~初恋の味~
私は安堂美華、高校二年生。野球部のマネージャーやってるんだ。そして、私が恋をしている野球部のエース、土屋隼人先輩。土屋先輩は、後輩にもとても優しく慕われてる存在で、しかも長身にくわえ、パーフェクトな顔立ち。土屋先輩と同じ高校に入りたくて入ってきた人もいる位で、非の打ち所のない人なのだ。私も土屋先輩に会いたくて、この高校に入った一人なのだ。そして、野球部のマネージャーになったのも。土屋先輩に恋をしたのは、私が中学三年生の夏のことだった。幼馴染みの坂野正輝に誘われ、おずおずしながらも高校の春の選抜野球を見に行ったのだ。そのときたまたま選抜で出ていたのが、私が今恋をしている土屋先輩だった。スラッとした身長から繰り出される魔球は、球場を圧倒していて歓声が上がるほどだった。その試合は、3対1で土屋先輩の高校が勝ったのだ。それを見た瞬間、今まで感じたことのない感情におそわれたのだ。言葉に表すのはなんとも難しいが、胸がむずがゆくなったのだ。この時は、まだ恋とは分からなかったのだが。試合が終わって、坂野君と帰ってるとき、ふとあのピッチャーのことを思い出して、聞いてみた。「あの高校のエースの人、凄かったね!なんか、あの人を見てると胸がむずがゆくなったんだよね」と何気なく言ったつもりが、坂野君からは到底返ってこないであろう言葉が返ってきたのだ。「お前、それ恋してんだよ。あのエースのこと、好きなんじゃねーの?」思いもよらぬ坂野君の返答に、頭が真っ白になった。「そ、そ、んなわけないじゃん。唯凄いなぁって思っただけだよ」坂野君が言ったことは、本当だったのかもしれない…なんて思いながら、家に帰った。 -to be continued-




