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二匹目

アカメキャット団のアジトで、団員それぞれの能力について話していた。

まず、シイナの離す猫は、存在を極限まで消すことができる。その能力のおかげで先刻の立て籠り犯たちの意表をつくことができた。

カトの欺く猫は、他人から見た自身を欺くー―違う行動をとらせることができる。立て籠り犯の時、カトが欺いていた事で俺の腕を縛っていたものを取ることができたそうだ。

ダイの盗む猫は、相手の心を読み取り考えていることがわかる。ダイは幼い頃、外に出ることが嫌で仕方なかったそうだ。勝手に発動してしまうと嫌な声まで聞こえてしまうそうだ。

メアリーの静止の猫は、数秒の間目を合わせている人の動きを止めることができる。実際、カトは止められていた。

梨沙の奪う猫は、人の目線を自身に惹き付けることができるそうだ。それを使っていたから異常なほどまでに人気があったそう。

ミネの覚める猫は、知っている銃を具現化することができる。実戦ではとても役に立つだろう。ここで試しに作ってもらった。

「そうですねぇ…。自動拳銃の中でも初歩的なコルト ガバメントにしましょうか…。誰が持ちます?」

ミネは実体を持っていない為、ミネ自身が撃つことはできない。誰が撃つかを決めなくてはいけない。皆は銃を持つことはもちろん、ゲームなどでもしたことがないようだ。

「ミネ、こっちに出してくれ。あと出すならデザートイーグルが良い」

ユートは銃の指定をした。皆は銃を持つところに驚いていたのに、銃の指定までしたのだ。驚かない訳がない。

「主…。デザートイーグルってあの時の…。反動が半端ないけど大丈夫なんですかッ?」

「大丈夫だ。任せとけ」

ミネはネットでデザートイーグルの構造をよく見ると、目を瞑ったと思ったら目を見開く。そのときのミネの目は赤く染まっていた。そして二秒ほど経つとユートの手にはデザートイーグルと呼ばれる拳銃が現れる。「懐かしいな…」と、呟くと正面に構えて目で標的を捕らえる。今回標的としたのは壁の前に置かれたリンゴ。皆は無理だと言うが、俺自身としてはもう少し小さくてもいける。リンゴの中心を狙って、芯を撃ってやると決めた。決めたからにはしてみせる。

「じゃあ、撃つぞ」

撃つと宣言すると皆にバレないように右目だけを赤く染め、トリガーを引く。バンッと聞き覚えのある音が鳴るとリンゴの中心が撃ち抜かれていた。

「す、凄い!」

メアリーが感嘆の声を出した。それに続けて皆が凄いを連呼した。ミネはじっとユートの事を見つめる。ユートはミネにだけ聞こえるような声で呟く。

「少し話がある。俺のスマホに来い」

ユートはそう言うと先刻、案内された部屋に行き、パソコンを開ける。キーボードに両手を添えて超人の如くスピードで作業する。作業の途中に突然、聞き覚えのあるアラームが聞こえた。

「主、お話しに来ました!」

「静かに出てこれないのか。いや、それよりも話したいことがある」

ユートは腕を組み、真剣な眼差しでミネを見る。ミネはこんなに真剣な眼差しを見たことが無く、怖じ気づく。だが、何とか持ちこたえて「何ですか」、と言う。ユートは馬鹿なのか、と言わんばかりにため息を吐く。

「俺がデザートイーグルを使ったのは、イロハと先輩たちの前でだけだ。お前が知っているハズがない。だが、前々から気にはなっていたが、今回の事が裏付けになったな。ミネ、お前は…岬先輩だよな」

岬先輩。そう呼ばれた瞬間、私は何故か呟いていた。

「ぅぅ…。智…」

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