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【旧作】それゆけ、孫堅クン! ~ちょい悪オヤジの三国志改変譚~  作者: 青雲あゆむ
第4章 新王朝建国編

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【前作も含めた解説】

”それゆけ、孫堅クン!”を最後までお読み下さり、ありがとうございます。

ここまで続けてこられたのも、読者さんたちの応援、ご指摘などがあってのものでした。

そこで最後に、書ききれていない設定なども含めて、本作と前作について、解説を残して結びとしたいと思います。


まず本作と、前作の”それゆけ、孫策クン!”を比較すると、周辺環境に大きな違いがあります。

それを端的にいえば、”治世”と”乱世”になるでしょう。


まず孫堅が生きた192年ぐらいまでは、漢朝はそれなりに機能していたはずです。

しかし191年に洛陽が破壊され、翌年には董卓が暗殺されたため、時代は乱世に突入します。

(洛陽が破壊された時点で、グチャグチャになっていた可能性は大きいが)

それまでは反乱を起こしても、”いずれは中央に鎮圧されちゃうよな?”という雰囲気だったのが、”もう鎮圧される心配って、なくね?”に変わった感じですかね。


これによって、徐々に武装化の進んでいた地方豪族が、群雄となって土地の奪い合いを始めちゃったわけです。

その後はご存知のとおり、三国志の群雄たちがしのぎをけずり合う、”乱世”になりました。

そして前作はこの192年から始まっており、すでに”治世なにそれ? おいしいの?”な状態だったわけです。


当初から意図してたわけではないんですが、孫堅の死が孫策覚醒のきっかけになってるので、当然っちゃ当然です。

そんな状況ですから、孫策が生き残るには成り上がるしかなく、その結果として中華統一というのも、わりと早くから視野に入ってました。

幸いにも華南には、中原ほど厄介な群雄はほとんどいませんからね。


中原で群雄たちが殴り合っている間に、華南を制して力を蓄える、そんな戦略を描くことができました。

実際に孫策は、夏口城の攻略さえ成功していれば、史実でもその可能性は十分にあったと思うんです。

さらに暗殺さえ乗り越え、前世知識チートを合わせれば、中華統一も夢ではなかったでしょう。


一方の孫堅ですが、彼は治世の中に生きています。

(壊れかけだったかもしれないけど)

なので成り上がるのは当然としても、最後は漢朝を建て直して、とっとと隠居したいと考えていました。

史実では野心バリバリだったようですが、現代人が転生した本作では、だいぶ穏当になってます。


実際問題、漢朝はそれなりに機能してるから、それを倒して新たな国を興すなんて、メッチャ大変です。

その労力は孫策の比ではなく、最初から諦めてても不思議ではないでしょう。

まあ、主人公を憑依させた何かのせいで、その目論見は潰えてしまいましたが。(苦笑)


ちなみに旧董卓閥や公孫瓚、劉備や曹操といった名だたる群雄が、おとなしく呉王朝で働くのを、不思議に思う方もいるかもしれません。

しかし漢王朝がその統制を保ったまま持ち直し、さらに円滑に禅譲したような状況なら、そうなってもおかしくないと思うのです。

漢がそのまま続くならいざ知らず、強力な皇帝によって新たな国が始まるなら、民も期待が持てるでしょう。

そんな状況で反乱を起こすような馬鹿は、そうそういないんじゃないでしょうか。




ところで董卓に対してですが、私は”劉備と諸葛亮”(柿沼陽平著)という本を読んで、見方が変わりました。

題名のとおり、劉備と諸葛亮がメインですが、三国時代以前の状況についてもよく書かれていて、おすすめの一冊です。

(劉備たちの実態を分析しているので、彼らを単純に正義の味方と考えてる人には向かないけど)


この中では、世間一般では大悪党としか見られていない董卓も、あえて好意的な解釈をすれば、本当に悪かったのは反董卓連合であり、関東士人だよね、という主張が書かれています。

これは筆者も目からウロコで、そういう見方をしはじめると、どうにも恣意的に董卓が貶められているとしか、思えなくなってしまいました。

そんな思いの丈を書き連ねてみましたが、いかがだったでしょうか?

