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盗賊団のアジト壊滅依頼

 私は日々、ギルドの受付で働いて給料を得ている。

 働き始めは15歳のなので今年で6年目だ。

 この国の第2の都市のギルドなので、色んな冒険者を否応にも見る事になる。

 その経験で色々な憶測が出来、日々役立てることが出来ていると自負できる。

 けれども6年間で一度も遭遇したことがないタイプの冒険者が現れた。

 初心をここら辺で過ごし王都へ出て成り上がり戻ってきた冒険者とも違う。

 遺跡帰りのガトリーヌ。

 今日も彼女に似つかわしくないギルドの木製の扉を開いて入ってきた。

 彼女がギルド内に入るった途端、先ほどまであった喧騒がなくなり受付嬢たちのペンが紙に擦られる音だけが聞こえてくる。

 彼女は長い銀髪を後ろで括っており、冒険者に似つかわしくないような赤黒いドレスを着ている。それに加えてグローブとブーツを着用している。ただここまでだったら遺跡帰りなんて名称はつかないだろう。

 グローブとブーツには太めの線が入っており、それが光っているのだ。魔力を測定できる遺物と線が似ている為遺物であると、彼女を見た冒険者の見解である。そうであるならば彼女はどのくらい体に魔力を宿しているのだろうか。

 それに彼女はいつも黒い筒のようなものを担いでいる。それが何なのか分からない。ただガトリーヌがギルドに登録した時、ガトリングと申告していた。ガトリングとは?

「これをお願いしますわ」

 ガトリーヌがボードから依頼書を剥いで指し出してきた。

「はい、盗賊団のアジト壊滅ですね。目的を達成しましたら、またお声がけください。担当の職員を派遣いたします」

「んー、なるほど。貴女を連れて行けば問題ないですわ」

「問題大ありです! ギルド長助けてください!!」

 ひょいと彼女の小脇に抱えられた私は目があった大男に助けを求めた。

 ギルド長は手でグッドラックを作ると、真っ白い歯を揃えて笑顔を向けてきた。

 あんにゃろう後でぶっ殺してやる。


 やだ、もう無理、帰りたい。

 ガトリーヌは街中の盗賊団のアジトにたどり着くと、ブーツで扉を蹴り飛ばした。

「お邪魔しますわ」との掛け声で。

 そして鉄の塊をアジトに向かって構えると乱射し始めた。

 ガトリングって銃のことなのね。

 ただ硝煙の匂いはせず、それが私が思いつける武装ではないことは確かだ。

 ガトリーヌは一通り撃ち終えると笑顔で「確認お願いしますわ」と言ってきた。

 幸い彼女がうち漏らした盗賊はいなかった。ただ盗賊たちが人として死んだかというと肯定出来なかった。彼らの身体には無数の穴が開き、絶命していた。

 それを行った当人はすっきりしたという表情でとても笑顔でいる。

 案外自分は人の死を見てきたと思っていたが、こみ上げてくるものがあった。

「うぼぁあ」

 吐いた。

 吐しゃ物が盗賊のひとりの穴を埋めていった。


 盗賊団のアジト壊滅、達成!!

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