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第4話 バブみ動物園

「そうだ、バブみ動物園に行こう」

 そう言ってママは立ち上がり支度を始める。


 バブみ動物園とは、世界のバブみ犯罪者(相手の同意なくオギャる等を行った者)や異形化したオギャリストを集め全ての一般オギャリスト、一般ママが見られるようにした施設のことである。いわゆる刑務所のようなものである。


 バブみ動物園に辿り着いたママが最初に赴いた場所は━━━━━。

        《バブみ犯罪者》

「う゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ー゛。マ゛マ゛ー゛!゛!゛」

「ウ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛キ゛ャ゛ア゛ア゛ア゛」

 動物園へ来る前のように自由にオギャれないのはきっと彼らにとって厳しい物なのであろう。彼らはオギャり欲を持て余し、お互いに抱き合いバブみを補給する。見るからに滑稽である。


        《特異型:クマ》

 クマのような怪力を持つ特異型オギャリスト。彼らが収容されているところである。

「オギャアアアアアア!!!!」

「オギャギャギャアアアアア!!!」

 互いの持てる膂力、威圧、カリスマ性、そしてバブみ欲。その全てを押し出し、どちらがより強大なオギャリストであるかを競っている。負けたものは勝者の下につき、母性を見つけたときオギャり優先度が決まる。

 彼らは特に危険種であり、尋常ならざるバブみを秘めた者でなければ長らく母性を失うだろう。母性に自信がないのであれば近づかぬように。


        《特異型:節足型》

 節足動物のような進化をしたものはここに収容される。バッタのように跳ねるもの、ゴキ〇リのように各地を這い回るもの、毒を持ち地を這いずるムカデのようなもの。

 いずれも甚大な被害を及ぼすとはいかないまでも、人を不快にさせることには長けているため対策必須の問題児である。



 そしてここバブみ動物園で事故が起きた。エリアは《バブみ犯罪者 特級》。一人の子供が落ちてしまった。

「オギャアアア!!助けて!!ママーーー!!」

「バブみバブみバブみバブみバブみバブみ・・・・・・」

 特級犯罪者たちはバブみ犯罪者の中でも特に危険種であり、危険なオギャリストを取り締まるバブみ警察ですら手を焼く存在である。一般人が無闇に飛び込んだとてまとめてオギャることなど彼らには容易い。

 泣き叫ぶ子供、ジリジリと近寄る特級オギャリスト。ここで未来有望な一人のオギャリストが失われると誰もが思っただろう。


 だが、幸いなことに一人の女性が近くに来ていた。

 そう、我らがママこと聖母様である。ママは少年がオギャられるすんでのところで前に立つ。その後は予め決まっていたかのようであった。

 オギャリストを組み伏せ、そのまま抱きしめ、そして一言。

「君のママはここにいるよ♪」


 圧倒的すぎる母性にあやされた彼は眠った赤子のように大人しくなる。他の者たちは一瞬怯み、その機を見計らいママと少年は脱出した。



 この事故をきっかけにママの名声は急上昇し、各地でママに助けを求めるものが増えたことはまた別の話である。

オギャア♡

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