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普通にこの状況を受け入れた

目覚めた。

明るい。

とても明るいなぁ。

・・・あゝお父さん。

・・・手をさすってくれてる。

一生懸命に。

もの凄く大きいお父さんの手。

あゝお父さんだ。

「・・・どう、し、た、の?」

父がびっくりした顔をする。

「どうしたのじゃあ無いわ!びっくりしてもう心臓がバクバクしてるがね!」

・・・変なの。

「へ〜。」

「へ〜じゃ無いわ!本当にもう生きた心地がせん!」

「へ〜。」

「どうだ体調は。」

父がニコニコ笑う。

「・・・い、いよ。」

「そうか。ゆっくり治っていけばいい。」

「・・・い、い、よ。」

同じ言葉を繰り返す。

反射的に繰り返し繰り返し。

「い、いよ。」

父はニコニコ笑い続ける。

「い、い、よ。」

壊れたおもちゃの様に繰り返す。

自分でもわからない。

繰り返すのが自然だった。

「お父さんずっとここに居てやろうか?いつまでも居るぞ。」

「い、い、よ。」

そんな事しなくていいよと伝えたつもりが伝わらない。

「そうか!だったらずっと一緒居るからな。」

父は凄く涙ぐみ笑う。

「・・・うん。」

嬉しい。

心地良かった。


父から30分くらい遅れて旦那が来た。

「お父さん。」

「おお、喋ったぞ。会話出来る。良かった、もう安心だ。」

旦那と父がベッドの横で話す。

会話は聴こえるのに会話がわからない。

二人ともはっきりと喋っているのに。

でも気にならない。

それがおかしいと思わない。

ただ二人が喋って傍らに居る。

あゝもの凄く気持ちが良い。

安心する。

二人を見る。

じっと見る。

ただ、見てた。


「じゃあまた明日来るから。」

「・・・。」

「お父さんも来るからな。」

「・・・うん。」

二人が病室をあとにする。

空間が広がる。

それに伴い二人を忘れた。

ただ目の前には空間があるだけ。

病室があるだけ。

何も無い。

無い事もわからない。

ただ、目だけが動く事を忘れ無かった。


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