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居候さんと休日

居候さんと娘さんの朝の攻防戦

わたしの家には居候さんがいる

皆に林さんと呼ばれる彼の朝は家族の誰よりも早い



どうやら林さんは私の目覚まし時計代わりに任命されているらしい

朝が弱い私にとって、彼は平日の救世主だ


けれど休日の惰眠をむさぼる私にとっては四天王の一角ぐらいに相当する


ちらちらと顔を横切る光は、林さんがカーテンを揺らして作り出しているものだ


うっすらと目を開けて窓を伺えば、楽しげな林さんの姿

私が眉をひそめて光から逃れようとするのをあちらも伺い見ている

そんなに楽しいか、イタズラ好きさんめ


何度か寝返りをうって彼があきらめるのを待ってみたが効果はないようだ

むしろ光の筋が太くなっていく

いい加減、ちらつく朝日がうっとうしくなってきた


ばさりと大きな音を立てて布団をはねのける。

あぁまた負けてしまった、とぼんやりした頭をゆるゆると振る


しぶしぶ上体を起こした私の目に映るのは林さんの勝利の笑み

ちょっと、とどめさすようなことしないでよ林さん





「おはよう、お寝坊さん

 今日はお散歩日和な朝だね」


「おはよう、居候さん

 相変わらずお散歩が好きなんだね」


「違うよ、

 君と出かけるのが楽しいだけさ」


「それホント?」


「もちろんホントさ」





体をひねって床に足をつけた私を見届けて林さんが撤退していく

お散歩に思いはせている軽やかな足取りに私がほだされてしまうのもいつものこと

結局のところ私も林さんとのお散歩が大好きなのだと再確認するのもいつものことなのだ




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