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猟銃

 会議室では、簡単な注意事項だけ説明されて、一番目の発表である1年2組のステージ発表に出演するメンバー達は早々に体育館へ向かった。


  着々とステージ発表が進み、ついに、あたし達1年3組の発表となった。今まであまり緊張したことは無かったのだが、主演をやるのは何気に人生で初めての経験なので、少しばかり脈拍が速くなっているような気がした。


 「続きまして、1年3組の発表です。題目は『白雪姫』です。それでは、どうぞ!!」


  3年生の司会がそうアナウンスをかけると、パッと体育館内の全ての照明が落ちる。と、同時にスポットライトが体育館中央で鏡(正式にはダンボールと厚手のサラ○ラップで出来ている)の前に立つ魔女役の佐久間を照らした。


 紫色の丈が長いドレスに、長髪のカツラをつけた彼は、このステージの薄暗さもあってか、それなりに女らしく見えた。



 「鏡や、鏡。世界で一番美しいんは、どこのどいつなんや?」



  …この台本、なんで魔女が関西弁なんだろうか。



 「それは、私でございます。」


 間髪入れずに鏡(先撮りした音声)がそう答えると、佐久間は鏡を真顔で蹴り飛ばした。


 「あかん、あかん。この鏡賞味期限切れやったわー!」


  「危なかったわー」なんて言いながら何事も無かったように振る舞う佐久間。何、賞味期限って。食うの?鏡食うの??鏡餅的なノリで???


 「せやからぁ、誰が世界一美しいか分からんなぁ……困ったわ。」



 もう一度、はぁ困ったわぁ。なんて呟きながら倒れた鏡の周りをしばらくうろうろしていたが、急に思い立ったかのように立ち止まると、ぱぁあ!と顔を上げた。











 「私以外の女を、全て消してしまえばええんや!!」











 名案やん!なんて無邪気に喜ぶ魔女。やば、佐久間が言うとまじで純粋に言ってそうで怖い。


 「そうと決まれば、まずはこの国の姫君からやな!おい、猟師!!」


 「はい、お呼びでしょうか。」


 佐久間が猟師を呼べば、委員長がすかさず幕下から出てくる。背中には大きなモデルガンを背負っていて、見た目でいうなら結構それっぽい。最も、本当にあの大きさの銃を扱うのなら、撃った時の反動がデカ過ぎて実践では使い物にならないが。



  「この国の姫君、白雪姫の心臓を持ってきぃや。」



 ぞくりとさせるような言葉と表情のちぐはぐさ。それが観客に妙にリアルな緊張感を与えていた。


 「仰せのままに。」


 猟師はそう告げると、そのまま暗転した。















 動物達の鳴き声や、緑色のランプ、ハリボテの木が、森を演出していた。ステージの真ん中で、あたしは花を摘む演技をする。


 頭には真っ赤なリボンのカチューシャをつけて、白と青のパフ袖ブラウスに、黄色いロングスカートが縫い付けられた王道ともいえる白雪姫の衣装を身に纏って。まぁ、着てる本人は殺し屋なのだから、姫と呼ばれるには少々違和感があるのだが。


 「お嬢さん。こんな森の深くまで入っちゃダメじゃないか。」


 猟師は、あたしの背後から唐突にやってきて、ゆっくりと銃の引き金に手をかけた。


 私は後ろを振り返らず、花を摘むのをやめない。


 「あら、御機嫌よう。貴方こそそんな無粋なものはお仕舞いになって下さらないかしら。」


  「 落ち着いて花も摘んでられないじゃない。」なんていいながら、猟師の方は振り返り、ぎょっとした。














  待って、その銃はモデルガンじゃない!!?


















  しかし、当の本人はそれに気づいていない様子で、台本の通り私の頭にそのまま猟銃を突きつけた。

なんで、さっきまで確かにモデルガンだったのに!


 このまま台本通りにいけば、あたしはこの銃で撃たれる。元々は弾が入って無かったって言う落ちだった筈だが、あの安全装置の解除音は、間違いなく銃弾が入っている。





 さて、どうするか。全校生徒が見ている手前派手な動きをすれば、Kに正体がバレる危険性がある。いや、そもそもKに正体がバレてて、始末するためにこんな状況に追い込んだ可能性も十分にありえるのだが。





 とにかく、ここはアドリブで乗り切るしかない……!!!!













投稿遅れてすいませんでした!!!!!



一回ね?消えちゃってね?萎えちゃったんですごめんなさい!!!!

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