が聞こえたが俺に声をかけられていることには気づかなかったため、パーティーメンバーどうしようなどと考えていると「お~い、私の話聞こえてる?アキラ君」再度声がかけられた。今度は名前を呼ばれたので声の主に顔を向けるとそこには黒髪ロングヘアで身長も160㎝程度の女性。学年でも容姿や成績がトップのいわば才色兼備であるクラスメイトのシズクの姿があった。今まで数回程度しか話したことがないのにどうしてパーティーに誘われているのだろうと理解できなかったアキラがシズクに目を向けながら疑問顔でいると

「アキラ君の言動って私の行動の上を行くから一度メンバーを組んでみたいって考えていたの。それでこの機会に誘ってみたのだけれど迷惑だった?」と少し目を潤ませながら尋ねられた。その言動にクラスメイトの目が一瞬俺に向かうとお前何様だよっという声が聞こえてきそうなぐらいの視線が向けられ、内心ドキドキしながら「いきなりだったからびっくりしただけだよ。シズクさんから誘ってもらえるなら喜んでパーティーを組ませてもらいます」と最後が敬語になってしまっているのは周りの視線ももちろんあったが、何よりもシズクとの距離感が分からなかったために出た言葉であった。そんな俺の内心を理解したのか「私のことはシズクって呼んでほしいな。あと敬語はやめてほしいかな」と笑顔で言われてしまったためアキラとしても返事をしっかりと返さないといけないと考え「分かった。よろしく、シズク」と、多少照れくささがあったが、なんとか言うことができてほっとした。ちなみに会話には出ていなかったが、シズクがパーティーを組んでいる生徒というのが、シンであったため、パーティーメンバーはアキラ、シン、シズクの3人である。

すまん、シン。お前のことを忘れていたわけじゃないんだ。唯一の親友であるシンを忘れていたことに内心で謝るアキラであった。

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