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創君のすりりんぐ

「いや、やっぱり暇ですよ。」

「うん」

「行ってきますよ、もう。」

「えぇ?!天界に?!」

「はい。なんか、もう神が戻ってこないのではないかと不安に・・・」

「おもちゃも行くから。」

「ごめんなさいね。そんな力が私には無いんですよ。しばらくお留守番しててください。」

おもちゃはやっぱり駄々をこねる。

「なんでぇーー?!ご飯どうするの?!学校は?!」

「もう・・・。一人でも大丈夫ですよね?」

私はそそくさと着替えやら何やらを用意し始めた。それにしても、何日間くらいいることになるんだろう?

「お買い物も覚えましたよね?行けなかったら、コ◯プ使って下さい」

「えー!えー!ホントに行くのぉ?ちょっとま」

「では」

おもちゃに色々言わせると面倒なので、わたしはさっさと呪文を唱えた。

「キムハナサワホ!」


「ほんじゃぁ、ゲーム説明や!」

創君はそう言ってホワイトボードを創り、呆然としている私たちをニヤニヤと見つめてゲーム説明をする。

「アンタらにやってもらうんは、俗にいうカードゲームや!」

「カードゲームって、ポーカーフェイスとか?」

マニャーナが首をひねりながら弱々しく聞き返した。

「ちゃうちゃう!ちゃうちゃう言ぅても犬ちゃうで~。俺がそないな詰まらんゲームをアンタらにさせる訳ないやろ?」

「詰まらない事言うな。さっさと本題に行け。」

私は『チャウチャウ』で引っ張る創君へ冷たく言い放った。

すると詰まらないという言葉に意外とショックを受けた創君は『鉄板ギャグやのに・・・』とかナントカ呟きながらホワイトボードに綺麗な字を書き込んでゆく。

そこには【天使ゲーム】と無駄に大きく書かれていた。

「天使ゲーム?」

マニャーナが呟くとそれを待っていたかのように創君は興奮した目つきで語り出した。

「そうなんや。天使ゲーム!コレが若い神の間で流行中なんやで!なんちゅうかなぁ・・・?その、スリルがたまらへんのや!普通、実際に天使を出す時わな、ちょこっとやけど力削られるやろ。やけどな。このカードゲームになるとそれが無くなりよんねん!凄いと思わへんか?」

怒濤のように言われてもルールをちゃんと言ってないのだから何の事だか分からない。

「そんな顔すんなや、ヴィル。ちゃぁんと聞きぃや?」

そう前置きして『ちゃぁんと』ルール説明を始めた。

「これは、その名の通り天使を出して遊ぶゲームや!天使と天使を戦わせるんや!まず、戦うときに番号が1~44まで振り分けられた天使カードが貰えるんや。」

そこでかなり下手くそな天使の絵をホワイトボードに書き始めた。横に小さく×44と書き足す。

「やけん、二人で戦うんなら一人22枚ずつやな!後はおおよそ『革命』と同じや!」

「じゃぁ革命しようよ。」

私の呟きは無視された。

「やけど、革命よりも簡単でな、『すりりんぐ』やねん!あのな、革命と一緒なんやけど、実際に天使を出すから一度貰ったカードは使えへんのや。最終的なカードの数で争うだけやなくて、カードについてる数の合計もプラスされるんや!ややこしいやろ?そこがええんや!」

何が『ええ』のか、『すりりんぐ』かはわからなかったが面白そうだ。

創君は興奮気味に語り続ける。

「けどな、これだけではいまいち『迫力』に欠けるやろ?」

「全然。」

私の抗議は無視された。

「そこで、俺はバトルフィールドを創ろう思ってんねん!」

創君の力を一瞬感じた後、目前には素晴らしいバトルフィールドが広がっていた。

「あ、言い忘れてたわ。このカード、要は革命やけどたまぁ~に『3』が『4』に勝ったりすんで。用心せいや。」

「は!?」


「バトルの始まりや!盛り上がれぇぇええええええええええええええええええええええええッ!」


私の、眼が、(あか)く、『光る』。


そして、マニャーナの、眼が、(あお)く、『光る』。

創君はエセ関西人なんだぞっ!

大体、天界に関西とかないし?


    by 神

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