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幻想奇譚

【番外編】翠の池

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

視点を変えないと、見えるものも見えないよ。

と言われてそうです。

この世で最も綺麗な池を見た事がある。

その池は翠玉の様な透明感のある緑色で、沢山の錦が鯉が泳いでいた。ただ優雅に流れる錦鯉はその池の模様を変え、常に異なる絵画を見せてくれた。感嘆が漏れる程に、美しいと思った。

そして今、私はその翠の池の前に立っている。でも翠の池とは言えなかった。

曇天をそのまま写した様な暗緑色に透明感は失われ、ただ水底の暗さを映し出す。揺らめく錦鯉は変わらずに鮮やかだったけれども、この暗闇の中でくすんでしまった様に思える。

「池というのは、水と言うのは、これ程までに天候に左右されるのか……」

すると真横で延々と筆を走らせている書生が、徐に顔を上げた。

「うん?」

「あぁいや……。晴天の日に見る翠の池と、曇天に見る暗緑の池はこうも違うのかと思っただけだよ」

失礼な話である。勝手に期待して、勝手に此処に訪れて、勝手に落胆するなんて。お前のためにこの池はある訳ではないと、この土地の全てから叱られそうだ。

彼もそう言うと思ったのだ。ただ寡黙に、窘められると思ったのだ。しかし。

「そうだねぇ。でも、僕はこの池を夜空だと思って今は見ているかな。ほら、鯉の動きを見てご覧」

改めて池を見る。書生はこの池を夜空と称した。ならば夜空を連想して見るのが良いだろう。

この暗緑色を夜に例えると、いまこの池を流れる鯉は流星か……。そう考えると、新たな視点が得られた。

真っ暗な夜空の上に、様々な星々が通過する。数多に横切って、形を変えて、そして散っていく。そうしてまた一つの個体になって弧を描くと、流星群の様に岩に当たって砕けた。

「……っ」

「雲は星を隠してしまったけれど、地上の星は映してくれるんだ。僕はこの光景をとても美しいと思う」

「流石作家だね。私とは違う視点で、この世界を見ている」

とりあえず、ご飯食べますね〜。


書生というのは俗姓盛丼、長髪隠れ目書生の作家です。

最初は書くのを辞めようと思っていたこの話、でも改めてこの話になりました。

翠の池はまた今度書きます。多分。


普段は透明感のある翠なんですよ。

でも今は暗緑色でした。

思っていたものと違うから、暫く考える事十五分、また改めて眺めて書くことを決めました。

わたしが書いてますが、私の物語じゃない気がします。

書生が書いてそう。

見方を帰ればこうなるよ。

綺麗だよ。という話。

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