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元走り屋の思い出話  作者: 走り屋次郎
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初心者に"いい車は宝の持ち腐れ"

15シルビア、GT-R、70,80スープラ、セリカ、100系、S2000、NSX、FCFD、インプ、エボのドノーマルでも速いハイパワーカーに、86、シビック系、100馬力にもチューニングされた軽自動車のカリッカリのチューンドは、お化けみたいな性能と伸び代がある。


山でこんな車となんかと出会した日には、大人しく走るのを辞めて家でビールを飲んで忘れた方が賢いのである。


高性能な車は腕をカバーできる反面、恐ろしい凶器のようにドライバーを襲ってくる。


そんなギャンブルの様な車を初心者が乗ったらどうなるのか?


簡単に想像つくであろう。

良くて単独、酷ければ多重クラッシュ。


私が初めて山に来てから毎週通って1ヶ月もしない内にまたクラッシュである。


知り合った方に色々と教えを乞いながら勉強していたある日、それは起きた。


「ここのギャラリーコーナーは本当に危ない、ベテランしか信用して見れねぇんだわ」


その言葉通り、初心者がギャラリーコーナーで事故を起こした。


エボの7代目がギャラリーコーナーに思いっきり突っ込んでいったのだ。


幸い怪我人はいなかったが、そこで見ていたギャラリーの車は4台が巻き込まれた。


エボにアルトワークスが壮大に弾かれ、ドミノの様にスイフト、180、34スカイライン(友人のではない)がガチャンガチャンと金属音と共に悲惨な光景を見せられた。


買って間もない愛車であった180は、見るも無惨に左のピラーからリアガラスまでふんにゃりと曲がってしまったのである。


それよりも恐ろしいのはアルトワークスだった。


まともに受けたアルトワークスはプレス機に潰されたかのように両側が潰され、左右のドアがシフトノブ近くまで狭まっていた。


もし、乗っていたら息をしていたか分からない壮絶な状況だった。


車はもちろん、廃車。

警察が来てびくびくしていたが、お馴染みの事故なのか、大雑把な対応をしてそそくさと帰っていった。


その後、積載車を呼び出して、事故車を全て積み込むまで朝の5時まで掛かったのは言うまでもない。


エボの運転手は自分含め、4台分の金を親に払って貰ったそうだ。

もし保険屋が動いていたら、この事故は間違いなく物凄く泣いた事故であろう。


その後、エボの運転手、アルトワークスの運転手は山で見かけることはなくなった。


かくいう私も、愛着が沸く前に180をなくし、エボの運転手から貰った大金で自動車ローンを精算し、その朝はやけ酒して落ち込んだのである。


サーキットでもこの事は言えるが、本当に欲しかった車を手に入れてイベントに出すだけならとにかく、もし走りたいのであれば、すぐに行動するのではなく、まずは軽自動車やカートなどで基礎をしっかり覚えて走らなければ後悔する事になる。

高性能な車ほど、自分の腕を過信するからだ。


結局のところ、自己責任である。



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