願わくば今後、董卓に対する研究が進んで、少しは見直されればいいなと思っています。


”でもそのわりに、董卓ころしちゃったよね? おかしいじゃん”という意見はあると思います。

実は当初は、筆者も董卓との共存を考えていたんです。

しかし書いてるうちに、”これだけ我の強い男が、おとなしく孫堅の下に着くか?”という疑問が生まれます。


ちなみに瑞兆を受けて即位するのは、最初から想定してました。w

そうすると、董卓をも従えなきゃいけないわけですが、どうにもその光景が思い浮かびません。

結局、歴史の修正力によって、董卓には退場してもらうことにしました。

ただし漢の忠臣として歴史に残り、孫堅や旧董卓閥など多くの人間に慕われた形でです。




それから本作でしきりに書いた、地方豪族の脱税、肥大化については、前作でほとんど出てきません。

これは前作の執筆時、筆者が兼併けんぺいという現象を知らなかったため、書きようがなかったのが理由です。

しかし知らなかったがゆえに、結果的に余計なことを書かずに済んだかな、とも思っています。


なぜなら本作で孫堅は、漢朝の体制の中で太守や牧を務めたのに対し、孫策は地方軍閥として華南を統治したという違いがあるからです。

孫堅が郡や州を建て直すには、徴兵や徴税の仕組みを見直すことが不可欠です。

そのためには豪族と交渉して、溜めこんだ土地や私有民を吐き出させるしかありません。


しかし孫策は一応、太守や牧を務めているものの、国からの束縛は遥かにゆるい状態です。

そんな状況では、”取れるところから取って、税は納めるけど、そんなに真剣にやらないよ”となってもおかしくないですよね。

兵や開発資金が必要になれば、豪族や商人と個別交渉して、支援を受ければいいんだから。


だから軍閥としてやってる限りは、豪族の兼併も脱税も、大して問題になりません。

結果的に、孫策のストーリーには関わりが薄いので、余計なことを書かずに済んだのかな、と。

ただし皇帝に即位してからは、それを正さなきゃならないので、その苦労を後日談に書いたような形です。




最後に、筆者の次回作について触れておきます。

おそらく孫策、孫堅ときたからには、次は孫権だよな? と考える方は多いでしょう。

しかし残念ながら、ゲーム中で孫権は武力ステータスがあまり高くなく、私はあまり使ったことがありません。

そのため思い入れが薄く、書きたいという意欲が湧いてこなかったりします。


孫権自体が成功者の部類なので、転生チートでリベンジする爽快さもありませんしね。

もちろん呉の建国だけでなく、中華統一まで持ってくストーリーはあると思いますよ。

しかしそれが面白い話になるかというと、私は自信ないです。


それから、”次は董卓でどう?”みたいなコメントもいただきました。

しかし董卓は孫堅より17も年上なので、周辺に有名人物が出しにくいんですよね。

もちろん”涼州3明”のダンワイやチョウカンみたいな人はいますが、よっぽど好きな人以外、”誰やそれ?”って状態になると思うんです。

そんな感じで、今は書きたいキャラがいないので、三国志ネタはしばし見送ろうかと考えている次第です。


代わりに検討しているのが、太平洋戦争です。

過去にタイムスリップした現代人が、大日本帝国を勝利に導く仮想戦記を書いてみたいな~と。

まだ勉強中なので、実現するかどうかは断言できませんが、もし実現したら読んでみてください。


ちなみに調べれば調べるほど、大日本帝国がひどい。(泣)

新興国にしては軍備を頑張ってたかもしれないけど、情報の扱い方とか後方支援などのソフト面がダメダメです。

あれじゃあ米国に勝つどころか、まともにやり合うのも難しかったでしょう。


そんな構想を温めつつ、今回は筆をおきたいと思います。

また別の空想世界で、出会えることを願って。

最後に下の★で評価などしてもらえると幸いです。

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本作の改訂版を始めました。

それゆけ、孫堅クン! 改 ~ちょい悪オヤジの三国志改変譚~

しっかり校正して、ストーリーも一部変更予定です。

劉備ファンの方は、こちらもどうぞ。

逆行の劉備 ~徐州からやりなおす季漢帝国~

白帝城で果てた劉備が蘇り、新たな歴史を作るお話です。

― 新着の感想 ―
[一言] 今作も楽しく読ませていただきました なろう三国志って意外にも劉備陣営に転生って 非常に少ないないので 日本人大好き 演技補正バリバリの劉備陣営主人公をいつかやって欲しいですね
[一言] 完結お疲れ様です。 今回も楽しく拝見させて頂きました。 次回作?の大日本帝国の色々な酷さは、 大体江戸幕府のせい(というか鎖国のせい)かと。 250年くらい引きこもりですからね。 国に財源…
[良い点] 長い間お疲れ様でした、孫策と孫堅それぞれのお話から見させて頂きましたがとても楽しみにしつつ董卓にもこのような見方があったのかと毎日楽しく読ませて頂いておりました! 皇甫嵩将軍といった漢の優…
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