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元走り屋の思い出話  作者: 走り屋次郎
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盗難ミッドナイトチェイサー

レビューありがとうございます。

こんな話を見ていただける方々には感謝で頭が上がりません。

これは、あまりいい話ではないのだが…もう隠す必要がないと思い ここに書いてスッキリしようと思う。

かなり長い話なので、スルーしていただいても大丈夫です。


私のホームコースには 周囲から嫌われていた有名人がいた。

  

その有名人のことをYとしよう。

Yは都会で複数店舗経営しているやり手の経営者であり、地元の山で大金をかけた車複数台を乗り回す人物だった。


そのYは人によって態度を変える人物で、前執した'お堅い'職業のGT-Rマスターに対してはヘコヘコと腰巾着の様な態度を取るが、私や他の走り屋に対しては非常に態度が悪い。

それ故に、それなりにいい車に乗っている人からは謙虚でいい子だと言われているが、友人達の評価は「マウント取りまくってうざい」と煙たがられていた。


BNR32にFDを所持し、一番お気に入りの車がなぜか紺色に塗装されたチェイサーだった。


そのチェイサーはもう競技車両かと思われるほど改造されており、かなり目立つ車だった。


ある夜、そのYが 暴走族を一言で散らした裏側と深い走り屋…彼はOと呼ぼう。


そのOとYが 山で喧嘩し始めてしまい、その成り行きを見ていた走り屋が慌てて、私と師匠、その他に複数人いたギャラリーポイントに駆け込んで来た。


師匠と格闘家の友人、そしてなぜか私まで呼ばれ、騒動の場所にまで下って行った。


そうしたら、道路のど真ん中で殴り合いが始まっており


OがYに馬乗りになって拳を振り下ろしていた。


道路上で喧嘩しており、同じ場所にいた他の走り屋が攻めて来る車を止めて、事態を見るしかなさそうに見ていた。


師匠と格闘家が慌てて双方を抑えて宥める。


Yは瞼を切ったらしく、流血しており相当に殴られた様だった。


Oに至っては、Tシャツが破れて肌が露出されており この時、私は初めてOの体に刺青が入っているのを知った。


とにかく、私は経緯を聞いて今回はお互いに悪いと2人を説得した。


Oとその後輩がギャラリーコーナーにいて、その後輩が初めて納車されたST202セリカの話をしているときにYが現れて、その後輩のセリカを散々バカにしたあとに自分のチェイサーを自慢したのが原因で、Oはそれに腹を立てて暴力に及んでしまった。


喧嘩を焚き付けたYにも非があるし、暴行に及んだOにも問題があり

山で刑事事件にすることは出来ないため、お互いに謝罪させてこの場を落ち着かせた。


…はずだったのだが、翌週の水曜日に師匠に呼び出され、山の麓にあるコンビニに行くと


山の常連の方々や、あのGT-Rマスターまで複数人集まっていた。


呼び出された用件は、その喧嘩の件でYが被害届を出し、Oが取り調べを受けているらしく

山にとって非常にまずい状況だと聞かされた。


そこで、GT-Rマスターが色々と手を回して何とか示談で解決させるようにしてみると話していた。


それから、1ヶ月ほど私には進捗の報告がないまま終わった後に Oが山に来た。


当然だが他の走り屋達は避けていたが、私はどうなったのか、O本人の事が心配で話をかけに行った。


Oは至って普通に応答してくれて、話をしてくれた。


Oは不起訴で示談で解決になったらしく、GT-Rマスターが色々と動いてYを説得してくれたらしい。


これで解決したんだと安心した矢先に、Oは「次は俺の番や、二度とこの場所に来れなくしてやる」と、一般車のヘッドライトではっきりと顔を照らされた鬼の形相を、私は未だに忘れられなかった。


人間は本当に恐ろしい生き物なのだと改めて思った。


私はその言葉に何も言い返せず、ただ恐怖を感じていた。


インパクトが強すぎて、その時、私が何を言ったか忘れてしまった。


それから、しばらくして…私の勤務する会社の近くにある定食屋の前に黒塗りの街宣車が日夜ずっと音量を流し続けていたり。


上司がお気に入りのバーに明らかに危険な雰囲気のある若者の集団が溜まり場となったり


高級なスーツを着た体格や身長の大きい男複数人が定食屋の前で客引きを行ったり


私の自宅近所のコインランドリーでも、雰囲気の違う若者とスーツの男達、さらにはブラジル系の大人数がいたりと不思議な出来事があった。


後にわかった事なんだが、その至るところで見掛けた人々がいる店舗は、Yが経営してい店舗だったらしいのだ。


ママと仲の良かった上司も、客層が理由でバーに行かなくなり、近所のコインランドリーは、集まる人々があまりにも恐くて使えないと近所の話題で持ちきりになり、ほぼ毎日パトカーのサイレンの音がしたり。


警察官に注意をお願いしても、利用客だからと咎めることもできなかった。


それが、半年続いた。


そこからある日、私達が山で集まっているとOがご機嫌に私達に話しかけてきた。


「あの鬱陶しかったYのチェイサーが盗まれたらしいよ」


私は彼の顔を見て、チェイサー盗難の件に絡んでいるのでは?と思ったが、深入りするのは危険だと思い聞かなかった。


時間は飛んで、平日の深夜帯。


私は彼のチェイサーをたまたま見かけてしまった。


繁忙期で忙しく、遅くまで残業した日の帰り、私は疲れを感じながら気を緩めて帰路についていた。


3車線の大通りを通勤車で走っていると、目の前で'そのチェイサー'が合流した。


ナンバープレートが違ったが、間違いなくYが乗っていたチェイサーだった。


派手な色のホイールとエアロパーツ

そして、明らかに盗難されたであろうナンバープレートの数字の改造。


笑える話だが、チェイサーになんと'5'ナンバーがついていた。


(これはヤバイ…見なかったことにしないと危険だ)


と私は悟って、すぐに右折車線に入ってその車が行くのを見送った。


通報するべきか迷ったが…調書を取られて確認された場合、どこでOに見つかるか分からないので私は見なかった事にした。


それが後にまた変な出来事に遭遇するとはその時の私は知らなかった。

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