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元走り屋の思い出話  作者: 走り屋次郎
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本物の"スーパーカーオーナー"が少なくなった

BNR32乗りの友人の葬儀の後日。


久しい者達と酒の席を共にした。

普通の生活であれば、共に酒や食事することができないほど社会人というものは忙しい。


現役時代は毎週末、山で騒いだ仲間達も今やカタギの社会人として溶け込んで忙しない日々を送っているだけにこの席は本当に滅多にない事だ。


現役時代にN社の整備士だった友人Gは今や輸入車の整備士を行っており、毎日故障した輸入車と戦っているらしい。


その友人は酒の席で一言愚痴った。


「昔の金持ちはスーパーカーのブランドと性能や特性をよく知っている人達が乗っていた、街乗りすればスーパーカーのエンジンがどれだけ痛むのか、そのスーパーカーをどれだけ乗りこなせるか…それをよく分かってた」


「けれど今の金持ちは違う、SNS栄えや、見栄でしかスーパーカーを所有しない連中が増えた。見せびらかす為に街にスーパーカーを繰り出し、踏むのは高速で小便ぐらいの加速。それがそのスーパーカーを労ってると勘違いしてやがる、エンジンは不完全燃焼でカーボンだらけ、ちょっと壊れればメーカーに文句を言って捨てるように買い換える。スーパーカーがどんな車かを全く理解してないやつばかり増えて疲れた」


私には想像つかない悩みを聞かされた。


確かに、街を往来する普通車とスーパーカーは訳が違う。

燃費、エコ、積載容量などを求める普通車に対して、スーパーカーは軽量、馬力、性能を求めて作り上げられた車だ。


そんなスーパーカーが東京の街中で大人しく走れば、エンジンの中は不完全燃焼のカーボンで汚れ、調子を崩すのかもしれない。

スポーツ走行を行う前提のECUは60kmや80kmの低速走行を日常的にする事を想定されていない。


これはスーパーカーに限った話ではなく、チューニングカーもスポーツ走行を前提としたセッティングがされている。


非常に難しい話だと私は思った。


ブランドで売り出し見栄えに力を入れるスーパーカーもあれば、モータースポーツの世界に参加し続ける為に技術を投入し、売るスーパーカーもこの世には存在する。



その車が本来、どんな走りをすべき車なのかを考えて購入した方が個人的には車を作ったメーカーにとっても嬉しいのだろう。


だからといってスポーツ走行を強要することはできないが、友人の言うことも一理ある。


だから人によって替わる価値観は難しい。

と私は思ったのだった。

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