普通にこの状況を受け入れてるのかな?
娘が立っている。
私の右側に。
何故か外出着で。
多分この時私は家と病院の区別が着いていない。
「・・・・・。」
「・・・めた?」
不安そう。どうしたのかな?
「・・・丈夫?」
何か言ってる。
「お~い。聴こえる?」
「・・・うん。」
私の返事に安堵の表情を見せる。
「あー良かった!」
「・・・うん。」
何を言ってるのか分からないのに会話が進む。
「お母さん、会社から帰って急に倒れて救急車で運ばれたんだよ。」
「・・・へ〜。」
「もうお父さん大変だったみたいよ。」
「・・・へ〜。」
「気分はどう?」
「・・うん。」
返事は出来るのに言葉は理解出来ない。
でも会話は成り立つ。
右手を娘に差し出す。
実際右手は動かない。
でもそうしたかった。
差し出す感覚はある。
ただ動かない。
顔より上にある感覚。
でも右手はベッドから離れない。
「・・・あ、あ、あ」
伝えたい言葉が出無い。
言葉を出したい。
「どうした?」
「・・・み、て、て」
伝えたい。
「・・・み、み、み、て、つか」
「へ?右手つかむの?」
「・・・うん。」
伝わる。
「どう?」
娘が右手を掴んでくれる。
触っているのが全く分からないのに嬉しい。
ただ嬉しい。
「・・・うん。」
返事した時笑いたくなった。
にへっ。
笑顔が出る。
にへっ。
娘も嬉しそうに笑う。
「ちょっとはいい感じかな。」
ホッとした笑顔が可愛い。
「あ、そういえばじいちゃ・・・・・」
急に安堵が溢れる。
満足が私を支配する。
家族がそこに居る。
気持ち良い。
娘が何か言ってる。
眠たい。
私はまた眠りについた。
数時間後旦那が来たらしいが私は気持ち良い眠りの中にいた。
きっと娘を見て安心したのだろう。
現状を理解していないはずなのに。




