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元走り屋の思い出話  作者: 走り屋次郎
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走り屋と心霊

山という場所は心霊体験で数多く書かれている。


「ばばあが鬼の形相で追いかけてきた」「バックミラーを見たら男が後部座席に座っていた」「透明な車が追いかけてきた」など


バックミラーに男が映っていたらさすがに私含め、走り屋も驚くが



ばばあや透明な車に追い掛けられたら、バックミラーにもう一度映る事のないように全開走行してどちらが速いか決着をつけて証明したくなるのが走り屋の性であろう。

そんなくだらない事はさておき、本題である。


走り屋を続けていると、よく怪奇現象を体験することもある。


例えば集まって話していると、遠くからガードレールを蹴られたり。


後ろから「おい」と声を掛けられて振り向いたら誰もいなかったり。


木々の中に黄色い発光体が見えたりと、大なり小なり皆体験している。


私の体験としては、山を攻めていてコーナリング中に、外側の崖先に、女性が立っていたのを見たことがある。


その時は、前に速い走り屋がいたので、必死になって攻めていたせいで、チラッとしか見ていないので怖がる事はなかったが、走行後に、思い返したらさすがに鳥肌が立った記憶がある。


私が地元にしていた山は、いわゆる曰く付きの場所で有名で、山頂のトイレが出る、祠の横に設置されているベンチに座ると必ず事故を起こすなど噂される、心霊系の話にも話題に時折出されている場所でもあった。


だが、私含め走り屋は、その山に長く居すぎたせいか、一人で深夜の山中に居ても、恐怖心が薄らいでいる。


挙げ句の果てには、出ると噂のベンチに腰掛けて他の走り屋を観戦したり、この世に降りてくると有名なお盆休みに山で走ったりと色々と何かが可笑しくなってしまっているのかもしれない。


一時期、霊感の強い女性が山に来た事があった。


その女性から、ギャラリーコーナーで、首を吊った女の霊がいると聞かされた事がある。

最初は走り屋達は怖がり、ギャラリーコーナーに車を止めるのを躊躇ったが、1ヶ月もしない内にはギャラリーコーナーに車を止めていた。


それからしばらくして、今度は別の霊感が強いという男性が来た。


そのときに、首を吊った霊の話を話をした。

その時の事は、衝撃的だった。


「確かに首吊り自殺した女性いるけど、あの人は害はないよ、むしろ走り屋の車に勝手に乗って楽しんでるみたいだし」


と言われた時には、走り屋としては感無量であるが、横に乗っているという恐怖心で複雑な気分になり、失笑した。

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